■登場した遺跡・場所
タムガルの岩絵群 5つのテントと呼ばれるクルガン(墓)(カザフスタン)
★へっぽこ絵
サカ王の墳墓と、それを取り巻くメンヒル(立石)を描いてみました。 ヨーロッパのメンヒルと違って、こっちは明らかに墳墓の飾りという印象でした。 ■総評
峡谷の岩壁に彫られた絵はそれほど珍しくはないですが、この地形を目にするとちょっと驚きでした。 昔は川が流れ、緑も多く、農業を営むことができたそうですが、今は風と枯れ草しか目に入ってきません。 岩絵に描かれている動物は牛や鹿などの大きな動物ですが、彼らを養うだけの緑が今や消えてしまっているのが残念です。 ■タムガルの岩絵
一番キラキラと輝く面を探して絵を刻んだと言っていました。 やっぱり昔の人も見栄えを気にしていたんですね。 絵は平面的で雑に見えますが、尻尾をつけたシャーマンを見ると、一つ一つの絵に意味が籠められていることを感じます。 「太陽神」は、分かりやすかったです。 太陽は世界中の誰が見ても、丸くて炎が上がっているように見えるんですね。 岩の中でも一番高いところに刻まれていた太陽は堂々としていて、まさに神でした。 ただ風化のせいか、一部切れていたのが残念です。
この岩山に5000点もの絵が残されているそうです。 今から3500年前から刻まれ始めたそうなので、1年に1個は誰かしら彫っていることになりますね。凄いな〜。 ■5つのテントと呼ばれるクルガン(墓)
乾いた草原にポコポコと並ぶ古墳は印象的でした。 ほとんどの古墳は盗掘されて何も残されていなかったそうですが、サカ王の墓だけは奇跡的に盗掘を免れ、手つかずのままだったそうです。 王の墓所から発掘された金の衣装は美しかったです。 この辺りに住んでいたのはトゥルクと呼ばれる遊牧民だったそうですが、彫金の技術が素晴らしかったです。 黄金の板に鹿を透かし彫りし、その体に宝石を埋め込んだ装飾品は実に見事でした。 おもわず「美しい〜」とため息出ました。
土山を取り払った写真が紹介されましたが、内部は木組みでした。 トルコにあるミダス王の墓も確か内部は木組みだったので似ているなと思いました。 写真の木組みは無惨な姿になってましたが、当時はこれだけの木材を調達できたんですね。
■クルガンの遺骨
発掘現場には2つの四角い墓穴が口を開けてました。 壁面に刻みかけの絵が残っていました。 二人の人間が向かい合い、神に祈るようなポーズをしていました。 なんとも控えめな祈りに、埋葬者の人柄が浮かんでくるようでした。
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