■登場した遺跡・場所
アルタミラ洞窟 エル・ベント洞窟 ラパシエカ洞窟 ラス チメネアス洞窟 クロマニヨン人住居跡カスティージョ エル・カスティージョ洞窟 ペシュ・メルル洞窟
★へっぽこ絵 洞窟に描かれた馬の絵です。 ピンと伸びた首、小さめに描かれた足など、独特の味わいがあります。
■スペイン北部の洞窟絵
カンタブリア州のビスケー湾近くに、一列に並ぶように絵のある洞窟が並んでいることを知りました。 フランスの壁画にはマンモスやライオンの絵がありましたが、スペインの岩絵には、そういった動物が描かれず、牛が多いというのは闘牛好きの血がこの頃からあったのかなと思ったりしました。 どの洞窟もだいたい1万年前に描かれたモノで、それを描いたのはクロマニヨン人でした。 クロマニヨン人っていうと北京原人のように今の私たちと世代が違うような感じがしますが、縄文人くらいに思っておくとちょうど良いかも。 日本の縄文人とスペインのクロマニヨン人を比べるのも強引だけれど、この頃の人たちの芸術に対する冴えは素晴らしいと思います。 ■天才
アルタミラの入ってすぐの小部屋に描かれた、うずくまる牛たち。 言われてみると確かに目がそっくりでした。 あの天井の牛たちを一人で描いたのだとしたら、よほど描くことが好きな人だったんだろうな〜と思いました。 まだ専業画家はいないと思われるので、昼は狩りをし、夜や雨の日に洞窟にこもって、絵を描き続けていたんだろうと思います。 狭いとはいえ、暗い中での作業、おまけに天井に描くとなると、無理な姿勢をとり続けなくてはならないので、相当体に負担をかけたと思います。
昔の人は健脚だから、この天才も山を越えて、フランスのラスコーへ絵を見に行ったりしたかもしれない…と空想したり、また逆に向こうがこのアルタミラにやってきた可能性もあるかと思います。 人が動けばモノも動くので、両者を結ぶような発掘品が出土すれば、ますます面白いことになりそうだと思いました。 ■指絵と吹きつけ
絵を描く道具として指と吹きつけが紹介されていました。 鳥の骨に溝をつけ、そこに絵の具を貯め、一気に吹くと噴霧器のようになって、赤い絵の具が均一に手の回りを染めるシーンには感動しました。 以前、NHKでラスコーの特集をした時は、絵の具を口に含んで、「ぶーっ!」と吹いていたのが、ちょっとカッコ悪かったので、ラスコーよりアルタミラの方がオシャレな感じがしました。 ■2011年
人間が洞窟内に入ることで壁画にダメージを与えるという理由で閉鎖されている洞窟が2011年に人数を限って公開する予定があるそうです。 本物も見てみたいけど、混むんでしょうね…きっと。
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