PRIZED TREASURES OF CHINESE ART FROM THE NATIONAL MUSEUM OF CHINA
中国国家博物館名品展
悠久の美
東京国立博物館で開催 2007年1月2日~2月25日まで
▼2007年最初の展覧会です。(行ったのは1月2日)
「博物館で初詣」という宣伝文句が効いたのか、多くの人が訪れていて、いつも以上に活気を感じました。
入口広場では和太鼓や獅子舞、お神楽も出ていたので、正月気分を満喫しました。
これで甘酒やら雑煮のテント販売などもあったら、さらに良かったと思います。
常設展示の方では新春企画として「一富士、二鷹、三茄子」展をやっていたり、国宝の「松林図屏風」が展示されていたりと、お年玉企画も楽しかったです。
ちなみに『松林図屏風』は素晴らしいです。水墨画がよく分からない私にもこれには感動しました。
▼今回のオススメ
オススメは中国文物の最高作品が集まっているので、手っ取り早く「良い物」を観たい人にはちょうどよい企画だと思います。
ただ展示品が通常の特別展より半分位しかないので、物足りなさは残るかも。
まぁ元気を本館やアジア館へ振り分けるのも良いかと思います。
■入り口
何もなし。
飾り気なし
やる気ないのかな~と思った。
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★新石器時代 前1万年頃~前2000年頃
古い焼き物が並んでいました。
入口正面に展示されていた『彩陶罐』が見事な美しさでした。
前3100年頃のモノですが磨かれた表面の照りが古さを感じさせません。
黒々と引かれた線の全てがリズムを持っていて、空気までも渦を巻きながら壺を取り囲んでいるようです。
『黒陶罐』という黒い壺も可愛らしいです。
龍山文化は「黒陶文化」と呼ばれたほど、黒い陶器の産地だったそうです。
この壺もシンプルながら文化の高さが感じられます。
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★二里頭文化・商時代 前19世紀頃~前11世紀
動物を題材にした文物が多かったです。
絵は商王に矢を4本も打ち込まれた、あわれなスッポンです。
題材としては中国的で面白いですね。王がスッポンに矢を射るなんて牧歌的な空気を感じます。
これは前13世紀のモノです。背中に文字が彫り込まれています。
『石牛』のお尻が必見です。
『えつ』…人の首を切るための道具。大きな斧で描かれた顔がなぜか不気味に笑ってます。
『四羊尊』の細かい意匠が素晴らしいです。
これだけ線の細い模様をガッチリ残してくれる粘土はどこから手に入れたんでしょうね。
職人の根気と粘土の粘りがこの芸術作品を生みだしたわけで、まさに奇跡です。
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★西周・春秋・戦国時代 前11世紀~前3世紀
デカイ青銅器が多かったです。
床が抜けそうなくらいの大きな甕が面白かったです。
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★秦・漢時代 前3世紀~後3世紀
祭祀に関するモノが多かったです。
絵は馬に乗る兵士です。
陜西省咸陽で出土した焼き物ですが、馬の表情がとても写実的で、口開いて、歯をむいて笑っているのが可愛いです。
チラシに写っている「犀尊」は目玉がガラスで出来ているので、とても瞳チャーミングです。
もちろんお尻も可愛いです。
この犀は前3世紀のモノですが、その頃の中国に「犀」を見たことのある職人がいたことに驚きです。
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★西南中国の「てん」文化 前3世紀~前1世紀
エキゾチックな品々が多かったです。
皆の注目を集めていたのは『祭祀場面貯貝器』でした。
小さな壺の蓋に120人くらいの人物が乗っていて、各自がいろんなポーズを取っています。
酒宴の横に板にくくりつけられた男が…。解説を読むとどうやら「いけにえ」らしいです。
楽しそうに準備を進めている人たちを見ていると複雑な心境になりました。
牛を使った器物も2点ほど展示されていました。
どの牛もコブ付きで、大きく緩やかに湾曲した角のラインが美しいです。
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★三国時代-五代 3世紀~10世紀
焼き物系が多かったです。
この時代くらいから一気に陶芸の技術が上がって、さまざまなモノが作られるようになったと感じました。
青磁、唐三彩などは、まさにこの時代を象徴する焼き物ですが、展示されていたモノは、なんか釉薬が濃すぎて個人的にはあまりキレイとは思わなかったけど、「黒彩三彩馬」は見事な美しさでした。
やっぱ馬は良いよね! 引き締まったボディが最高です。
金製の宝珠首飾りは欧州の王族がしていたと言われても信じてしまうほどの美しさ。
宝石を取り囲む金の小さな玉の細工が素晴らしく、これが6世紀に作られたとは信じられません。
個人的ベスト
このコーナーで展示されていた『白玉杯』
白い玉を削って杯を作りだし、縁に金の板をかぶせ優美な気品を醸し出しています。
よく見ると白い肌に浮かぶ薄黄色い線が山の峰のようで、これに赤い葡萄酒などをいれたら、さぞ美しく山が染まるのではないかと想像しました。
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★★おみやげチェック★★
いつもと変わらずです。
仏像、拓本、色石で作った小物など。