遺跡馬鹿のイベント潜入記

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「日本の幻獣」展

ファイル 18-1.gif 未確認生物出現録

「日本の幻獣」展

川崎市市民ミュージアム 2004年7月3日~9月5日まで


▼小さい頃、川に泳ぎに行くと必ず目にしたのは「水泳注意の看板」とそこに描かれていたカッパの絵…。
信じるとか信じないに関わらず、ああいうモノは子供心に深く残るモノですね…。
今も目に浮かびますよ…、キュウリを握ったカッパの笑顔…ひえぇ~

▼今回は本物のカッパのミイラや天狗のミイラが目の前にドンドコドン★と展示されていて、冷静にメモを取りつつ内心は子供のようにはしゃいでました(*^_^*)
だってカッパだよ! 人魚だよ!! そして鬼の頭蓋骨だよ!!!
平常心ではいられないよねぇ~。

▼といいつつ、市民ミュージアムの展示だし…と本音を言えばあまり期待はしていなかったのですが、詳細な解説、広範囲からの資料収集。
そしてミイラに混じって、観光地の絵はがきやメンコまで展示されていて、B級ネタもたっぷりあり、とっても素敵な展示でした。

スタッフの気持ちが伝わってくる展示会だったので、多くの人に足を運んでもらいたいです。


…入り口にあったご挨拶より…


この幻獣展は人々に目撃されてきた不思議な存在を「幻獣」として集大成し、私たち日本人の精神文化の中に彼らがどう位置づけられるのかをさぐる試みです


★ チラシには、
この世にいるのか、いないのか-。いつの時代にも目撃されてきた不思議な存在、それが「幻獣」。
いま、彼らに会えるのは川崎市民ミュージアムだけ!

▼チラシは黄色をメインにしていて、とってもド派手ですが、印刷されている幻獣たちの陰気くさい顔がど派手色に対抗していて、まさに絶妙のバランスです。
ミュージアムに行った人はチラシも忘れずに貰ってきてくださいね。

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日本の幻獣

鬼・人魚・天狗・河童・龍・雷獣/予言と除災の幻獣/凶悪幻獣あらわる

■河童

古色然とした河童の絵が並ぶ中、中央ガラスケースに河童のミイラを発見!!

ファイル 18-2.gif ←でも頭に皿はないし、甲羅も背負ってない…。
これは河童じゃないよな…と思いつつ、耳まで裂け、尖った口はやっぱり河童としか言いようがないです。
(大阪市/瑞龍寺)

河童の手(熊本/志岐八幡宮)も展示してありましたが、小さくて、どちらかというとイグアナの手みたいな感じでした。
興味深いのは、様々に描かれた想像画かな…。
最初の方に展示されていた河童の図は火の鳥みたいで、「えぇぇ~これのどこが河童なのよぉ~ん」とつぶやいてしまいました。
河童と言えば「遠野物語」ですね。河童がどうして相撲が好きなのか…今だに謎です。


■鬼

鬼の大きな頭蓋骨が展示してありました! でもカサカサしていて、あんまり綺麗な頭蓋骨じゃなかったですね。
鬼の展示で気になったのは、写真だけの登場だった鬼のミイラです。(宇佐市/十宝院大乗寺)
鬼なんだけど、体育座りなんだよね…(^_^;)
あまり威厳が感じられないんだけど、異様にデカイ頭と表情が怖いので、このミイラと添い寝してくれと言われたら、速攻で逃げる自信があります。
体育座りのミイラと言えば、ペルーを思い出しますね。
ただペルーのミイラと違うのは、こっちは鬼で、おまけに指が3本しかないって事でしょうか。
デカイ顔、デカイ指…でも身体は細くバランスが非常に悪そうで、こんな小柄な鬼が、金棒を振り回すことなんか出来るのかな…と思いました。



カラス天狗
ファイル 18-3.gif■天狗

←天狗の詫び証文と一緒に展示されていた天狗のミイラです。厨子の中に入っていたので、よく分からないんですが、こんな感じに座ってました。
おもしろいなぁ~と思ったのは『天狗の詫び証文』-読めそうで読めない。同じ文字が並んでいるような気もするが、詳細に見ると、少し違っている…。
味のある筆さばきにちょっと惚れました。誰か翻訳して欲しい(←無理)

「天狗のヒゲ」も展示されてました。
ヒゲ占いに使われていたそうですが、猫のヒゲに見えました…(^_^;)


■人魚

ファイル 18-4.gif 人魚は本当に不思議ですね~。絵もたくさん残されているし、ミイラも気持ち悪い感じで、この肉を食べれば不老長寿になれると言われてもちょっと躊躇します。
オランダ渡来の人魚ミイラは見た目がオッサンで、海の美女の面影さえないです。


■龍

龍のミイラは必見ですなぁ~。
床の間に飾るのにちょうど良い大きさ!
尾の骨もありましたが、見事にトゲトゲが付いているので、龍のモノだと言われると信じてしまいそうです。

龍の骨…アゴの骨ですが、これもへぇ~って感じでした。(埼玉/法雲寺)

■雷獣

雷と共に落ちてくるという幻獣ですが、私はあまりこの動物を知らなかったのですが、意外に絵とか残されていて、昔は多くの人に愛されていた幻獣だったみたいです。
見た目は狸かオコジョで、愛らしい風体が気に入りました。
雷と共に落ちてくるという登場の仕方がマヌケで良いですよね。


幻獣尽くし

絵巻・版本に描かれた幻獣/意匠にみる幻獣/見世物

ここでは古い本や絵巻に描かれた幻獣が紹介されていました。
本の数も多く見応えもあったのですが、ガラスの仕切りと本の距離がちょっと離れすぎていて、良く見えなかった絵もありました。
理想としては、本や絵の場合は見下ろすくらいがちょうど良いので、会場に置かれたアンケートには「ちょっと距離が遠すぎだよぉ~」と、指摘しておきました。


メディアが報じた幻獣

明治幻獣事件簿/現代の幻獣

ここで目立っていたのは『つちのこ』と『屈斜路湖のクッシー』でした。
つちのこは手配書とか展示されていて、見るだけでも懐かしい感じがしました。
クッシーは某ネス湖のネッシーのように水面を走る黒い影が映った写真なんかが展示してあって、思わず信じちゃいそうになりました(*^_^*)

ここではメンコに描かれた幻獣なども紹介されていました。っつーかメンコの方が貴重な気がします。

◆お土産チェック

企画用に販売されていた物はあまり心をふるわせるモノがありませんでした。
個人的には天狗の詫び証文が印刷されたハンカチとか、河童ミイラのクッキーとか欲しかったんですが、そういったモノがなくちょっと残念でした。

併設されたレストランも見てみましたが、「人魚の刺身」とか「天狗の唐揚げ」、「河童汁」とか期待していたのですが、やっぱりありませんでした…(^_^;)
企画に合わせてメニューも作ってくれたら楽しいのになぁ~と思いました。