遺跡馬鹿の番組&雑多感想








 世界ふしぎ発見!「アメリカに渡った縄文人」 2013年11月30日放送(TBS)
【紹介された遺跡・博物館】

  ケネウィックマン発掘現場(アメリカ・ワシントン州コロンビア川)
  ワシントン大学バーク博物館(ケネウィックマン保管)
  エクアドル・ナショナル博物館(キト)
  バルディビア博物館(エクアドル)
  釈迦堂遺跡博物館(山梨県)
  木造駅(遮光器土偶の駅)
  三内丸山遺跡
  寄生虫博物館(目黒)


取材地は多く、製作側の気合いも感じられましたが、内容は都合の良い部分を適当にツギハギしているのが分かり、イマイチでした。
最近はDNA解析も進み人間だけじゃなく「米」のDNAなども調べられるようになり、色んな側面から「日本人のルーツ」に関する調査が進められています。
縄文人がポリネシアから台湾辺りを経由し日本に来て、彼らが北上してアイヌになったという説明は、ちょっと単純すぎるんじゃないでしょうか。
その間にある琉球人について一言も触れられていなかったのは謎です。
シベリアルートで日本に来た人々についての説明もなかったし。
それとここまで取材していて、どうして上野の国立博物館へは行かなかったのかも不思議でした。
縄文人といえば、あの「人形」を紹介して欲しかったです。


縄文人調査!
自分もやってみましたが、見事に全部「○」でした。

  [○] 1.顔が濃い
  [○] 2.毛深い
  [○] 3.耳垢がしめっている
  [○] 4.冒険が好きだ
  [○] 5.ウインクが得意
  [○] 6.酒が飲める

やはり自分は縄文人なのだと、実感しました。


ケネウィックマン

番組内で紹介されていた彼のプロフィール

・発見場所:ワシントン州コロンビア川
・性別年齢:男性・40〜55歳
・身長:170〜175センチ
・生存していた時期:今から9500年前
・状態:肋骨6本骨折、左肩損傷、左上腕損傷、右骨盤に刺し傷
・発掘者:チャターズ博士


意外と長寿!
そして一目見て、頭蓋骨がデカすぎると思いました。
先住民の骨と比べても、その巨大さにビックリです。
ウマティラ族の人たちが同民族であることを主張し、骨の返還を要求していましたが、裁判で「祖先じゃない」と判決が出て、結局軍の管理しているバーク博物館に保管されることになったそうです。
DNA鑑定がなければケネウィックマンは先住民のお墓に埋葬されていたかと思うと、なかなか興味深いです。
遺伝子が違うと分かってもウマティラ族の人たちはまだ骨を祖先の物だと信じていることにも驚きで、私だったら鑑定の結果を知ったら、サーッと興味も薄れてしまうかもなぁ…と思いました。
ケネウィックマンの損傷がひどく、どうみても戦闘でのダメージで死亡したとしか思えません。
170センチの男を武器で殴って肋骨を折り、骨盤に刺し傷を作れるというのだから、相手の男も相当の腕力と大きさがあったんだろうと思います。
復元がピカード艦長に似ていたのには笑いました。
あれ、ハゲの像だからそう思うだけで、ロン毛とか巻き毛のカツラだったら、また違うイメージになるんじゃないかと思います。


ケネウィックマンは縄文人?
縄文人じゃないと思います。
縄文人の遺伝子はそもそもユーラシア・ヒマラヤまで来た後、北と南に別れ、北の人はシベリア経由でオホーツクの方から日本に入ってきたそうです。
日本に来なかった人たちは氷河期のベーリング海峡を渡りました。
氷点下0度ではズビニ鉤虫は死んでしまうから、新大陸に渡った人々はカヌーで太平洋を渡ってきた…みたいな説を言ってましたが…氷河期でも多少は暖かい時期があり、そのとき人々は海岸沿いに移動していったという説もあるようで、私も海より陸地を移動する方が確実だと思うので、カヌーでやってきたというのは面白いけど信じられません。


米と弥生人
米と弥生人は朝鮮半島を通って日本に伝わって来たとありましたが、これも違うと思います。
遺伝子で見ると朝鮮半島の人と日本人はほとんど似てない。
米はベトナム辺りから直接伝えられたそうで、これも科学的な解析で分かっているそうです。


バルディビア土器


日本の縄文土器と似ていて、特に九州の縄文土器が一番似ていると紹介していました。
確かに同時代の土器と比べると似ていると思います。
でも誰でも思いつく形と模様で、同じルーツを持っているとは言えないと思いました。
紹介されていた土器片も植物の茎を押しあてて模様をつけているようでしたが、私は縄文土器よりくさび形文字に似ているとさえ思いました。
でも昔からバルディビアの土器と縄文土器の類似性は色々と言われているので、これはこれでひとつのロマンとしておいておくのがいいんじゃないかと思いました。

バルディビアビーナスの存在にはビックリです。
普通ビーナスというと豊満な女性像が多いのですが、こちらはずいぶんとスリムです。
日本の土偶は地母神というか胸と腰が強調されているデザインが多いので、これを見ても「ちょっと違うかも」という印象です。


三内丸山遺跡
翡翠の大珠が立派でした。
あの大きさと美しさは素晴らしいです。
黒曜石も赤黒く、シマシマになっているのがオシャレです。
どさくさにまぎれて青森県木造駅の遮光器土偶が紹介されたのは嬉しかったです。

世界ふしぎ発見

 世界ふしぎ発見!「人類最古の神殿がトルコにあっ た!!」 2013年11月23日放送(TBS)

【紹介された遺跡】
ゼウグマ(モザイク画:ロマの少女)
ウラルトゥ遺跡(ヴァン湖くさび形文字)
ギャベクリ・テペ(人類最古の神殿)
シャニウルファ博物館

ミステリーハンターは腹筋割れの超イケメン!
自転車こいでの遺跡めぐりは新鮮でした。
だがしかし背中のリュックが異様に大きいのは何故?
写真が上手で、他にも色々と見たくなりました。

トルコがダムを建設するということで水没前の発掘調査が佳境に入っているそうです。
エジプトなどと違い多くの物が土の下なので、掘って掘って、物を見つけ、大急ぎで記録・保存しているように感じました。
どこを掘っても遺跡が出そうなトルコなので、関係者も発掘場所の選定など色々と大変だと思います。


ヴァン湖の遺跡が紹介されていましたが、昔はクルド人云々であまりカメラも入らなかったのですが、最近は違うみたいです。
湖に沈む遺跡、七色に変わる水面、そしてなんといっても、ワン猫!!
青と金の瞳を持つ猫の美しいこと!!
そして生まれたばかりの子猫!!
子猫がくっついている間に手を差し込んでフワフワの毛を堪能したい!
ヴァン湖はまだまだ魅力的な宝が眠る場所だと確信しました。



ウラルトゥ遺跡 壁一面のくさび形文字! めまいが!!!
壁面をキレイに磨き上げ、丹念に削りこんでいく、まさに職人の技!
失敗は許されない緊張感が時を越えてこちらにも伝わってくるほどです。
刻まれた文書の内容は紹介されませんでしたが、きっと遺跡に君臨していた王様の業績などが彫られているんでしょうね。


トルコの遺跡といえばローマ関連遺跡にネムルトダァでしたが、最近はギャベクリ・テペも良く紹介されます。
以前取材した時よりも発掘が進んでいるようで、今回は4カ所くらい紹介されました。
向かい合った石材が並ぶA地区は、9000BC頃に作られ、中央の巨石は高さが5.5m、重さはなんと 16tもあるそうです。
多くの石の表面は丁寧に磨き上げられ、腰巻きや動物、手が凸彫りされています。
遺跡は円形を意識して作られ、マルタ島に残る古い遺跡に似ているなと思いました。



石を削った道具も紹介されていましたが、あんな道具では彫り上げるまで相当の日数が必要ですね。
凸彫りじゃなく凹彫りにすればいいのに…と思いますが、凸にする意味もあるんでしょうね。
レポーター君が石でパンダを彫ってましたが、意外と削りやすい石材なのかもしれないです。
遺跡で発掘されたものは「シャニウルファ博物館」に展示されていました。
明るい館内にドーンと存在感を出していたのが、「トーテムボール」です。
残念ながら頭頂部の石は剥離しているため、何が彫られていたのか分かりませんが、カエルっぽい生き物などがリアルに彫られている傑作です。
その他、馬みたいな動物もありました。



デーモン閣下が言っていましたが、結局知りたいことは、「どんな人が、どうしてこんな物を作ったのか?」に尽きますね。
古さも規模も気になりますが、遺物に込められた人間の感情を私は一番知りたいと思うのです。
番組では巨石に頭がないことから「神像」だと言っていましたが、私もそう思いました。
作った人々の技術からすれば、頭を作って乗っけることは簡単だったと思います。
もうちょっと土台の石を厚く整え、中央に穴をあけてはめ込み式に頭を乗せるくらい、当然考えつくと思います。
でもそれをしないというのは、イスラム教みたいに「神を偶像化してはいけない」という教えがあるんでしょうね。
フランスやスペインの岩絵でも、あんなに写実的に動物を描けるのに誰もモナリザみたいな人間を描かないわけで、きっと「神を人間に似せて作っちゃダメ」という教えがあり、その教えはスペインやフランスを通り、トルコにまで広まっているのではないかと私は感じました。
1万年前の人々は神をどう考えていたのか、とても興味深いです。
神を偶像化しない考え方は日本人が神社に行って社に手を合わせた時、目の前に神の像がなくても、気にならないというのに似ていると思います。
昔の人も神がいる場所さえあれば、もうそれで十分なのかなと思います。
文字も土器も金属器もない時代ですが、思想の交流は活発だったと思います。


ハサンケイフホユックで出土した人骨…今から1万1千年前の物。
赤と黒に塗られていました。
肉が落ちた後、取り出して塗って、また埋葬しなおしたんですね。
壁に沿って埋められていたらしいですが…結界? 人柱みたいな役割でもあったのかと想像してしまいます。


最後に登場したハチの巣みたいな住居跡!
ガイドさんの口笛にニワトリまでついてきた!
まるで魔術のようでした。

世界ふしぎ発見

 世界ふしぎ発見 !「ピラミッドに隠された古代の英知 −エジプト・フランス」− 2013年4月20日
【登場した遺跡・場所】
ピラミッド
カイロ考古学博物館


【ヘッポコ絵】
「ピラミッドは8面体だった!?」
色を塗り分けてみると、こんな感じでしょうか。
新しい説にワクワクしましたが、8面体だとどんな意味があるのかなと思いました。
最初に浮かんだのは”指でつまみやすい”でした。
ピラミッドをつまめるのはよほどの巨人じゃないと無理ですが、4面より8面を作るのは大変そうなので、何かしら意味があるんでしょうね。
ひょっとして…少しずつ内側に傾きはじめているとか…?
数百年後、突然崩落するピラミッド、そしてファラオの隠し部屋が現れ、金銀財宝がザックザク…なんていう未来もいいですね。


ザヒ博士も出ず、吉村先生も出ないふしぎ発見を見る日が来ようとは…。
2年前のクーデターの影響を感じた今回のふしぎ。
タハリール広場に残るテントを見ると、ニュースで流れた騒動を思い出しました。
映像からは観光客も戻っているように見えるし、再びのにぎわいを着実に取り戻しているように感じました。


若手のインディージョーンズ登場!!
河江先生はスッキリ系で、説明もうまく、とても好感が持てました。
ピラミッドをタタタタタタタタタと登る姿が若い!! やはり学者は体力勝負ですね。
というわけで先生も自分の目で見て、ピラミッドの中にトンネルを造ってそこを使って石を運び上げたとか、角の張り出しスペースで石を回転させたという説には懐疑的でした。
私も幅が狭いし、なにより通路があるであろう内部空間のガレキを見たら「こりゃ無理だ」と思いました。
でも色んな説が出て、いろいろと検証してみることは大切なので、今回のようにピラミッドに登ってメジャーで測ったりするのはこれからもどんどんやって欲しいです。


簡単な道具で石を切る方法…それは時間をかけること。
河江先生も言っていましたが、本当に古代人と現代人では時間との向き合い方が違います。
一直線に切り込まれた石を前に先生とカナエ嬢が語っていましたが、私には「ここまで切ったのに、この石使わないのぉ〜(´;ω;`)」という古代人の声が聞こえてきました。


セレブと労働者では食べている肉の種類が違うという話は初めて知りました。
やはり昔から金持ちはウマイ肉を食べていたんですね。
安いヒツジ肉を労働者達は腹一杯食べ、そして毎日ピラミッドまで出勤していたというのだから、古代も現代も「貧乏人は体が資本」なのだな…と実感しました。



世界ふしぎ発見

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