■ 第62回9月期ジャンプ天下一漫画賞審査結果  ・講評  ・高橋俊昌(編集長)コメント



    今誌より、コメントが「講評」に代わり、内容もシンプルになりました。

    週刊少年ジャンプ:2001年50号より引用




     ★高橋先生特別賞−elephane(安藤 英・作)

      絵柄は雰囲気があるが、これ以上イラスト的にならないように!
      主人公をしっかり描こうとする姿勢は評価。
      性格をもっとオーバーに。



     華東果妖怨聞録(小嶋陽・作)

      物語をつくろうという意気込みは感じられるが、設定や状況が説明不足の場面が多く、全体に分かりにくい。
      表情はよく描けている。


     BATTLE GODDES(高橋みえこ・作)

      絵やコマ運びは完成度高く、まとまっているが、内容が薄い。
      1番のアイデアである、二人の関係をもっと演出して見せて欲しかった。



     WIND MILL(山根章裕・作)

      無駄なコマが多く、話が進んでいないので冗長的な印象。
      登場人物の感情をしっかり追おう。
      画力はもっと上手くなる期待がもてる。


     蝉ヌード(前田竜幸・作)

      思わず笑える部分もあるが、アイデアとしてはありがち。
      もっと蝉のキャラクターに味つけをして、その面白さを中心にして欲しい。


     木とジジイとドロボウ(掘池一人・作)

      表情へのこだわりは良いが顔だけではなく全体のデッサン力をつけよう。
      バトルシーンにキャラの主義主張のぶつかり合いが足りない。


     誘拐(茨木かよ子・作)

      ドラマティックな演出ができているが、画力が未熟。
      粗い線は読みにくく感じるので、定規やトーンを使って丁寧な画面作りをして。


     スモールボディ(安本宗史・作)

      設定のアイデアはいいが、それがストーリーに生かされていない。
      もっとキャラを深めドラマを描かないと説教だけで終わってしまう。




     高橋先生総評

      現代劇がわりと多かったのは非常に良い傾向だと思います。
      でも1発ネタが多い。
      それはキャラクターに個性がないゆえの逃げだと思います。
      その中で安藤君の作品は主人公が目的を持って行動していて、引き込まれました。



     高橋俊昌(週刊少年ジャンプ編集長)

      ”読み手”を意識していない作品が多く感じました。
      絵が上手い下手よりも、いかに読者に読んでもらうか、目をひきつけるか、魅了させるか、の工夫が大切。
      読者の目を持って、全体の構成やコマ運びを考えて欲しい。




    和希の素・語録