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■ 第24回7月期ジャンプ天下一漫画賞審査結果 | ・講評 |
高橋先生が初めて審査員を務めた漫画賞です。 週刊少年ジャンプ:1998年41号より引用 |
★高橋賞−願仏(石崎慎二・作) | |||
すごくいいものをもっていると思う。作品のテーマ、主人公の感情も伝わってきたし、読後感がとてもさわやかで良かった。荒削りな絵柄も個性や将来性を感じる。 今後の課題としては演出力・構成力をつけること。そうすれば、より話を分かりやすく伝えられるはず! 画力を伸ばして背景等ももっと丁寧に。頑張れ!! |
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MIND GUARDIAN(渡辺久美子・作) | |||
キャラクター・構図・アクション描写などとても上手いと思う。 主人公たちの細かい心理描写なども良い。 ただ、キャラクターはどこかで見たような…出来ればもっとオリジナリティを。 作者の中にある長編ストーリーのほんの一端を見た感じ。 もっとシンプルにキャラを絞り込んで!! |
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走るっ!!!(古川なりあき・作) | |||
絵もしっかり描けてるし、ストーリーも読みやすい。作画テクニックも◎。 でも主人公には読者を引きつけるだけの個性がない。いわゆる漫画のお約束なんてぶち壊していかなきゃダメ。 読者をあっと驚かせるような作品作りを目指せ!! そうすれば入賞の可能性がグンと近づくはず。 |
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プレゼント(高倉雪見・作) | |||
主人公の内面などは、同世代の作者の視点で描かれていてリアルに伝わってくるものがあります。ただし、生とか死とか重要なテーマを扱っている割にはあまりにさらりと読みこなせてしまう。ここぞというところでキャラの感情を大胆に表現できたらもっと良くなると思う。 |
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ハスラーを目指せ!! | |||
画力や作画のテクニックは○。 ただ「ハスラー」を目指す男がビリヤードのルールを知らない……う〜ん読者はこのつかみ所のない主人公に何を期待するのか?ギャグなのかストーリーなのか良く分からなかった。 どんなジャンルにしろ、『勝負』を描くときは主人公の真剣さが命。 |
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ヘンゲンジザイ(玉山大悟・作) | |||
最初のページから笑ってしまった。 絵もうまいし、個人的には好きだ。この脈絡のなさとパワーはスゴイ! ただパロディは時に読者を限定してしまう側面もあるから注意。 作品全体としては直線コースを飛ばしすぎて後半ちょっとバテちゃった感は否めない。 勢いはかなり買いだ!! |
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その名はバタール(岡部八目・作) | |||
キャラもいい。テーマも描けている。 セリフ回し、コマ運び、最後まで読者を飽きさせずに読ませる力もあると思う。 ただ絵が雑!! 今後は画力をアップさせよう! ストーリーを通して、主人公を代弁する「花」! この「花」をいかに美しく描けるか、漫画はそこが重要なんだ。 |
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ピースガード(石黒友行・作) | |||
画力は及第点。兄からピースガードとしての意思を受け継いだ主人公。 でも主人公にとってピースガードとは一体何だったのか? 敵対する王国に剣を抜く主人公の心の葛藤をもっと描くべきだった。 国を統治している体制が簡単に変わってしまうのは読み手をしらけさせてしまうか。 |
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高橋先生総評 | |||
なかでも石崎君、玉山くんの作品には粗削りながら魅力を感じました。 皆入選まであと一歩。 自分の長所を伸ばして頑張れ!! |
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