■遺跡概要
ゲベル・バルカル(スーダン北部ナパタ地方) ナパタ・ピラミッド群 メロエ・ピラミッド群
★へっぽこ絵 メロエのピラミッド群 鋭角に尖った姿が印象的でした。
■総評
良い土地ですね〜。太陽が美しい。 景色も空気も美しい。 こんなにイッツ・ア・ビューティ・ホーな遺跡が他にあるだろうかと思いました。 古代の王達のエジプト文化に対する憧れがヒシヒシと伝わって来て、ちょっと切なくなりました。
「黒人王国クシュ」って馴染みがなかったけれど、かなり安定した国家だったみたいですね。 まさかヒエログリフまで取り入れていたなんて、漢字を中国から輸入した日本みたいだと思いました。
■ゲベル・パルカル 今から3,500年前、エジプト人がここをアメン神が住んだ場所として崇め、岩山のまわりに13にも及ぶアメン神殿やムウト神殿を建てたそうです。 この地を聖地とした理由として、岩山から突き出た石が太陽を頭に乗せる聖なるコブラに似ているということを言ってましたが、確かに似ているな〜と思いました。 王家の谷に王墓が作られてた理由が、近くにピラミッドに似た岩山があったからだそうですが、エジプト人は自然物を何かに見立てて崇めるクセがあるんじゃないでしょうか。 なんとなくそんなことを思いました。
■ナパタ地区のピラミッド ここで紹介された「シャパカ王のピラミッド」ですが、ちゃんと玄室があるんですね。 あの底辺の大きさだと地下に作るのが妥当ですね。 ピラミッドはお墓じゃないなんて説もありますが、やっぱり墓なんじゃないかな〜。 でもミイラなど人物を埋葬した証拠の品は出ていないみたい。あれば紹介しているよね…きっと。
■「タハルカ王」の墓は高さ50m! 見よう見まねで作ったとしてもスゴイです。 これだけの物が作れた背景として「黄金」が山ほど採れると言ってましたが、どうせなら昔の金鉱山とか紹介して欲しかったです。 ツタンカーメンの棺にもクシュの黄金が使われていたなんて、興味あるじゃないですか! それなのに副葬品などがあまり紹介されなかったのは、そもそも出土物が少ないのかな…。
■「メロエ・ヒエログリフ」は面白かったですね。 元のヒエログリフを自己流にアレンジしているうちに、最後には誰も読めなくなったとは…。 エジプトもヒエログリフが難しいからと言って、ヒエラティックテキスト(神官文字)を発明し、そしてそれがデモティック・テキスト(庶民文字)へと変化していったのと同じ道を辿ったんですね。 いずれはシャンポリオンのような天才があらわれて、文字を解読してくれる日がくるかもしれません。
エジプト文化のマネと言っても独自の習俗などもあったと思うし、そういう民俗学的な事も解明されていくと、黒人王国の新たな魅力発見に繋がると思うと楽しみです。
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