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世界遺産 「エーゲ海が生んだ黄金文明」〜ミケーネの古代遺跡(ギリシア) 2011年10月9日(TBS) |
【登場した遺跡・博物館】 ミケーネ(ギリシャ) ティリンス(ギリシャ) デロス島(ギリシャ) ピュロス(ギリシャ) トロイ(トルコ)
★へっぽこ絵 ミケーネ遺跡の全景。 「プロプィティス イリアス山」と「ザラ山」の間にひっそりと建つ遺跡。 とっても規模が小さく、遠目で見たとき、「えっ?これだけ??」と思い、実際に歩いても「これだけか…」と、うっかりつぶやいてしまうほどの狭さでした。 こんな狭いところに宮殿や墓を作った理由をミケーネ人に聞いてみたいです。 広々とした土地がいくらでもあるのに…不思議です。 墓も敷地の外に作れば良いのにどうして城壁の内側…泥棒を警戒して?
しかし古代世界での存在感は半端ないので、名の大きさと住まいの小ささ…そのギャップを楽しむと良いかもしれません。 …が、個人では行きにくいところなのが残念です。
■ティリンス遺跡を紹介してくれるというので、ワクワクしながら観ましたが…時間が短く、もうちょっと取り上げ方を工夫して欲しかったです。 まぁ実際に訪問した身としては見どころが特になく、それゆえ扱いに困ったんだろうな…と感じましたが、城壁の美しさや石積み方法など、ネタになる物は色々あるだろうと思うんですが…軽く流されてしまったのが残念でした。 ヘラクレスの生まれた所という伝承も、詳しく解説して欲しかったです。
■ミケーネは紀元前1700年頃に生まれました。 シュリーマンが墓を発掘し、黄金がどっちゃり見つかりましたが、特に有名なのが黄金のマスクです。 いろんなマスクが紹介されていましたが、威厳というより「ひょうきん」という表現がふさわしいなと思いました。
■ミコノス島のペリカンまで紹介されていましたが、確かにミコノス島は楽しそうです。 デロス島のライオンはレプリカですが、ああやって並んでいると本物みたいでした。 小さいのに山まであるデロス島は興味深いところです。
■ミケーネ遺跡の中を紹介するところで、「地下貯水池」が登場しました。 照明とカメラのせいで、とっても美しく、素晴らしい石組みを観ることが出来ました。 しかし、なぜ最奥まで行かず階段の途中でカメラを止めてしまったのか…奥が観たかった私としてはひじょうに残念に思いました。 私も途中まで降りたのですが、「蚊」がひどくて先へ進むことができませんでした。 おそらく同じ理由でカメラマンも降りていけなかったんでしょうね。 画面を凝視すると黒い物体が飛び回っているのが見えました。 まぁ意を決して水辺に行っても、何かヤバイ物が水面を泳いでいる可能性もあるので、あの位置でカメラが止まったのは正解だったかもしれません。 もう少し遺跡が往事の姿をとどめていたら、宮殿跡もそれなりに美しかったんでしょうね。 ピュロス遺跡の宮殿再現図を見ると、当時の人々の美意識の高さを感じられました。
■おまけ程度に紹介された「コリントス運河」 私も長距離バスの中から見学しましたが、高さがかなりあって怖かったです。 人の手であの運河を造ったのですからすごいです。
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TBS世界遺産 |
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■世界遺産−アルタミラ洞窟と北スペインの洞窟壁画−2010年8月1日 |
■登場した遺跡・場所
アルタミラ洞窟 エル・ベント洞窟 ラパシエカ洞窟 ラス チメネアス洞窟 クロマニヨン人住居跡カスティージョ エル・カスティージョ洞窟 ペシュ・メルル洞窟
★へっぽこ絵 洞窟に描かれた馬の絵です。 ピンと伸びた首、小さめに描かれた足など、独特の味わいがあります。
■スペイン北部の洞窟絵
カンタブリア州のビスケー湾近くに、一列に並ぶように絵のある洞窟が並んでいることを知りました。 フランスの壁画にはマンモスやライオンの絵がありましたが、スペインの岩絵には、そういった動物が描かれず、牛が多いというのは闘牛好きの血がこの頃からあったのかなと思ったりしました。 どの洞窟もだいたい1万年前に描かれたモノで、それを描いたのはクロマニヨン人でした。 クロマニヨン人っていうと北京原人のように今の私たちと世代が違うような感じがしますが、縄文人くらいに思っておくとちょうど良いかも。 日本の縄文人とスペインのクロマニヨン人を比べるのも強引だけれど、この頃の人たちの芸術に対する冴えは素晴らしいと思います。 ■天才
アルタミラの入ってすぐの小部屋に描かれた、うずくまる牛たち。 言われてみると確かに目がそっくりでした。 あの天井の牛たちを一人で描いたのだとしたら、よほど描くことが好きな人だったんだろうな〜と思いました。 まだ専業画家はいないと思われるので、昼は狩りをし、夜や雨の日に洞窟にこもって、絵を描き続けていたんだろうと思います。 狭いとはいえ、暗い中での作業、おまけに天井に描くとなると、無理な姿勢をとり続けなくてはならないので、相当体に負担をかけたと思います。
昔の人は健脚だから、この天才も山を越えて、フランスのラスコーへ絵を見に行ったりしたかもしれない…と空想したり、また逆に向こうがこのアルタミラにやってきた可能性もあるかと思います。 人が動けばモノも動くので、両者を結ぶような発掘品が出土すれば、ますます面白いことになりそうだと思いました。 ■指絵と吹きつけ
絵を描く道具として指と吹きつけが紹介されていました。 鳥の骨に溝をつけ、そこに絵の具を貯め、一気に吹くと噴霧器のようになって、赤い絵の具が均一に手の回りを染めるシーンには感動しました。 以前、NHKでラスコーの特集をした時は、絵の具を口に含んで、「ぶーっ!」と吹いていたのが、ちょっとカッコ悪かったので、ラスコーよりアルタミラの方がオシャレな感じがしました。 ■2011年
人間が洞窟内に入ることで壁画にダメージを与えるという理由で閉鎖されている洞窟が2011年に人数を限って公開する予定があるそうです。 本物も見てみたいけど、混むんでしょうね…きっと。
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TBS世界遺産 |
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■世界遺産 エローラ石窟群(インド)−2008年12月28日(TBS) |
世界遺産 エローラ石窟群(インド)−2008年12月28日(TBS)
■登場した遺跡・場所 エローラ石窟群 エレファンタ島
★へっぽこ絵
軽やかに踊るシヴァ神を描いてみました。 石窟に彫られたシヴァ神は重量がありますが、イメージとしては風に舞うほどの軽さでヒラヒラ踊っているんじゃないかと思いました。
■何度見てもエローラ石窟群は面白いです。 実は今まで、ヒンドゥー教はあまり関心がなかったのですが、今回の放送を見て、ちょっと興味が沸きました。 たぶんシヴァ神と踊りを結びつけてシンプルに紹介してくれたのが良かったのかもしれません。
それと神様が世界の真ん中で踊っているとか、シヴァ神が再生と破壊の二つを司るとか、存在自体がアクティブで、西洋の神様ばっかりに接してきた自分にはすごく新鮮に感じられて、さすがあの熱いインド人が信じる神だと思いました。
■ムンバイから1時間ほどのところにあるという「エレファンタ島」は、興味深かったです。 大陸と島が同じ岩盤で繋がっているという解説に驚きました。 いや…言われてみると距離から考えてもありえることなんですが、間に海があると島は島で独立した物体で成り立っていると思ってしまうみたいです。 エレファンタ島の石窟も世界遺産に指定されているそうですが、こっちはこじんまりとした趣のある石窟でした。 島に渡って石窟見物なんて楽しそうだなと思いました。 エローラは乾いた山に囲まれたところにあるので、石窟もカラカラなので、島の石窟ならきっと岩肌もしっとり美肌なんだろうな…と勝手に想像してしまいます。
■エローラの見どころは美しい彫刻技術ですが、それ以外にスゴイと思うのは、その技術を連綿と伝え続けた職人一族です。 7世代も寺院建立に携わってきた人たちがいるなんて聞いて本当に驚きました。 インタビューに答えていたオジさんも、父親の仕事を見て覚えたと言ってましたが、石を彫るセンスみたいな物は遺伝子レベルで受け継がれていくのかもしれないな…と想像してみました。
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TBS世界遺産 |
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■世界遺産 タムガルの考古的景観にある岩絵群−2008年3月2日(TBS) |
■登場した遺跡・場所
タムガルの岩絵群 5つのテントと呼ばれるクルガン(墓)(カザフスタン)
★へっぽこ絵
サカ王の墳墓と、それを取り巻くメンヒル(立石)を描いてみました。 ヨーロッパのメンヒルと違って、こっちは明らかに墳墓の飾りという印象でした。 ■総評
峡谷の岩壁に彫られた絵はそれほど珍しくはないですが、この地形を目にするとちょっと驚きでした。 昔は川が流れ、緑も多く、農業を営むことができたそうですが、今は風と枯れ草しか目に入ってきません。 岩絵に描かれている動物は牛や鹿などの大きな動物ですが、彼らを養うだけの緑が今や消えてしまっているのが残念です。 ■タムガルの岩絵
一番キラキラと輝く面を探して絵を刻んだと言っていました。 やっぱり昔の人も見栄えを気にしていたんですね。 絵は平面的で雑に見えますが、尻尾をつけたシャーマンを見ると、一つ一つの絵に意味が籠められていることを感じます。 「太陽神」は、分かりやすかったです。 太陽は世界中の誰が見ても、丸くて炎が上がっているように見えるんですね。 岩の中でも一番高いところに刻まれていた太陽は堂々としていて、まさに神でした。 ただ風化のせいか、一部切れていたのが残念です。
この岩山に5000点もの絵が残されているそうです。 今から3500年前から刻まれ始めたそうなので、1年に1個は誰かしら彫っていることになりますね。凄いな〜。 ■5つのテントと呼ばれるクルガン(墓)
乾いた草原にポコポコと並ぶ古墳は印象的でした。 ほとんどの古墳は盗掘されて何も残されていなかったそうですが、サカ王の墓だけは奇跡的に盗掘を免れ、手つかずのままだったそうです。 王の墓所から発掘された金の衣装は美しかったです。 この辺りに住んでいたのはトゥルクと呼ばれる遊牧民だったそうですが、彫金の技術が素晴らしかったです。 黄金の板に鹿を透かし彫りし、その体に宝石を埋め込んだ装飾品は実に見事でした。 おもわず「美しい〜」とため息出ました。
土山を取り払った写真が紹介されましたが、内部は木組みでした。 トルコにあるミダス王の墓も確か内部は木組みだったので似ているなと思いました。 写真の木組みは無惨な姿になってましたが、当時はこれだけの木材を調達できたんですね。
■クルガンの遺骨
発掘現場には2つの四角い墓穴が口を開けてました。 壁面に刻みかけの絵が残っていました。 二人の人間が向かい合い、神に祈るようなポーズをしていました。 なんとも控えめな祈りに、埋葬者の人柄が浮かんでくるようでした。
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TBS世界遺産 |
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世界遺産:マルタの巨石神殿群 ☆-2007年7月22日(TBS) |
世界遺産:マルタの巨石神殿群 ☆-2007年7月22日(TBS) ■登場した遺跡・場所
(どの神殿もだいたい5,600年前のモノです) ハジャー・イム神殿 ターシュン神殿 イム・ナイドラ神殿 ハリ・サフリエ(地下神殿) 神殿時代の貯水池 ジュガンティーヤ遺跡(ゴゾ島)
★へっぽこ絵 この話は知らなかったので驚きました。 太陽光線が穴を通るのか…。 私が持っていたガイドブックには、ここから壁の裏にいる人と話をしたと書いてあったので、そう信じてました。
■総評
マルタ島に残る世界最古の神殿を紹介していました。 神殿の紹介は空撮などを多用して見応えがありましたが、ちょっと上っ面をなぜただけで終わっていたのが残念です。 せっかく番組の冒頭に「眠れる巫女」の像を撮していたのに、あまりそのことに触れていませんでした。 マルタ神殿のキモは巫女による神託です。 それも眠りながら神の言葉を告げる巫女が大人気だったのですから、その辺のことを研究員の人にもっと聞いて欲しかったです。せっかく英語が分かるスタッフが同行しているんだろうからさ。
ここで生まれたシステムがやがて神託の世界基準になっていくと思うので、巫女と遺跡の関係を深く掘り下げることは意味があると思います。
■天体と遺跡
マルタの遺跡が太陽の運行を意識して建設されたことは、今回、初めて知りました。 そうか〜、この頃から人は太陽の動きに興味を持っていたんですね。 マルタ島は地中海と言ってもアフリカのような気候なので、昼は暑く、夜は寒い。 なんとなく一年中同じような気候なので、そんなに天文観測する必要もないだろうと思ってました。 でも違うんですね。 やっぱり人間は空のことが気になるのだと実感しました。
■遺骨
7000体もの遺骨が見つかり、調査したら、どうやら当時の人は栄養状態が良かったと先生が言ってました。 ということは、太った女性は意外と多く、豊満さが決して貴重なモノではないという証になるかもしれないな〜と思いました。 たとえば民が太った女性を崇拝するのは、自分たちも腹一杯、飯を食えるようになりたい、豊かになりたいという願望のあらわれ…というのがありがちな解釈ですが、なんかマルタは、それとは違うように思いました。 飯も大切だけれど、母親の持つ優しい愛情を崇拝していたような…そんな印象です。 遺骨の埋葬方法は身分の差がなかったとも先生は言ってました。 指揮をする人間がいないと、あれだけの神殿を建てるのは難しいとは思いますが、マルタなら本当に階級もなく、互いが兄弟のように仲良くしあって生きていたような気がします。 まぁ、そうしないと狭い島で生きていくことは難しかったと思います。
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■世界遺産 イベリア半島の地中海入り江のロック・アート(スペイン)☆-2006年12月8日(TBS) |
■登場した遺跡・場所
バイトルタ地域(バレンシア州) レミヒア岩陰 サルガ岩絵 カバイス岩陰(レプリカ)
★へっぽこ絵 赤い絵の具で描かれた「イノシシ」とそれを狩る猟師たち。 風化が激しく、復元図なしで確認するのはちょっと大変です。
■総評 スペインと言えば「情熱」。 すでに絵から、その「情熱」を感じました。(ちょっと表現が大げさか〜・゚・(つ∀`)・゚・ ) 180度開脚で動物に挑む猟師を描くセンスは、なんか凄いな〜と思いました。 反対にハチミツを取る女性のしぼられたウエストの美しさも印象的で、現代の抽象画に通じる面白さを感じました。
■イノシシ狩り これらの岩絵は氷河期が終わった7000年前〜4000年前に描かれたモノだそうです。 フランスの洞窟壁画よりずっと新しいのですが、技術としては稚拙さを感じました。 【理由】 ・色が単色 ・生き生きと動物を描いていない ・壁面の凹凸を利用せず、平面描き
陸続きのフランス洞窟壁画より、どっちかというと、サハラの岩絵に似ていると感じました。
< FONT color="#008000">■露天の美術館 どの岩絵も高いところにあって、登るのがしんどそう…なんて思っていたら、大量の小学生がやってきたよ! 思っていたより観光しやすいみたいでホッとしました。 子供が過去の遺物を勉強する姿は良いですね〜。 あのシーンを観ていたら、私も一緒になって先生の話を聞きたくなりました。
■何のため? 一番初期に描かれたという水紋のような線は、確かに「何のため」という感じですが、私の推測では、「水が大量に流れるほどに雨を降らせてください!」という願いがこもっているんじゃないかと思いました。 または「川を水であふれさせて下さい」ということかも。 昔もきっと周辺は乾いた大地のままなんだろうと思いました。
■フランス洞窟壁画だと「マンモス」が主役だけど、こっちは「鹿」とか「アーモンド」なんですね。 大型の動物が描かれていない…ちょっと淋しく感じました。
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TBS世界遺産 |
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■世界遺産スペシャル 〜黄金の世界史 世界遺産の記憶I〜☆-2006年11月5日(TBS) |
 ■登場した場所概要
マプングブエ遺跡(南アフリカ) イスタンブール(トルコ) ヴェネチアのサンマルコ聖堂(イタリア) トンブクトゥ(マリ) アシャンティ・エルミナ城塞(ガーナ) クスコ・マチュピチュ(ペルー) キトのラコンハーニア教会(エクアドル) アランフェスの宮殿(スペイン) パナマ運河(パナマ)
★へっぽこ絵 キリンの角って皮膚の中にあるんですね。
■総評 肩のこらないスペシャルってことで、「黄金」が取り上げられていましたが、有名観光地めぐりの内容でした。 遺跡もチラリと出ただけで、深く掘り下げてもなかったので「遺跡感想」にするかどうか迷いましたが、とりあえずこっちに収納することにしました。
鈴木京香さんのナレーション良かったです。 うまくないけど味のある語りでスペシャルな豪華さを感じました。
■金 古代から中世あたりまで、金がどのように使われてきたかを丁寧に説明していました。 また金に対する人間の執着なども語られていて、それなりに面白かったですが、深くはなかったです。 どうせスペシャルなのだから、血で血を洗うようなドス黒い金の争奪物語などを観てみたかったです。 最近の世界遺産は無難でロマンチックな内容と小ぎれいな画像を意識しすぎて面白みに欠けます。
■ゴージャス教会 紹介されていた教会はどちらも行ったことはあるんですが、サンマルコ聖堂は改修中で観ることが出来ませんでした。 キトのラコンハーニア教会は記憶にそれほど残ってないです。(そんなにキレイだったかな…?) 眩しいくらいの黄金に囲まれるというのは、どんな感じなんでしょうね。 ヨーロッパとか中南米の旅行だと教会めぐりは避けて通れませんが、行った先の教会がこれくらいゴージャスだと訪問した甲斐があったと思いますね。 凝った装飾を見ながらギラギラ・ドロドロの人間模様を想像するのが楽しいです。
■「金」を語るなら、金鉱山なども撮して欲しかったです。 古代の金採掘場などが今、どうなっているのか興味あります。 特にエジプトのファラオを飾ったスーダン辺りの採掘場も見たかったです。
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TBS世界遺産 |
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■世界遺産 ゲベル・バルカルとナパタ地域の遺跡群(スーダン)☆-2006年10月1日(TBS) |
■遺跡概要
ゲベル・バルカル(スーダン北部ナパタ地方) ナパタ・ピラミッド群 メロエ・ピラミッド群
★へっぽこ絵 メロエのピラミッド群 鋭角に尖った姿が印象的でした。
■総評
良い土地ですね〜。太陽が美しい。 景色も空気も美しい。 こんなにイッツ・ア・ビューティ・ホーな遺跡が他にあるだろうかと思いました。 古代の王達のエジプト文化に対する憧れがヒシヒシと伝わって来て、ちょっと切なくなりました。
「黒人王国クシュ」って馴染みがなかったけれど、かなり安定した国家だったみたいですね。 まさかヒエログリフまで取り入れていたなんて、漢字を中国から輸入した日本みたいだと思いました。
■ゲベル・パルカル 今から3,500年前、エジプト人がここをアメン神が住んだ場所として崇め、岩山のまわりに13にも及ぶアメン神殿やムウト神殿を建てたそうです。 この地を聖地とした理由として、岩山から突き出た石が太陽を頭に乗せる聖なるコブラに似ているということを言ってましたが、確かに似ているな〜と思いました。 王家の谷に王墓が作られてた理由が、近くにピラミッドに似た岩山があったからだそうですが、エジプト人は自然物を何かに見立てて崇めるクセがあるんじゃないでしょうか。 なんとなくそんなことを思いました。
■ナパタ地区のピラミッド ここで紹介された「シャパカ王のピラミッド」ですが、ちゃんと玄室があるんですね。 あの底辺の大きさだと地下に作るのが妥当ですね。 ピラミッドはお墓じゃないなんて説もありますが、やっぱり墓なんじゃないかな〜。 でもミイラなど人物を埋葬した証拠の品は出ていないみたい。あれば紹介しているよね…きっと。
■「タハルカ王」の墓は高さ50m! 見よう見まねで作ったとしてもスゴイです。 これだけの物が作れた背景として「黄金」が山ほど採れると言ってましたが、どうせなら昔の金鉱山とか紹介して欲しかったです。 ツタンカーメンの棺にもクシュの黄金が使われていたなんて、興味あるじゃないですか! それなのに副葬品などがあまり紹介されなかったのは、そもそも出土物が少ないのかな…。
■「メロエ・ヒエログリフ」は面白かったですね。 元のヒエログリフを自己流にアレンジしているうちに、最後には誰も読めなくなったとは…。 エジプトもヒエログリフが難しいからと言って、ヒエラティックテキスト(神官文字)を発明し、そしてそれがデモティック・テキスト(庶民文字)へと変化していったのと同じ道を辿ったんですね。 いずれはシャンポリオンのような天才があらわれて、文字を解読してくれる日がくるかもしれません。
エジプト文化のマネと言っても独自の習俗などもあったと思うし、そういう民俗学的な事も解明されていくと、黒人王国の新たな魅力発見に繋がると思うと楽しみです。
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TBS世界遺産 |
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■世界遺産 タフテ・ソレイマーン(イラン)☆-2006年9月17日(NHK) |
■遺跡概要
タフテ・ソレイマーン ペルセポリス 沈黙の塔(ヤズド)
★へっぽこ絵 ゾロアスターといえば「沈黙の塔」ですね。 ヤズドに着いたとき、まっさきに向かったのがここでした。 あいかわらずの青い空に感動です。
■総評
なんとも美しい遺跡です。 青いサファイアのような泉が荒涼とした土漠に湧いているなんて…まさに神に選ばれた土地だと思いました。 この清々しい土地で人々はどのようにして神と会話していたのか、とても気になりました。 それにしても訪問するのが大変そうな場所ですね。
■タフテ・ソレイマーン 泉を取り囲むようにした寺院が建っている場所を他にも知っています。 それはインドとパキスタンの国境に近い、アムリトサルという場所なのですが、ここにはインドのシーク教徒の聖地があります。 泉の中に金色の寺院が建っていて、えもいわれぬ音楽が一晩中奏でられ、とても美しいところでした。 タフテ・ソレイマーンの遺跡には、往時の面影は残っていませんが、当時はアムリトサルと同じように良い香りと美しい音楽に満ちた場所だったと思います。 こういう坪庭みたいな作りが好きな私としては、激しく心を揺さぶられる場所です。
■ゾロアスター教 不浄を嫌う人々が、遺体をハゲワシに喰わせた場所として紹介された「沈黙の塔」ですが、相変わらずでした。 家から見える距離にああいう場所があるというのは、どういう感じなんでしょうね。 ハゲワシがバーッと飛んできて、バーッと飛び去っていくのを見て、「終わったな…」と判断するんでしょうね。 ちょっと残酷な気もしますが、鳥の血肉になって空から自分たちを見守っていて欲しいなんて気持ちもあったんじゃないかと思いました。
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