遺跡馬鹿の番組&雑多感想








 ■ドキュメント20min.「巨石に魅せられたオヤジたち」2011年1月24日(NHK)


【紹介された巨石&遺跡】
拝み岩(おがみいわ)巨石群(熊本県)
チチェン・イツァ(メキシコ・マヤ文明)
アブシンベル(エジプト)


へっぽこ絵
巨石大好き、好き、好き!
この気持ちは分かる!


巨石に魅せられたおじさんの、熱い想いが凝縮された20分でした。
最近はパワースポットブームで、巨石から良いエネルギーをもらおうと巨石ワールドに足を踏み入れる人が多いですが、このおじさん(松永さん)は逆に巨石に自分自身を与えようとするかのような熱意と情熱を持っていて、「あー私と同じ目をしている!」と思いました。
奥さんと娘さんには理解してもらえず、「道楽にも程がある!」と冷たい目を向けられつつも、愛する拝み岩巨石群に通う姿は愛しい恋人ジュリエットの元へ通うロミオのようでした。

拝み岩巨石群は山頂に巨石がドカドカと並んでいて、自然石が偶然に残ったように見えるんですが、人工物だという説もあるそうです。
その説の一つに岩文字の存在と鏡石と呼ばれる石に正確に東西南北を指す十字が刻まれているなどがあります。
放送の中では触れていなかったので確認できませんでしたが、そういうモノがあっても不思議じゃないなと思いました。
頂上石に磁石を当てると針が一定の方角を指し示すことを紹介していましたが、そういう現象は良くあることなので、特別には思いませんでしたが、磁気を感じやすい人が近づけば、おそらく何か感じるくらいはありそうです。

興味深かったのは、絵図で紹介されたこの山全体です。
この山を「拝み山」と呼んでいるそうですが、図で見ると麓から頂上まで、要所、要所に巨石があり、単に山を登らせるのではなく、その要所で何かを行いながら頂上を目指すような、仕掛けになっているように思いました。
その通過儀礼がどのようなモノだったのかは分かりませんが、最終的には頂上に立ち、太陽を拝むのか月を拝むのかして、村の安寧でも願ったのかもしれません。
今は鬱蒼とした木々のなかに石は埋もれていますが、昔は木がなくハゲ山だったそうなので、人々は移りゆく下界の風景を楽しみながら、頂上へと登っていったのかなと思います。

番組の中で、夏至の日に岩の割れ目から日が射し込むと、その形が綺麗な二等辺三角形になると紹介していました。
松永おじさんはその現象を発見した人で私はすごいなと思いましたが、おじさんのすごさはこれに留まらず、月明かりでもその三角形を見たいと思い、実際に行動を起こしたところです。
月が巨石の上に来る日を調べ、それが19年に一度しかないと知り、2010年の今を逃したら、次は死んでいるかも…という事で、今回何が何でも見たいと願う執念には心打たれました。
真夜中、ようやく天候に恵まれて拝むことが出来た月の光は青白く、とても美しく幻想的でした。
19年に一度というのは、イギリスのカラニッシュにあるストーンサークルでもこの周期で月が岩の間を通る現象が起きるので(世界ふしぎ発見でやってた)、「巨石+月+19年」というキーワードは色んな所に隠れているんじゃないかと思いました。
この地元で何か月祭りのようなモノが残っていれば、さらに面白いんですが、どうなんでしょうね。

チラリと映ったおじさんの書斎が興味深かったです。
自分と似たような本が並んでいて、ちょっと借りて読みたいところです。
これからも色んな巨石と出会い、彼らの声を聞いて欲しいなと思いました。

NHK・教育関係

 ■ETV特集 なぜ人は絵を描くのか日比野克彦・サハラ1000キロの旅−2010年1月24日(NHK教育)
■登場した遺跡・場所

ギルフ・キビール(エジプト)

blo_69.gifへっぽこ絵
スイマーと呼ばれている絵です。
伸びた手足が気持ちよさそうです。
私は落下しているところかな…と思いました。


教育テレビ「ETV」で放送された、「なぜ人は絵を描くのか〜日比野克彦・サハラ1000キロの旅」を見ました。
NHK総合で放送された「ギルフ・ケビール」の放送を再編集して一本作ったものでした。
ただNHK総合では絵を描いていませんでしたが、こっちではスケッチしてました。
「世界ふしぎ発見」でカナエ女帝が見に行った岩絵と全く同じ切り口で、「どっちが先に真似たのか?」と思わずにはいられませんでしたが、自分がこんな奥地に行くことは無理そうなので、こうやって紹介してくれるのはありがたいことだと思いました。

ルポした日比野克彦さんがこだわっていた「なぜ人は描くのか?」という問いですが、絵描きがその答えを探すというのは矛盾しているように思いました。
特に現代に生きて、自由に描くことを許された日比野さんの場合、自分の胸に手を当てて考えれば答えは出るんじゃないですか?と、私は思うのです。

私がああいう岩絵を見て不思議に思うのは、一万年の間、ずっと絵のスタイルが変わらないことです。
同じようなデザイン、塗り方…まさにイコンのようだと思いました。
描くこと自体が宗教で、描写に制約があるように見える岩絵。

もちろん古代人は発想が貧困で幼稚な絵しか描けなかったんだろう…という事も考えられます。
学ぶべき手本がなければ、こんなモノかもしれません。
でも子供が絵を描く時、目や鼻をちゃんと描くことを考えると、人間を黒く塗りつぶすという行為は表現の一種であり、意図的に人間を影絵のようにデザインしているんだと思いました。
もし古代人が表現力を持っているなら、もっと創造力あふれた絵が本当なら壁を埋め尽くしていると思います。
それがそうじゃなく、型にはまった描写をしていること…そこが気になるのです。

場所が開放的で、絵の内容も牧歌的に見えますが、描き手の心理がそれと同じとは限らないものです。
私はこういう閉鎖された絵を追求するのなら、実際にイコンや仏教絵図を描いているような、個性を最小限度に押さえ、長く同じスタイルを踏襲して描いている職人さんに見てもらい、何を感じるか、共感するものがあるのか…同じ土俵に立つ者としての感想を聞いてみたいと思いました。

一緒に行った先生たちの話ももっと聞いてみたいと思いました。
特に鳴門教育大学の小川先生の感想は色々と聞いてみたかったです。


NHK・教育関係

 世界遺産 石見銀山〜銀の島ニッポンを狙え ☆-2007年7月27日(NHK)
iwa_01.gif■登場した遺跡・場所

石見銀山
ポルトガルの考古学博物館
マカオ
マラッカ


へっぽこ絵
銀の純度を上げるために「灰吹法」という技術が使われたと言うことで描いてみました。
下の白いのは皿じゃなく、動物の骨を焼いて粉にしたものです。
銀と鉛を混ぜ、この粉の上に混ぜ銀を置いて、火で熱すると鉛は溶けて下の粉に染みこみ、あとには純銀が残る仕組みになっています。
考えた人、スゴイです。


総評
    世界遺産に登録されたことで俄然注目があつまる石見銀山!
    実は私もよく知らない場所だったので、今回の番組は興味深く見ました。
    古地図の紹介や海外ロケなど、盛りだくさんな内容で充実していました。
    フランシスコ・ザビエルや鉄砲伝来の謎など、意外な切り口で石見銀山と世界の関係を描いたのも面白かったです。
    「ポルトガルの繁栄は日本の銀に支えられていた」…なかなか味のあるセリフでした。
    三宅アナのレポはやっぱり良いですね。ご本人もノリノリの仕事ぶりで見ているこちらも楽しめました。

ボリビアの銀山と日本の銀山
    南米ボリビアに『ポトシ銀山』というのがあります。
    ここは現役の銀鉱山で、今も多くの人たちが働いています。
    手軽に観光出来ると聞いて私も行ってみましたが、坑内は複雑に入り組んでいてロープを伝って岩を降りたり、登ったりと大変な思いをしましたが初体験だったので面白かったです。
    ポトシ銀山はハゲ山で木が一本も生えていません。
    標高が高いせいもあると思いますが、緑豊かな石見銀山とは正反対の外観です。
    鉱山の一番奥には地下の神様をまつる聖堂のような場所があり、タバコや酒などを供えていました。
    石見銀山にはそういった物はないのでしょうかね…。
    人のにぎわいを紹介する場面で、家の数は2万を越え、寺の数は100ヶ所を超えたとあったので、坑夫たちは地下の神を祈るのではなく、仏様に安全を祈願していたみたいです。
    坑夫に一番人気だったのはどんな仏様だったのか気になりました。

石見銀山の名がポルトガルにまで届いていたのにはビックリです。
    さらには中国が日本の銀を欲していたことは意外でした。
    言われてみれば中国にはほとんど銀鉱山がないですね。
    今まで何気なく中国の銀を見ていましたが、あれが石見銀山から生まれた物だと思うと感慨深いです。

間歩
    「龍源寺間歩」が観光できる唯一の坑道のようですが大きいですね。
    洞窟マニアとしては気になってしまいます。
    まだ発掘・調査されていない間歩がたくさんあるそうなので、早く調査を終えていろんな間歩の中を歩けるようにして欲しいです。
    それにしてもスゴイ坑道の数でした。

町並み
    マッタリとした銀山街…いい味出てました。
    この素朴な雰囲気がずっと残ってくれると良いなぁ〜と思います。


NHK・教育関係

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