遺跡馬鹿のイベント潜入記

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吉村作治の早大エジプト発掘40年展

ファイル 2-1.jpg 早稲田大学正門くぐれば、そこは古代エジプト

吉村作治の早大エジプト発掘40年展

早稲田大学會津八一記念博物館で開催 2007年7月31日~9月9日まで

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▼忙しくて初日に行くことが出来ませんでしたが、今日(8月25日)も多くの人が訪れていました。

縁があって会話したおじいさんは、このエジプト展を見るために、なんと50年振りに母校を訪れたと言ってました。それも千葉からわざわざ…。
吉村先生の活躍を影で応援している人たちの層の厚さを感じました。

■入り口

今回の展示会場は會津八一さんという人を記念して建てられたそうで、昭和初期の香りがする記念館でした。
玄関を入ると中央にまっすぐ伸びる広々とした階段があり、気分は欧州の貴族の館でした。
天井が高く、そこから円形の黒いシャンデリアが垂れ下がっていて、とても風格がありました。

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1.マルタカ南

「魚の丘」から新王国時代アメンヘテプ三世が建てた彩色階段のある神殿を発掘。
そこで出土した遺物を展示していました。
見所はその彩色が施された画片です。とても鮮やかで緻密な筆さばきに見とれました。

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ファイル 2-2.gif 2.ルクソール西岸岩窟墓

昔、「世界ふしぎ発見」のクイズのネタになった「耳の模型」が展示されていました。
どれも耳たぶは小さめで「福耳」はありませんでした。
これを見て「福耳」をハッピーアイテムと思うのは東洋人だけなのかな…と思いました。

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ファイル 2-3.gif 3.王家の谷・西谷

木製のライオンの頭部が展示してあったのですが、木製ってところが珍しかったです。
メスライオンで耳がちょこんと乗っていて、とても可愛らしかったです。

ここのコーナーで気になったのが、「エニグマテック・オストラコン」です。
「エニグマ」とは「謎」と言う意味ですが、私は「暗号」の方が浮かびます。
で、「オストラコン」は石の破片で、当時の人はパピルスが高価なため石の破片をメモ帳代わりにしていたそうなので、この石板を見たとき、「暗号を解読するための覚え書き」だと思って、妙にドキドキしました。
見たところインダス文字に見えるんですが…。
ひょっとしたらこれはインダス文明とエジプト文明が交流を持っていたという証かも!と、勝手に推測してみました。
だって発掘された場所は「アメンヘテプ三世の王墓近く」らしいし…。それだけ貴重ってことなんじゃないかな…。

その他:アメンヘテプ三世のファインアンス製のブレスレット(色がキレイ)と容器。
この容器には王妃ティイの名が入っている。
ティィに興味のある私としては、気になりました。

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5.アブシール南

「4」が抜けてますが、本来は、「4.太陽の船」というタイトルが入る予定だったそうです。(ちょっと聞いてみましたが、うろ覚え…)

■「ふしぎ」で最近登場するのが、このライオンの形に似た丘です。
「カワムワセト王子」に関連する品々が多く展示されていました。
あと古い時代の女性像がなにげにエロいです。(必見)

■「ヒィラティック・テキスト」が描かれた石版に驚きました。
なんとなく達筆の風格…。なんとなく美筆…。なんとなく墨の色も鮮やか…。
古代エジプト人の中にも文字を我がモノとして芸術の粋にまで高めている人がいるんだな~と感動。
当時は葦の茎で文字を書いていたらしいけど、これはどうみても筆に見えます。


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ファイル 2-4.gif 6.ダハシュール北

高官のレリーフが面白いです。
それぞれカツラの模様が変えてあるのです。
これは本当にこういうカツラを被っていたのか、それとも石掘り職人が気を遣って描き分けたのか…真相が気になります。

■「タのトゥームチャペル」から発見された、ハヤブサの顔のカノポス壺のフタが可愛いです。
マツゲがフサフサで愛らしいです。
隣に展示してあった不細工な犬も愛嬌があって楽しいです。

■「セヌウ」の棺とマスク
この展示の目玉です。青の色が美しいマスクです。
もっさりとした頭巾が印象的で、特に横顔とマスクの丸みがとても調和がとれていて、まるで金剛インコのうなじを彷彿とさせます。
ちょっと目線より高めなので、白目の充血とか見えなかったのが残念です。
「木棺」は「黄色い」そうですが、照明が悪いのか、色が良く分かりませんでした。
今回、会場内が暗すぎて遺物の印象が実はどれも薄いです。
小さい像など顔の表情が良く見えず、黒い影をのぞき込んでいるようでした。
もうちょっと明るくしても良かったんじゃないかな…と思いました。
木材の重さは見ているだけでも伝わってきました。
この棺をあの深い竪穴へ降ろした努力にビックリです。

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ファイル 2-5.jpg ★★おみやげチェック★★


意外と充実してました。
吉村先生の著作物は山ほど売ってました。
それとクッキーとかエジプト豆(ひよこ豆)で作った甘納豆とか、妙なモノも売ってました。
面白かったのは、適当に置かれていたカゴの中に入っていたペンダントトップの値段が「10500円」だったこと。
最初、値段の打ち間違えかと思いました。
だってそんな値段に見えなかったし、なにより無造作にカゴに入っていたから…。
まぁガラスケースを出すスペースが無かったんでしょうが、ちょっと笑いました。

早稲田ショップで話題の「ホワイトナイル」を飲みました。
生ビール。濃いめ。原料に小麦が入っている!