遺跡馬鹿のイベント潜入記

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中国文明展

ファイル 32-1.jpg 中国文明展

観覧のキモ=古いものほど大胆不敵! 

鶴間和幸先生が大陸をまわって集めてきた珠玉の品々を「よ~し、見てやろうじゃないか!」と、
挑戦的な態度でドスドスと美術館へ行って来ました。
しかし美術館を出る頃には「こりゃ、参りました」と素直に頭を垂れてしまいました。
なお、今回は解説イヤホンを借りた人にだけ「展示目録」が渡されていました。

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ファイル 32-2.jpg中国文明の誕生(新石器時代)

●石辟邪(せきへきじゃ) 後漢25~220AD
入口にまずこの石虎が登場。
身体の両側に翼が生えていて、ペガサスの虎版というものでしょうか?
NHKの「カードキャプター・さくら」を観ている人なら「ケロちゃん(ケルベロス)」と、
頬をすりすりしたくなったと思います(きっと!)

ファイル 32-3.jpg2.猪紋黒陶鉢 新石器5000~4000 河姆渡遺跡(浙江省)
どっしりとした黒陶の表面を削り、下地を出す方法で可愛らしいイノシシを漫画のひとこまのように描いていています。


6.陶鷹尊 新石器5000~4000 陜西省(仰韶)

ひとかかえもある、大きな鷹の形の酒瓶。
一目見て「モチーカ?」と思ったほど南米的なデザイン。
これが新石器時代の縦穴住居に置かれていたのを想像すると楽しい。

8.旋渦紋大彩陶罐 新石器3000~2000 
いわゆるアンダーソン土器と呼ばれるウズウズした壺です。
しかしこれほど大きく美しく完品は珍しい。
つやつやとした表面は、今から5000年前のモノとは思えません。

都市文明の交流(夏殷周)


ファイル 32-4.jpg21.銅偶方彝 殷(商)16~11BC(安陽)

「婦好」という女性が使っていたというモノ入れ。
女性が使うというよりはメカゴジラが使っていたようなボテドテ感。
中国で宗廟の祭に常用した銅器だそうです。


● 人面紋銅方鼎 殷(浙江省)

なぜか顔が鼎の中央にあります。
とても保存状態がいいです。
中をのぞくと、内側に文字があります。誰の顔だったのでしょうかね。


四羊銅方尊 殷16~11BC(安陽)

四隅に羊がかたどられている、黒光りしていて美しい尊です。
大きさといい、描写の巧みさといい、殷代を代表する尊とも言えます。

24.銅豚尊 殷(湖南省)
豚をかたどった、でかい酒器である。
背にちょこんとついているにわとりもキュートだが、顔まで文様がついた豚を見て「諸星大二郎の世界だ~」とつぶやく。

中華世界の興亡(春秋戦国時代)
37.王子午銅鼎 春秋770~451BC(河南省)

ゆがんだ「エノキダケ」を取っ手に貼り付けたような異様なかたち。
蝋付けの技術が採り入れられるようになって青銅器は新たな形へ変容していく。


方尊(復元)
菓子満さんが復元した尊です。
黄土高原の土を型にして造ったものですが、細部までよく線が出ています。
輝きは発行されたばかりの10円玉と同じような輝きでした。


ファイル 32-5.jpg壁画・宮女図
西安から持ってきた今回の目玉。
鶴間先生が言っていた中国役人の封印、発見!。ガラスの両端にぺったりと貼ってありました。
遺跡マニアならコーナー隅の「唐恵荘太子墓」の発掘現場写真を見忘れないこと。
参道と墓室の土を取っ払ってあります。古墳の発掘現場ってなんか哀れを誘いますよね。

古代帝国の文明(秦漢)
入ってすぐに秦始皇帝が造らせた兵馬俑が3体、あなたを威嚇してます。
先生が持ってきたかったのに持ってこられなかった、1号銅馬車と一緒に出土した銅矢箙・銅弩・銅剣などが展示されています。
銅剣は酸化クロムメッキが施してあるので、今でもピカピカ。すごい技術です。


銀縷(る)玉衣 前漢202~後8
2216枚もの軟玉をつないで作った遺体を覆う葬服。
これを着せておくと遺体保存に役立つと信じられていた。


てん王之印 前漢 (雲南省) 前漢202~後8

てんの文字が出ませんでした。
蛇の形のつまみを持つ印鑑。日本の金印と同様にこれも漢の武帝が下賜したもの。
おみやげにこの印の「消しゴム」買いました。


祭祀場面銅貯貝器 前漢(雲南省) 前漢202~後8
127人の人物がまつりに参加している様子をあらわしたもの。
よく見ると石に縛り付けられている人とか石にからみつくヘビとか気になるものもあった。


胡漢文明と仏教(魏晋南北朝)
唐以前の仏像が並ぶ。
個人的にはこの時代の石窟が大好きで、中国滞在中はあちこち、地図を片手にまわりました。
残念ながら今回は北魏朝の仏像は来ていませんでした。


世界帝国と東アジア(隋唐時代)


十二生肖陶俑 西安
高さ30センチほどの十二支が円を描いて展示されています。
中国から日本に伝わってきた干支というものは、この頃にはもうあったんですね。

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おみやげコーナー
特に目新しいものもなかったのですが、鉛筆と消しゴムのセットが360円と手頃だったので買ってみました。
この鉛筆には古い漢字が金文字で書かれていて、なかなかヨロシイ。
しかし、けしごむはちょっとダサイ。

ここには定番のマウスパッドはなかったです。
それにクリアファイルも他の博物館より20円高かったです。