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■ 「遊戯王5D's」宮下雄也×星野貴紀 インタビュー | ・インタビュー |
5D'sで遊星とジャックの声を担当している宮下雄也さんと星野貴紀さん、お二人がインタビューを受けました。 |
新シリーズ突入記念対談 遊星VSジャック 新たなるデュエル、スタンバイ!
「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」、「遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX」に続く最新シリーズ「遊☆戯☆王5D's」がスタート! 武藤遊戯の時代から数十年後の未来都市を舞台に展開される今作。 主人公、不動遊星を演じる宮下雄也さんとそのライバル、ジャック・アトラスを演じる星野貴紀さんに新シリーズの魅力をお聞きしました。 <元親友でライバルふたりはどんな関係?> 聞き手:遊星とジャックは対照的なキャラクターですが、演じていての印象は? 宮下:遊星は、うちに秘める闘志は強いけれどそれを表に出さないで、あえてクールに、でも端的で要領よくやっていく頭脳派の主人公ですね。 だからデュエルで使うカードもトラップをうまく使って逆転劇を狙うという感じ。 カードたちを信じてデュエルをしているところが素敵だな、と思います。 ただ「クズ」とか「不要」「ゴミ」という言葉にものすごく敏感で。 このNGワードが出ると次は必ず遊星のアップで…。 星野:ピキーン!みたいな(笑)。NGワードをじぶんでも反芻しますよね。 宮下:自分の逆鱗を分かってますからね。キレるのも冷静でしかも怖い(笑)。 逆に笑わせたらどうなるか知りたいですね。 遊星の笑いって、たぶん第7話が初くらいかも(笑)。 星野:ジャックは熱いなりにもけっこう大人な部分があるんです。 ただまつり上げられて上に乗っかってるだけじゃない。 自分なりのキング像みたいなものがあって、その立場をしっかり演じなければならない、みたいな考えを持っているのかな。 メンタルコントロールができる人ですよね。 宮下:いちばん役者ですよ。エンターテイナーです。 星野:「キングのデュエルはエンターテインメントでなければならない」って言ってた(笑)。 宮下:いや、それ思ってても自分で言っちゃダメだろ、みたいな(笑)。 星野:案外寂しがりやなのかも。分かってほしい!と(笑)。 宮下:遊星とジャックって昔は親友と言えるくらい友達だったと思うんですけど、ふたりの間でどう歯車が狂ったのか、というエピソードはまだ出てきていないので、そこはすごく気になりますね。 聞き手:昔のふたりがどういう友達づきあいをしていたのか、気になります。 宮下:食事の会話は面白くなさそう(笑)。 星野:一方的にジャックが話して、遊星が「うん、うん」って感じ?(笑)。 宮下:多分遊星はジャックのこと、嫌いになっていないんじゃないかなと。 本当に嫌いならどうでもいいはずだから。 星野:デュエリストという面では認めているところがあるのかもしれないですね。 <カードゲームで分かる!キャラクターたちの心> 聞き手:「遊☆戯☆王」は約10年続く人気シリーズ。出演されていかがでしたか? 宮下:「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」は千年パズルの話の頃から見ていたので、今自分が参加しているなんてビックリです。 親戚の子にもファンがいて、この間、電話で母に「今隣に遊星がいるよ」ってむちゃぶり(注1)されて、ドキドキしながら遊星として話をしたら、すごく喜んでくれたみたいで。 何か喜ばせたくて、ジャンクウォーリアーのカードをあげよう、なんてうっかり言っちゃったたんですけど(笑)。 こういうことがあると、プレッシャーもあるけどがんばろう!って気持ちになりますね。 星野:僕の年代だと子供がいる同級生もいて、彼らからの反応が凄まじかったですね。 地元に戻ると、昔通っていたおもちゃ屋でデュエルの大会にゲストで来てくれないかと頼まれたりもして(笑)。 聞き手:「遊☆戯☆王」はカードゲームの方も人気ですが、カードゲームの経験は? 宮下:僕も監督から遊星デッキをいただいて、やり始めました。 僕は攻撃派なんで、自分でデッキを組むとアタックの強いカッコいいカードを出したがって、それで負けてしまうこともあるんですけど、でも遊星って「いらねぇよ、こんな弱いの」みたいなカードを使って大逆転をやってのけるんですよね。 遊星ってどんなカードも愛しているんです。 みんな生きていると思っているのかも。 僕は靴とか大好きなんですけど、靴も生きているから愛情を持って履いてあげて、ときには休ませてあげたりすると綺麗な状態でいてくれるんです。 カードも同じ。 どんなものにも絶対に意味があるし生きている……それを遊星は伝えていくんだな、と感じています。 星野:僕もこの作品の出演をきっかけにカードゲームをやるようになったんですけど、ジャックの使うカードは豪快というかパワーでごり押しする感じで、性格をよく表しているなと思いますね。 過程を大事にする遊星に対して、ジャックは勝ちか負けかが重要という思いが強い。 でも遊星とデュエルをしたことで、初めて自分の未熟さに気づいて、それによってジャックの中で新しいきっかけみたいなものができたのかな、という感じががしているんです。 15話の時点ではジャックはまだ悶々としているので、早くスカッとしたデュエルをしたいですね。 聞き手:デュエルシーンはセリフ回しも独特ですが、演じるのにご苦労は? 星野:ペース配分が難しいですね。 テストのときから叫んじゃうと本番が残念なことになったりするので(笑)。 でもやっぱりカードの効果をはっきり分かっていると、言いやすいなというところがありますね。 宮下:カードの意味が分からないと逆転劇のタイミングも分からないですからね。 星野:僕は新ルールが載っている「Vジャンプ」を毎回スタジオに持ってきて、ゲストにも読め!と勧めています。 <前作から一変した世界観でもメッセージは不変!> 聞き手:アフレコ現場はいかがですか? 宮下:星野さんのマイク位置が高いです! 星野:僕しか入れないようなマイクを1台作ってもらっちゃって(笑)。 宮下:誰も入れないんです。だから両サイドのマイクが混むんです。 キングだからマイマイク、面白いなと(笑)。 星野:僕は恥ずかしかった……(笑)。 聞き手:宮下さんは声優は今作が初めてとか。 宮下:ずっとお芝居はやってきたので、正直あまり変わらないだろうと思って臨んだんですけど、マイクに入るのが遅れたりマイクを吹いたり、そんなところからまず大変でした。 あとブースの中は無音状態なので思ったより声のテンションが低くなっているときがあって。 今音楽に助けられた!と思ったら悔しかったですね。 最初はそんな反省もありました。 聞き手:「5D's」は前作とは世界観も一変してハードな展開が続いていきますが、見どころは? 宮下:収容所のエピソードは、僕が好きな映画「ショーシャンクの空に」に似た世界観だったんですが、荒れた世界の中にも正義を持った奴がいて、彼のところにみんなが集っていくというところが好きですね。 絆や信じる心が必要なんだという「遊☆戯☆王」のメッセージは、子供達にも絶対通じると思います。 星野:世界観が変わっても「遊☆戯☆王」の根幹的テーマは変わらないですね。 宮下:カードゲームもそう。あれは相手と会話しないとできないゲームですよね。 友達を作るいいきっかけになるゲームだなと思うんです。 遊星はこれからも仲間やカードを信じて、何度倒れても立ちあがっていくと思います。 遊星のどんなことにも向かっていく強い信念を僕も頑張って表現していきたい。 それを作品全体から感じ取ってほしいなと思っています。 星野:今後キャラクターも増えていきます。 キャラクターが増えるとカードも増えて、新しいデュエルも展開されていくので、デュエル自体も楽しみだし、遊星とジャックに絡んでくるいろんな人間関係がふたりの間にどんなアクションを起こしていくのか、そこも楽しみです。 ぜひ注目していただきたいですね。 宮下:僕は早く遊星とジャックに共闘してほしいな。ふたりが手を組めば最強ですよね。 どちらが先に声をかけるんだろう? ふたりで爆笑している絵とか見てみたいですね。 まずはジャックともう1回デュエルしたい! 前回は決着がついていなかったし、男は本気でケンカして仲良くなるところがありますからね。 ガチンコで勝負したいです。 むちゃぶり:むちゃぶり(無茶振り)とはお笑いで用いられる振りの一つ。 全く打ち合わせしていないにもかかわらず、テーマを決めアドリブで話をさせること。(参考:むちゃぶり:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 |
【所感】 |
主役級の二人が一緒にインタビューを受けるというのは、この作品としてはとても珍しく、それだけ貴重な内容だと思います。 遊戯王に出ることで周囲の反応のすごさに本人たちも驚いていたみたいですが、知名度がある分、過去キャラと比べられたり注目されたりと、一から作り上げるアニメとは違う緊張もあるかと思います。 そのプレッシャーの中で二人が作り上げていった遊星とジャックというキャラは、5D'sを動かしていく主役として存在感を日々増していると思います。 これからも熱く想いをぶつけ合うライバル同士を演じてくれたら嬉しいです。 |