遺跡馬鹿のイベント潜入記

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インカ・マヤ・アステカ展

ファイル 1-1.jpg The Three Great Civilizations of Mesoamerica & the Central Andes The World of Maya , Aztec and Inca
世界遺産の宝庫 中南米三大文明

インカ・マヤ・アステカ展

国立科学博物館で開催 2007年7月14日~9月24日まで

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▼初日に突撃してきましたが、朝から混雑していました。

テレビで特別番組が放映されていたり、世界遺産への関心も高いせいか、台風接近の雨の中、朝から大勢の人が展示会に押し掛けてました。

今回、気がついたのは旅行カバンのカート(ガラガラと引くヤツね)を会場内に持ち込んでいる人が数人いました。
ベビーカーなら仕方ないと思いますが、さすがにこれはスタッフがロッカーまで誘導すべきものじゃないかと思いました。
会館の入り口(切符チェックはここ)から展示会入り口までは一方通行になっているため、一度入ってしまうと、会場内を抜けなければロッカー室まで行くことができません。
これでは途中で預けたくなっても、身動きとれないだろうと思います。
カートの車に足をぶつけられて不機嫌になるお客さんもいたので、スタッフも気を利かせて欲しいですが、今後もカート持ち込みのお客さんが増えそうなので防犯の意味でもしっかり誘導して欲しいと思いました。


▼今回のオススメ

展示品の 9割が本邦初公開!
これだけでも行く価値はあると思います。
逆に言うなら1割は以前見たことのある遺物ですが、それなりに懐かしかったです。
「おぉ~また会えたな!!」などと語り合うのも、また楽しいです。

ファイル 1-2.gif■入り口

ものすごく凝ったデザインでした。
絵に描いてみましたが、屏風のように写真パネルを3枚立てて、その前に大きなテーブルがあります。
このテーブルにはモンゴロイドがアフリカらから出発し、アンデスに文明を興すまでの時の流れを一気に説明する「動く年表」となってます。

横を向くとジャングルに生息する動物をプリントしたパネルで天井を覆って、樹木のトンネルを造っていたりしています。


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★マヤ文明のあけぼの

展示用の棚ですが、注意して見て欲しいです。
ウシュマル神殿の特徴あるアーチや赤い壁、壁画の石組みを巧みに組み合わせて、雰囲気ある空間を作ってあります。
ここでは古典期の土器などを通してマヤ人の生活スタイルを紹介しています。

【私の注目-中央に飾ってあった王の石版】
600年に作成された王の姿を彫り込んだ石版ですが、これがとても素晴らしいです。
右足のかかとを少し上げ、右手を胸の前でひねっているのですが、この手印が優美。
後ろに流した左手も自由な感じ。
王が背負う羽根飾りが動きに合わせてワシャワシャとこすれて音を出しているように見えます。
この一瞬の動きを捕らえた構図は素晴らしいです。

■エキセントリック・フリント
フリント(火打ち石)を細かく砕き、不思議な物体を作り上げてますが、とても印象的です。
細かい仕上げに職人魂を感じます。
でも、何に使ったのか気になります。

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★オルメカ→テオティワカン→トルテカ

中米の文明を一気に説明していました。
私が面白いと思ったのは「テオティワカン」の大きな土偶(壺?)です。
色は地味な灰色ですが細部も細かくて見ていて引き込まれる美しさがあると思います。


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★アステカ

メキシコシティの中心部にある「テンプロ・マジョール博物館」の展示物が多かったです。
この博物館は外から遺跡が見られるせいか、お金を払ってまで博物館を見学しようする人が少なかったり、メキシコ人類学博物館だけで済ます人が多いので、中心地にあるのに無名の博物館だったりします。
今回、あっと驚く展示物の数々で、この博物館の評価も高くなったんじゃないかと思っています。

ファイル 1-3.gif■ここではアステカの神々を中心に展示してあります。
なぜか「体育座り」をする神の多いこと!
顔は怖いのですが、その姿に愛らしさを感じました。

他には王の小道具なども展示してあります。
中央にはドン★とアステカの神殿群を復元したジオラマが飾ってありますが、残念ながら無説明で展示してありました。
各建物の名称くらいは立て札でも立てて説明して欲しかったです。

■青い壺は展示会のマスコットボーイとなっていて、パンフレット等でお茶目に解説している姿が微笑ましいです。
本当はそんなに可愛い神様じゃないと思うんですが。
あと「鳥人間」の像もインパクトありました。
今でもこんな衣装をつけて踊る村人とかいますね。

■このコーナーではアステカの生け贄についてビデオ解説をしていました。
心臓がぴゅーと飛ぶ絵を見た子供が「これ、教科書で見た!」とか言っていたのに驚きました。意外と残酷な資料も最近は載せるんですね。

■チャックモールも飾ってありましたがレプリカでした。
神殿を模したセットの上に鎮座してました。赤いライトが不吉な雰囲気を出していて合っていると思いました。


ファイル 1-4.gif ■ちょっとユーモラスな「ミクトランテクトリ神」
頭のポツポツは毛を植えていた跡だそうです。毛のある神…ちょっと想像できません。
この神の特徴は体の中に見える臓器です。
心臓とか肝臓とか言われていますが、はっきりとは分かっていないそうです。
かなり大きな像で、見上げるほとです。
顔は笑っているけれど不気味ですね。


ファイル 1-5.gif■テンプロ・マジョール博からのビッグゲスト!
穴あきドクロです。
でも本物は1個だけで、あとはレプリカです。
現地では驚くほどのドクロたちが、ずらっと串に刺さってます!

隣も驚きのドクロです。
お客さんも大興奮で見てました。

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★インカ文明

部屋の造形が素晴らしかったです!
これは現地で驚いてください!
実際、よくまぁ作った物だと関心しました。お客さんに少しでもマチュピチュを味わって欲しいという主催側の気持ちが伝わってきました。

武器や生活用具、キープなどが展示してありました。
最初の部屋にはマチュピチュの全体模型がありました。
ちょっと小さすぎて本来の規模が伝わらないのが残念ですが、高低差、建物の並び等、興味深かったです。

■変形頭蓋骨が展示されていました! 人骨好きなみなさん、お待たせしました!!
縦にのばしたり、横にのばしたりと頭蓋骨の形がこんなに変わるとはお客さんも知らなかったみたいで、驚く人続出でした。

■テレビでも紹介されていたミイラが展示されてました。
思った以上に美麗でした。
特に男性のミイラは肌の様子などを見ると、フリーズドライされたような感じでした。
子供のミイラは男性より古いミイラだそうで、男性を埋葬するとき、わざわざ掘り出されて再埋葬されたそうです。
親子なのかな~と思うのですが、まだ断定出来ないそうです。
三つ編みされた髪にツヤがあって、これは不思議でした。
どうしたらこれほどのツヤを保てるのか…是非とも知りたいところです。

■最後に展示されていたミイラはショッキングでした。
お腹を割かれ、なんと中に織物が詰められていたそうです。
よく見ると確かにお腹がパックリ開いていて、中に布が見えました…。
いくら神に捧げるためとはいえ、人間を巾着袋のように扱うインカの世界にちょっとぞっとしました。


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★★おみやげチェック★★


第一会場には少ししかないのですが、第二会場には、たっぷりとミヤゲが売ってました。

T-シャツからクッキー、ノート、文鎮(1960円)、ドクロのついたボールペンなどマニアックな路線を突き詰めたグッズが多かったです。
クッキーは丸缶でした。四角い形ならカードケースとして使用したのに…と思いました。
クリアファイルは青い壺をデフォルメしたモノが可愛かったです。(400円)
しかしタオルに1200円とか、値段はビックリでした。