【紹介された遺跡・博物館】
ケネウィックマン発掘現場(アメリカ・ワシントン州コロンビア川) ワシントン大学バーク博物館(ケネウィックマン保管) エクアドル・ナショナル博物館(キト) バルディビア博物館(エクアドル) 釈迦堂遺跡博物館(山梨県) 木造駅(遮光器土偶の駅) 三内丸山遺跡 寄生虫博物館(目黒)
取材地は多く、製作側の気合いも感じられましたが、内容は都合の良い部分を適当にツギハギしているのが分かり、イマイチでした。 最近はDNA解析も進み人間だけじゃなく「米」のDNAなども調べられるようになり、色んな側面から「日本人のルーツ」に関する調査が進められています。 縄文人がポリネシアから台湾辺りを経由し日本に来て、彼らが北上してアイヌになったという説明は、ちょっと単純すぎるんじゃないでしょうか。 その間にある琉球人について一言も触れられていなかったのは謎です。 シベリアルートで日本に来た人々についての説明もなかったし。 それとここまで取材していて、どうして上野の国立博物館へは行かなかったのかも不思議でした。 縄文人といえば、あの「人形」を紹介して欲しかったです。
■縄文人調査! 自分もやってみましたが、見事に全部「○」でした。
[○] 1.顔が濃い [○] 2.毛深い [○] 3.耳垢がしめっている [○] 4.冒険が好きだ [○] 5.ウインクが得意 [○] 6.酒が飲める
やはり自分は縄文人なのだと、実感しました。
■ケネウィックマン
番組内で紹介されていた彼のプロフィール
・発見場所:ワシントン州コロンビア川 ・性別年齢:男性・40〜55歳 ・身長:170〜175センチ ・生存していた時期:今から9500年前 ・状態:肋骨6本骨折、左肩損傷、左上腕損傷、右骨盤に刺し傷 ・発掘者:チャターズ博士
意外と長寿! そして一目見て、頭蓋骨がデカすぎると思いました。 先住民の骨と比べても、その巨大さにビックリです。 ウマティラ族の人たちが同民族であることを主張し、骨の返還を要求していましたが、裁判で「祖先じゃない」と判決が出て、結局軍の管理しているバーク博物館に保管されることになったそうです。 DNA鑑定がなければケネウィックマンは先住民のお墓に埋葬されていたかと思うと、なかなか興味深いです。 遺伝子が違うと分かってもウマティラ族の人たちはまだ骨を祖先の物だと信じていることにも驚きで、私だったら鑑定の結果を知ったら、サーッと興味も薄れてしまうかもなぁ…と思いました。 ケネウィックマンの損傷がひどく、どうみても戦闘でのダメージで死亡したとしか思えません。 170センチの男を武器で殴って肋骨を折り、骨盤に刺し傷を作れるというのだから、相手の男も相当の腕力と大きさがあったんだろうと思います。 復元がピカード艦長に似ていたのには笑いました。 あれ、ハゲの像だからそう思うだけで、ロン毛とか巻き毛のカツラだったら、また違うイメージになるんじゃないかと思います。
■ケネウィックマンは縄文人? 縄文人じゃないと思います。 縄文人の遺伝子はそもそもユーラシア・ヒマラヤまで来た後、北と南に別れ、北の人はシベリア経由でオホーツクの方から日本に入ってきたそうです。 日本に来なかった人たちは氷河期のベーリング海峡を渡りました。 氷点下0度ではズビニ鉤虫は死んでしまうから、新大陸に渡った人々はカヌーで太平洋を渡ってきた…みたいな説を言ってましたが…氷河期でも多少は暖かい時期があり、そのとき人々は海岸沿いに移動していったという説もあるようで、私も海より陸地を移動する方が確実だと思うので、カヌーでやってきたというのは面白いけど信じられません。
■米と弥生人 米と弥生人は朝鮮半島を通って日本に伝わって来たとありましたが、これも違うと思います。 遺伝子で見ると朝鮮半島の人と日本人はほとんど似てない。 米はベトナム辺りから直接伝えられたそうで、これも科学的な解析で分かっているそうです。
■バルディビア土器
 日本の縄文土器と似ていて、特に九州の縄文土器が一番似ていると紹介していました。 確かに同時代の土器と比べると似ていると思います。 でも誰でも思いつく形と模様で、同じルーツを持っているとは言えないと思いました。 紹介されていた土器片も植物の茎を押しあてて模様をつけているようでしたが、私は縄文土器よりくさび形文字に似ているとさえ思いました。 でも昔からバルディビアの土器と縄文土器の類似性は色々と言われているので、これはこれでひとつのロマンとしておいておくのがいいんじゃないかと思いました。
バルディビアビーナスの存在にはビックリです。 普通ビーナスというと豊満な女性像が多いのですが、こちらはずいぶんとスリムです。 日本の土偶は地母神というか胸と腰が強調されているデザインが多いので、これを見ても「ちょっと違うかも」という印象です。
■三内丸山遺跡 翡翠の大珠が立派でした。 あの大きさと美しさは素晴らしいです。 黒曜石も赤黒く、シマシマになっているのがオシャレです。 どさくさにまぎれて青森県木造駅の遮光器土偶が紹介されたのは嬉しかったです。
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