遺跡馬鹿の番組&雑多感想








 ■探検ロマン世界遺産 断崖に生きるドゴンの民(マリ共和国)-2007年9月15日(NHK)
blo_42.gif■登場した遺跡・場所

ドゴンの村(マリ共和国)


へっぽこ絵
村の井戸が埋まらないようにスコップで砂を掻き出すも、気が付けば自分を埋めていたようにしか見えなかったので、記念に描いてみました。
砂漠の生活って本当に大変だな…と実感しました。


総評

遺跡は出ませんでしたが、興味深い場所なので感想を書くことにしました。
ドゴン族といえば、「祖先はシリウス星からやってきた」という衝撃的な神話を持つことでも知られていますが、番組では取り上げてくれませんでした。
トンデモ神話が大好きな私としては残念でした。


バンディガラの断崖にあるドゴンの村は、一見すると昆虫の住む泥壁のようで、「擬態」という言葉が浮かびました。
戦乱を逃れてこの地にやってきたそうなので、村の歴史を考えれば、このように目立たずひっそりとしたたたずまいになるのも仕方がないですね。
でもそれが今や魅力の一つとなっているのですから、世の中分からないものです。


村のお墓はすごい岸壁の上にあるんですが、カメラマンは根性出して登って欲しかったです。
あそこまで行って下から撮影するだけなんてもったいないと思いました。
祖先の霊を大切にする村人の話を聞いていると、きっと葬儀もすごく凝っているのではないかと思いました。
それなのに埋葬の様子を撮さないとは…。
危険なのは分かるけど、そこを工夫するのがプロってもんじゃないのかな…と思いました。


村の寄り合い所の天井が低い理由には笑いました。
なんという合理的な発想。
というか人間の行動を実に良く観察し、暮らしに取り入れていると思いました。
あれだけ天井が低ければ激しいケンカも出来ないし、相手を上からにらみつけることも出来ない。
建物の構造を工夫するだけでケンカが収まるなんて、本当にすごいアイデアだと思いました。


乾燥によって砂が村に押し寄せてくるシーンは衝撃的でした。
原因は分からないそうですが、あの狭い耕作地でどれだけの人を養っていけるのか…。
壁に描かれた絵や踊りなど、いつかは博物館の中でしか会えないモノになるんだろうな…と思うと本当に寂しいです。

探検ロマン世界遺産

 ■探検ロマン世界遺産 砂漠の風 謎のチムー王国〜 ペルー・チャンチャン遺跡 〜 ☆-2007年2月24日(NHK)
kan_02.gif■登場した遺跡・場所

チャンチャン遺跡(ペルー)


★へっぽこ絵
遺跡の近くでスイカを作っている一家のお母さんが、リポーターのために、素手でスイカを割り、もてなしてくれたシーンが忘れられません。
スイカって固いのに…お母さん凄すぎます!


■総評
懐かしのチャンチャン遺跡…。乗り合いバスで訪問するっていうのが憎いですね。
自分も同じバスに乗りました。
あの大通りに一人下ろされ、トボトボと遺跡まで歩いていったことを思い出しました。
道すがら左右に立っている「壁」が気になって、あの壁の向こうはどうなっているのかな…なんて思っていたんですが、強盗が出るかも知れないし、見に行くのはやめておいたけど、心残りだったので、今回、空撮のお陰でタップリ見ることが出来て嬉しかったです。
…やっぱり何もなかったんだな。

kan_04.jpgあの近くには「ドラゴンのワカ」という遺跡もあって、チャンチャンからそっちへバスを乗り継いで移動しました。
英語を勉強中の姉さんが相手してくれて、楽しく見学したことを思い出しました。


■チャンチャン遺跡と壁画
ここの遺跡に立って驚くのは、敷地が広いこと。
なんかもう…端から端まで歩くのが大変!
大通りから王宮まで2キロ近く歩いて、やっと見学出来るかと思うと、あの広場登場だもの…。
この広場を通り抜けないと次の見学エリアに行けないから、どうしても歩き続けなきゃいけなくて、それがツラかったり…。
ノドがカラカラなんだけど、売店もないので、遺跡でミイラになりそうでした。

kan_01.gifkan_03.jpgチャンチャンの壁に描かれていた可愛いリスたち。
和む〜。プリティー〜。キュート!
でもチムーのデザインで有名なのは、アーモンドアイをした目つきの鋭い土偶とかなんだよね…。
動物の描き方と人間の描き方に差があるのはどうしてだろうね…。
王様によって好みが違うので決めつけは出来ないけど。


王様の墓室
白い日よけが張られ見学者が見に来ているようですが、当時は穴がボコボコとあいただけの不思議な空間で、その違和感を良く覚えています。
貯水池の裏手が墓地になっているんですが、もう何も出土しない跡地だと思っていたので、テレビを観て驚きました。


海でのトトラ漁
必ず紹介されるので、手垢がついたネタですが、何度見ても猟師のオヤジは素敵です。
親子で漁に出るというのが微笑ましいし、生活を支えていけるだけの収入が海から得られるというのもスゴイです。
チムーの人たちが漁を盛んに行っていたことは壁画からも分かりました。
海鮮丼やお刺身を食べていたのかな…。
もっともっと当時の人たちがどんな食べ物を食べていたのか紹介して欲しかったです。


新発見として、木彫りの人形が最後に紹介されていました。
存在感があり、とっても不思議なオーラが出てました。
鉄を使わない人たちが作ったにしては精巧に出来ているように見えました。
いずれ掘り出されて研究されるんでしょうね。
洪水の被害も紹介されていましたが、あの広大な遺跡を守るのは大変だと思うけど、現地の人たちの情熱は頼もしい限りです。

探検ロマン世界遺産

 ■探検ロマン世界遺産 トルコ・ヒエラポリスとパムッカレ☆-2006年9月16日(NHK)
■遺跡概要

ヒエラポリス
パムッカレ(石灰岩の棚)

blo_23a.gif★へっぽこ絵
案内役の鬼頭アナの素潜りが見事だったので記念に描いてみました。
あの温泉って、あんなに深い所があるんですね…知らなかった。
私は上から見ただけだったので気がつきませんでした。


総評

久しぶりに観るパムッカレはとてもキレイでした。
一時期は汚れが目立ち、なんだかパッとしない感じがしてしまったのですが、今はかなり美観に気を使っているんですね。
番組の中でその様子が紹介されていたのが良かったです。

パムッカレの空撮も良かったです。
棚の白と青空を映した水の青さがとても美しかったです。
下から見ると大したことないんですが、上から棚を見下ろした時の絶景と感動はちょっと他の場所では味わえないです。


ヒエラポリス遺跡
私がパムッカレに行ったとき、この遺跡はまるで工事現場のようで、ただ石がゴロゴロと置いてあるだけでした。
今回、こんなに立派な遺跡として登場したので驚きました。
この場所に4万5千人も暮らしていたそうですが…確かに墓の数はハンパじゃなかったですね。
1000個もの石棺が並ぶ様子は圧巻でした。

面白かったのは、ガスが吹き出る通路。
そのガスを吸ってフラフラになり、恍惚とした状態になるのが人気だったらしいです。
そんな楽しい体験が出来ると聞けば、地の果てからも観光客が押し寄せてくることは簡単に想像できますね。

ズラッと並んだ40人掛けのトイレには笑いました。
ニギヤカで楽しい(でもちょっと恥ずかしい)トイレタイムを過ごせそうです。


パムッカレ
毎分、2万リットルの水がじゃぼじゃぼ噴出するなんて知りませんでした。
それが2000年の間、いや…もっと前か、そんなに長い間、水枯れすることなく沸いて出る温泉が、こんな山の中にあることが不思議でした。
私が行った時はどこでも好きな棚に入ってジャボジャボと遊ぶことが出来ましたが、今は違うんですね。
観光客が増えたのだから制限されるのは仕方ないです。
遺跡プールは昔と変わらない様子でした。


パムッカレの石灰岩って見た目は雪みたいでスベスベな感じに見えますが、触るとザラザラで、ちょっと期待を裏切られた気持ちになります。
裸足で歩くと、足裏が擦れて赤くなったりします。
でもそれがパムッカレの楽しいところだったりします。
パムッカレで印象に残っているのは、食べ物屋が少なかったこと。
街をふらついた果てにたどり着いたのは「ピザ屋」でした。
今は何が食べられるのかな〜。

探検ロマン世界遺産

 ■探検ロマン世界遺産 <<特選>>絶海の孤島 神秘のモアイ像〜 チリ・イースター島〜☆-2006年9月2日(NHK)
blo_21a.gif遺跡概要

モアイとアフ及び住居跡(チリ)

へっぽこ絵

自分も同じポーズをしたことがあるので懐かしく感じました。
アフの上のモアイは近づくことさえ許されていませんが、石切場のモアイたちはお触り自由なので、心ゆくまでモアイを堪能する事が出来る天国です。


総評

島の歴史からモアイの運搬方法、そして古代に起こった環境破壊にまで話題が広がっていて、楽しく観ることができました。
CGを使った説明も凝っていて、ただの観光地紹介番組とは違うんだぞ!と言うスタッフの気合いが伝わってきました。


モアイを作った人たち

イースター島と言えば「モアイ」なので、モアイ中心の流れになってしまうのですが、もう少し当時の人たちの様子を紹介して欲しかったです。
今回、一番の収穫に感じたのは、住居として使われていた建物の内部映像です。
私は入っていないので、あんなに奥が広くなっているとは思いませんでした。
どうもイースター島の遺構って怖さがあるというか、人を寄せ付けない雰囲気があるように思います。
blo_21b.gif特に洞窟とか暗闇とか、何かがいるような気配を感じるんですよね…。
だから私は毎日、あの住居跡の奥が気になって何度ものぞいたことはあるんですが、結局のぞくだけで終わってしまいました。
強烈だったのは石のベッドですね。
あの固そうなベッドが1個だけあるのが不自然で、ちょっとドキドキしてしまいました。


地元考古学者が見せてくれた「マケマケ神」
不思議な顔をしていました。
普通の人間っていうか、飾り気もなく、威圧するような表情でもない…。
本当に信仰の対象なの?という疑問が湧きました。
素晴らしい展望が開けている山の頂上に鳥人の彫刻が見つかっているのですが、その鳥人と暗闇のマケマケ神を比べた場合、どちらを崇拝していたのかな〜と考えてしまいました。
「マケマケ神」って祖先神みたいなモノなのかもしれません。


モアイ運搬法として「海から運ぶ」という仮説が紹介されていました。
古代エジプトも巨石を船で運んでいたのだから、イースター島の人も容易に思いつく方法じゃないかと思います。
問題は山から海岸までモアイを運ぶ方法ですね。
モアイは本当に立って運ばれたのか…私は立って運んだに1票です。


イースター島は車が増えたけど、ノンビリとしたムードは変わらないですね。

探検ロマン世界遺産

 ■探検ロマン世界遺産 サハラ砂漠 岩の大画廊〜タッシリ・ナジェール〜☆-2006年4月8日(NHK)
blo_19.gif■遺跡概要

タッシリの壁画(8000年前〜2000年前)


★へっぽこ絵

タッシリの壁画といえば、この「白い巨人」でしょうね。
思ったよりサイズが小さかったです。もっと大きなモノかと思っていました。
この巨人に祈りを捧げている人達に興味を持ちました。
いったい何を祈っていたんだろう。


総評
この「白い巨人」を見たくて、サハラ砂漠を一人で旅した私としては、お手盛り旅行の三宅アナウンサーに嫉妬しつつ、食い入るように画面を見ていました。
私がサハラを旅した時は「外国人排斥運動」まっただ中で、わざわざ砂漠の真ん中(タマンラセット)まで出掛けていったのに、旅行会社は休業、外国人観光客もいない、ましてや観光の拠点となるジャネットへの飛行機も飛ばずという有様でした。
タマンラセットまでたどり着きながらも遺跡観光を諦め、来た道を戻るのは辛かったですが、今日、あの岩山登山を見て、「行かなくて良かった」と心底思いました。
砂漠でのキャンプは本当にツライし、とにかくあの岩山登りは自分には無理だ。
行きは良くても帰りは筋肉痛で、数歩も歩けなくなるのが目に見えるよう…。
映像で見るだけでも満足できるお年頃になってしまったとボヤきつつ、たっぷり壁画を楽しめた今回の内容はとっても面白かったです。

三宅民夫アナウンサー53歳!
最初は「おじさんがレポするの!?」と思ったのですが、なんかすっごく自然で可愛くて良かったです。
まるで少女のような雰囲気がありました。
言葉に押しつけがなく、素直な表情のためか、見ているこっちも感情を共感出来たように思います。
特にガイドさんと仲良さそうに笑いあっていた崖っぷちのシーンは何よりも印象的でした。

blo_19b.gif岩に描かれていた絵の伸びやかな線は素晴らしいと思いました。
特に人物像には目が釘付けです。
あのフトモモが良い!! スッと描いてあるのに、肉付きの良さと筋肉の力強さが感じられて、「これが躍動感というヤツか!」と思いました。
身体にイレズミを入れている絵もありましたが、昔から身体を飾る風習があったんですね。

岩山に溜まった水を飲んでましたね…大丈夫だったのかな?
それにしても同じような風景、同じような岩がそそり立っているのに、ガイドさんには道がちゃんと見えていることに驚きました。
夜のキャンプで三宅アナがトゥアレグの人にターバンを巻かれていましたが、私もトゥアレグの人にターバンを巻いてもらった事があったので、その時の事を思い出しました。
ターバンを巻かれると、なんだか彼らと一歩距離が縮まったような気がして私は嬉しく思ったんですが、三宅アナはどうだったんだろう…。
しかし、アレだ…ターバンを巻くと誰でもカッコ良くなるものなんだな〜と分かりました。
三宅アナも20%くらい、カッコ良くみえました。

探検ロマン世界遺産

 ■探検ロマン世界遺産 ほほ笑みの都 〜タイ スコータイ・アユタヤ〜☆-2006年3月9日(NHK)
blo_17.gif■遺跡概要

スコータイ
アユタヤ


★へっぽこ絵

マッタリとした微笑みのスコータイの仏像。
口角がきゅーっと上がっているのが特徴です。


総評

同じに見えてしまう『スコータイとアユタヤ』の遺跡を歴史的背景や商業の観点から比較していたところは分かりやすくて良かったです。
僧になってしまった息子と母のエピソードは、この番組にしては淡々と紹介していて、珍しいな〜と思いましたが、無駄がない分、グッと来ました。


スコータイ

優しい国だったんだなぁ〜と思いました。
今までタイの仏像の顔は威厳より親しみやすさが全面に出すぎていて滑稽な感じさえ受けていたんですが、この番組で見方が変わりました。
僧に寄進する人たちの素朴なコメントも良かったです。
仏教の素晴らしさを改めて認識することができました。

blokanso_004.jpg写真は私が撮った『アチャナ仏』です。
観光した時は濡れていたのか身体全体が黒っぽく地味な印象だったので、テレビの白い姿を見た時は驚きました。


アユタヤ
仏像=王の分身
言われてみると確かにそうだな〜と。
国の豊かさを見せつけるだけでなく、王の分身として仏像を飾り立てていたなんで、思いもしませんでした。
いや…うっすら感じていたけれど、きちんと説明されると、アユタヤ王という人柄が見えてきて、アユタヤ遺跡への思いもちょっと変化しました。


その他
僧になった息子と母の会話はなんだか不思議でした。
お互い、言いたいことはあるんだろうけど、あえてそれを避けているような態度が分かりすぎるくらい見えていました。
息子がなぜ出家したか、母は分からないと言っていましたが、この再会で納得することが出来たんだろうか…。
母に徳を積ませるために出家した息子の気持ちがまっすぐ伝わるといいな…と思いました。

探検ロマン世界遺産

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