遺跡馬鹿のイベント潜入記

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古代エジプト美術の世界展-魔術と神秘 ガンドゥール美術財団の至宝

古代エジプト美術の世界展-魔術と神秘
ガンドゥール美術財団の至宝

2015年10月6日(火)~2015年11月23日(月・祝)
松濤美術館(東京・渋谷)


「魔術と神秘」という言葉に惹かれ、松濤美術館へ出かけてみました。
高級住宅地にあるこじんまりとした美術館でしたが、吹き抜けの底に池があるというビックリ建築で、こういう変わった建築が大好きな私は大満足でした。
入場料が安いのも嬉しかったです。
値段以上の展示内容で、お得感もありました。

エジプト展はさんざん見たので、もう感動もわかないのではないかと不安でしたが、展示品の質が高く、また私好みの内容だったので、十分楽しむことが出来ました。
小動物が多めで、猫、カバ、トキ、カエル、ハヤブサなどなど。
カバは特に可愛いですよ。
向かい合って何かゴニョゴニョと語り合っているように展示されてました。
ちなみにカバ像の見所は腹!ここが良い具合に締まっているのが最高です。



22.呪いの人形(エジプト中王国(2134-1785 BC))


    サブタイトルに「魔術」とあるのだから、やはりこういう物がないとね!
    展示品を観た時はのっぺらぼうに見えましたが、写真で確認すると顔らしきものも刻まれているようです。
    腕はなくストンとした形。
    素材が白いので、とても呪いの人形には見えません。
    日本の土偶のように、願掛けする際に割るそうです。
    これはたまたま割られずに残ったのだそうです。



42-46.トキのミイラにつけられたトキの頭部像(エジプト末期王朝(664-332 BC))


    目がパッチリでとてもキュートな像です。
    5体ならんでいる様子から勝手に「トキザイル」と命名。
    金箔押しされているので美しさも際立ちます。
    頭がこれだけ大きいのだから、ミイラ本体も大きかったのでしょうね。



19.アレクサンダー大王の名前の彫られたレリーフ(マケドニア王朝エジプト (332-305 BC))
    初めて見るアレクサンダー大王のヒエログリフ。
    ファラオになった事は知っていますが、こういう現物を見るのは初めてなのです。
    不老不死を追い求めるためファラオになりたかったそうですが、その夢は果たせたのでしょうか。

133.ホルエムアケトの人型の棺(エジプト第3中間期(1080-664 BC))

    レバノン杉の1本彫りという珍しさもあるが、大きさと3000年の月日が磨き上げた”艶”がこの棺の見所であると思う。
    どこも欠けていない、まさに永遠を感じさせる存在感。
    じっと対峙して見つめていると仏像のような気高さも感じられるほどです。
    レバノン杉ということで鼻を近づけて香りを嗅ごうとしましたが残念ながら何も感じることができませんでした。

141.人型の棺の箱部(エジプト第3中間期(1080-664BC))


    黄色い絵の具がとってもキュート。
    プロバンス地方のテーブル掛けのような華やかさが感じられます。
    だがしかし、良く見ると茶色いシミが!!
    位置からしてお尻!
    ギュッと押しつけられたミイラの体から油がしみ出たのか!?
    こういうレアアイテム、大好きです。(ここも鼻を近づけて嗅ごう!)



ロビーでは書籍やグッズも販売していました。

大英博物館 古代エジプト展 「死者の書」で読みとく来世への旅

古代エジプト展大英博物館 古代エジプト展 「死者の書」で読みとく来世への旅
ANCIENT EGYPTIAN BOOK OF THE DEAD
2012年7月7日(土)~9月17日(月祝)
森アーツセンターギャラリー 「六本木ヒルズ 森タワー52階」
【古代エジプト展公式サイト】http://egypt2012.jp/index.html


37mもある「グリーンフィールド・パピルス」が来るというので行ってきました。
展示は37m全部ではなく、一部ですが、それでもたっぷりと古文書を鑑賞することができました。
残念だったのは、パピルスがメインなのだから、植物のパピルスも展示して欲しかったです。
絵でちょろっと説明していただけなので、アレは物足りませんでした。
あとヒエログリフを解読したシャンポリオンについての紹介もして欲しかったです。
この絵のような記号が読めるようになったのもシャンポリオンのお陰なのだから、それをもっとお客さんに知って欲しいなと思いました。

【入口の様子】

場所がビルの52階ということで、高所恐怖症の私はエレベーターで上がるだけでもドキドキでした。
入り口自体は面白みがなく、普通でした。


第1章 古代エジプトの死生観
 ・永遠の生命を求めて
 ・呪文の変遷

ここの目玉は「セニの外棺に記された『コフィン・テキスト』です。
「コフィンテキスト」とは『棺柩碑文』という意味で、もともとは棺の内側に呪文を書いていたそうです。
それがやがてパピルスや棺の外に書かれるようになったそうです。

ちょっと気にとめて欲しいのは、『№6 ネブセニィの死者の書』です。
この書は解説によると「第18王朝の中で最長かつもっとも丁寧に作られた書」だということです。
このネブセニィは他にも展示があるのですが、スゴイのは、この人の経歴で、書記を努め、おまけに写本師までやっていて、彼のパピルスは生前自分で自分の書を用意したそうです。
用意が良いというか、几帳面な人もいたんですね。


第2章 冥界の旅
 ・旅立ちの儀式
 ・死者とのつながり
 ・旅への装い
 ・冥界の風景
 ・セネトゲーム
 ・守護と呪文の力
 ・審判
 ・来世の楽園

ここでは儀式に使う道具や儀式の様子が描かれたパピルスが展示されていました。
死後、様々な難所を通り抜ける死者ですが、神様に便宜をはかってもらうために食べ物を差し出したりするそうです。
その様子が描かれた絵があるのですが、なんと前足を切り取られた仔牛の絵が…(´;ω;`)
絵とは分かっていても、ちょっと残酷に感じました。

「護符」も面白かったです。
心臓の護符なんて日本人の感覚からしたら「えぇぇぇっ!」ですが、当時は必ず死者に持たせていたようです。
あと「ミイラの頭敷き」というのも面白いです。
『ヒュポケファルス』で画像検索すると出てきます。
この敷物をプリントした手提げカバンがミヤゲコーナーで売ってました。


古代エジプト展この辺りのパピルスで目を引いたのは、「冥界の丘」の図です。
エジプト人は死んだら「イアルの野」というところへ行くと信じていましたが、その丘のイメージは図のように描きます。
私は最初、これが何を意味しているのか分からなかったのですが、エジプト人は丘を上から見た形を描いていたのです。
私は丘を描くときは横から描く方が分かりやすいと思うんですが、エジプト人は不思議だなと思いました。

第3章 世界最長の『死者の書』<グリーンフィールド・パピルス>

長「いグリーンフィールド・パピルス」から、面白い図ばかりを選んで展示してありました。
死んでからイアルの野までの行程を紹介してあるので、一つの物語を読むように楽しむことが出来ます。
圧巻は最後に展示されていた天地創造の絵です。
オリジナルを見るのは初めてですが、とても美しく繊細な図でした。


第4章 『死者の書』をめぐる研究
 ・様々なパピルス文庫
 ・死者の書を期す

古代エジプト展パピルスに文字を書くための道具が展示されていました。
それと死者の書だけではない「書」も展示されています。
たとえば「アムドゥアト書」など、太陽神の夜の旅について書いた書物も展示されていました。

図はパピルスに描かれていた謎の「モノノケ」です。
説明板も「良く分からない」と書いてありました。
ポイントはマユゲですね。
マユゲあるのに手がない…不思議です。


【おみやげコーナー】

美術館併設のミヤゲ屋はそれほどでもなかったのですが、階下のミヤゲ物屋でエジプト関連のグッズが色々と売ってました。
ファラオの鼻の穴からティッシュを引き出せる、ティッシュカバーとか、アヤシイグッズが色々とありました。
ピラミッド型のスノードームなんかも目を引きました。

ツタンカーメン展 黄金の秘宝と少年王の真実

ツタンカーメン展ツタンカーメン展 黄金の秘宝と少年王の真実
 TUTANKHAMUN AND THE GOLDEN AGE OF THE PHARAOHS
2012年8月4日(木)~12月9日(日)
上野の森美術館「東京・上野公園」
【ツタンカーメン展公式サイト】http://kingtut.jp/

ツタンカーメンの遺物が日本にやってくるということで話題になっていましたが、まぁエジプト展自体はよく開催されているから…と、何も対策を打たずに出かけてみたら…とても混んでいました。
さらに驚いたのは美術館前にHISのプレハブ小屋があり、そこでエジプトツアーの受付をしていたこと!!
集客するには絶好の立地なので、うまいこと考えたなぁ~と思いました。
チケット買って、整理券もらって…と、入場するまでに時間がかかりましたが、満足いく展示物の数々でした。
公式サイトでは混雑の時間帯などをデータ化してあるので、ここで混む曜日と時間帯を確認し、予定を組むといいでしょう。


【入口の様子】

入り口は質素で、パネルがちょっと並んでいました。
じっくり見たかったのですが、奥へ詰めろと言われジックリ読むことが出来ませんでした。
人が集まるとドアが開き、次の部屋へ移動すると、そこで3分くらいビデオを見せられます。
それが終わるといよいよ展示会場へ。
最初に現れるのはツタンカーメン王の立像でした。
この空間はヒエログリフの壁と柱など、すごく凝った内装だったのですが、じっくり見る人がいなかったのは残念でした。


Ⅰ ツタンカーメンの世界(新王国時代時代とは)

入ってすぐに「ツタンカーメン王の立像」が展示されていました。
「背中に名が彫られていますが、一部削られています、見てください」と言われ、大勢の人間が壁と像の隙間に頭をつっこみ、代わるがわるのぞき込むことに。
鏡を置いてくれれば楽なのに…と思いつつ、順番に並んで私ものぞき込みました。
その間も次から次へと来場者が入場してくるので、像の回りは人で一杯でした。

ツタンカーメン展このエリアで見どころだと思ったのは、№23の藍色ガラスを模した模造容器です。
絵はその隣に並んでいた本物のガラス瓶ですが、まずじっくりこれを見て、次に模造容器を見ると、「なるほどねぇ~」と思います。
ガラスはエジプト発祥ですが、希少価値が高く、王家が工房を持っていました。
この模造品は大貴族のイウヤとチュウヤの墓から出土したモノですが、そこそこ金があってもガラス壺を手に入れることは出来なかったんですね。

Ⅱ 古代エジプト人、スピリチュアル・ワールド

この辺はシャブティや祭具などでが多く、さらっと見たのであまり印象に残っているものは少なかったです。


Ⅲ ツタンカーメンのミステリー

このエリアはツタンカーメンの一族に関する展示が多く、私としてはホクホクでした。
一番目立ったのは、アクエンアテン王の強大な頭部像です。
アマルナ芸術の傑作です。
このエリアの壁紙はアマルナ宮殿の壁絵をイメージして作られていました。
細かいところまで気が利く演出だと思いました。
他には「№52 アテン神を礼拝するアクエンアテン王一家のレリーフ」が良かったです。
絵自体はおなじみで見慣れたモノですが、今回はこのレリーフを横からじっくり見ることが出来ました。
表面はツルツルピカピカに磨かれていて、凹凸はなく、真っ平らです。
そこに切れ味するどいナイフで、まるでバターを細工するようになめらかに王の一族が彫られているのです。
やはり王に捧げられるモノは出来が違うなと実感しました。
その他はティイ王妃、ネフェルティティ王妃、キヤ妃など、ツタンカーメンにゆかりの女性達の像が並ぶところも壮観でした。


Ⅳ 世紀の発見ツタンカーメン王墓、Ⅴ ツタンカーメンの真実

ツタンカーメン展ここにはツタンカーメン王墓から出土した品々が展示されています。
気に入ったのはガラス製の枕です。
青ガラスを使い、縁を金で飾り立てています。
高さがありすぎて、私じゃちょっと無理ですが、後頭部が後ろに張り出しているツタンカーメン王にとっては、これくらないと寝苦しいのかもしれません。
№71ツタンカーメンの胸飾りなど、豪華な装飾品も目を引きました。

Ⅵ 黄金のファラオたち

お待ちかね、黄金のツタンカーメンはここに展示してあります。
「№101 ツタンカーメンの棺形カノポス容器」
カノポス容器というので、「壺」を想像していたら、筆箱でした。
それとボールペンくらいの大きさかと思ったら、テレビのリモコンをしまうのにちょうど良い大きさでした。
この微妙な存在感がなんともいえませんでした。
回りの人たちは「小さい~」と声を上げていましたが、私は意外に大きくて驚きました。
しかしとても美しく、細工も見事だったので、観客は大満足してくれたと私も思います。

このエリアでの最大のオススメは、「№79有翼スカラベ付き胸飾り」です。
胸飾りの中央に薄い色のふんころがし(スカラベ)がくっついています。
これは「リビア砂漠ガラス」と呼ばれていて、隕石が砂漠に落ち、その熱で砂が溶け、やがて固まりガラスとなったというロマン溢れる一品なのです。
意外と小さいので顔を近づけて見ることになります。


【おみやげコーナー】

ツタンカーメン展美術館に併設されているミヤゲ屋は大混雑で、それを見ただけで戦意喪失したので入りませんでした。
「ファラオダッグ」はチラッとみましたが、どうしてアヒルなの?と思いました。
でも可愛いです。腹を押すと「ピー」と鳴きます。
外にプレハブを建てた臨時ミヤゲ屋が出来ていました。
今まで色々と展示会に行きましたがミヤゲ屋が外にも建てられていたのは初めて見ました。

色々と規格外の展示会だと思いました。

吉村作治の新発見!エジプト展~国立カイロ博物館所蔵品と~

吉村作治の新発見!エジプト展~国立カイロ博物館所蔵品と~

古代オリエント博物館 2009年12月2日~2010年2月7日

「太陽の船プロジェクト開始記念」ということで行われた展示会です。
展示の目玉は…

奇跡の同時発見!
親子・夫婦のミイラの木棺を東京初公開

テレビで放送された木棺たちがついに東京に来たわけですが、保存が良かったのか、とてもキレイで、あまりにキレイすぎて逆に古さを感じさせないという妙な印象の遺物でした。
親子のミイラの木棺はチケット絵になるだけあって迫力ありましたが、もうちょっと関連遺物や中に入っていたミイラなども展示されていたら、怖さも感じたと思うんですが、やっぱり棺だけだと「キレイな入れ物」という感想で終わってしまったのが残念でした。


【入り口の感想】
小さな部屋を作り、その中に吉村先生が白地の陶器に絵付けした壺や皿が売られていました。
「なんでこんなモノが?」と思いましたが、吉村先生が好きな人だったら購入するかも…ですね。


入り口に展示されていた、「復活するオシリス神」です。
背中を反らせた姿が滑稽でした。
身体を包帯でグルグル巻きにされたオシリス神が復活しようと思ったら…まぁこんな姿になるよな~と思いましたが、このリアルなポーズには感動しました。
こんなオシリス神を入り口に展示し、来た人に笑ってもらおうとするスタッフの心意気にも感動です。


第1章 埋葬に関わる神々

色んな像(ネコとか)が展示されていましたが、第26王朝の頃に作られたオシリス神は必見です。
目を開くだけ開いていて、ちょっと笑います。


第2章 ミイラ製造

ミイラの作り方をムービーで流していたり、ミイラ工房のジオラマを展示していたりと、小さいコーナーながら妙に力が入っているのを感じました。
ミイラ工房のジオラマは良く出来ていて、ミイラ製造中のシーンでは、遺体から腸を引っ張り出している人形まであって、そのリアルを追求する姿勢に感動しました。
その際に使われた解体道具(青銅製)も面白かったのですが、どれも小さいのが疑問でした。
あれじゃ持ちにくいと思うんですが、当時のエジプト人は指が細かったのでしょうかね…。
そういえばポンペイの火砕流に呑み込まれて亡くなったお医者さんの近くで発掘された医療道具も華奢な作りでした。
医療道具というのは、あの耳掻きみたいな細さが流行していたのかな…なんて思いました。


これはミイラを製造するための木製の台です。
厚さ8センチ、幅148.17センチ、長さ217センチ
かなり大きく、オトナ3人くらいは並べられそうです。
時代は第11王朝のモノですが、表面もキレイに削られていて、古いモノには見えません。
じっくり表面を見ていると、中央部分がやけに黒くなっていることに気が付きました。
なんとなく人の形に黒ずんでいるようで、これはやはり遺体を乗せた名残なのかな…と思いました。
木製だから残ったんでしょうか…それとも私の気のせい?
いろんな意味で興味深い展示物でした。


チャイの人型木棺と子供のミイラ棺(中身はレプリカ)

テレビでやっていた髪に●●がついていた木棺がついに目の前に!!
興奮気味に展示物を見たんですが、木棺の表面は黒く塗られていて、とってもシックな存在感でした。
文字とか書いてあるんですが、これが金色で、それもすごくオシャレに感じました。
子供の木棺の中身はレプリカで、これは残念でしたが、それでも雰囲気を味わうことは出来ました。
その棺は小さくて子供が幼い時に亡くなったことが分かるのですが、小さな子を親の隣に埋葬した遺族たちの想いを考えると、しみじみしてしまいました。

海のエジプト展

【海底からよみがえる、古代都市アレクサンドリアの至宝】
海のエジプト展

パシフィコ横浜 2009年6月27日~9月23日
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★以前から話題になっていた、海からの発掘品がついに日本に上陸しました。
広い会場を贅沢に使った展示会は、なかなかのモノでした。
展示物が多いので、ゆっくり見ていたら3時間はかかりました。


入場料

大人一枚 2300円

通常、展示会と言えば1300円くらいが相場ですが、なんとこの展示会では強気の値段設定になっています。
それだけ値段に見合ったモノが見られるのかというと…見られますよ!
他の展示会では見られない大型の展示物が多いので、古代エジプト文化の威圧感を感じることが出来ます!


入り口
写真パネルだけという質素な入り口を抜けると、いきなり巨大な空間が現れます!
スクリーンパネルで展示物の概略を紹介をすると共に、その下に大きな石のかたまりをゴロゴロさせている。
よく見ると、うっすらと表面にヒエログリフの彫刻。
これもあの海底から引き上げたモノだと知ってビックリ。
私は最初見たとき、雰囲気を盛り上げるための発泡スチロールのニセモノだと思っていたので、これには驚きました。
照明が暗いので普通に見たのでは分かりませんが、スクリーンの端っこから眺めると、ピンクローズ色した大理石の美しさを確認することが出来ます。


海底に眠る都市

カノープス遺跡(CANOPUS)
セラピス神殿を中心に栄えた、聖なる癒しの都。
巡礼者が山ほど訪れたそうです。


印象的な壊れ具合の『デカンの祠堂』
この祠堂の横にはヒエログリフがみっちりと刻んであります。
解読によると、これは暦でナイルの増水期などを知るためのモノだったそうです。
中の壁には、超可愛いライオンが描かれています。

ところでこの祠堂。
バラバラですが、同じ所から、同じ時期に発見されたのではなく、なんと今のパーツが揃うまで200年かかったそうです。
最初の石の発見は1777年で、最後の石は1999年発見!
あちこちの博物館に展示されていたりしたそうで、ついに出会えて良かったです。

王妃の像(3BC)
とってもエッチな雰囲気の女性像です。
頭部がないので各自勝手に妄想できるのが良いです。
見どころは強調されたヘソだと思います。
横からみると身体の割に二の腕が太く、ケンカが強そうに見えました。

ヘラクレイオン遺跡
ヘロドトスも450BCにここを訪れたそうです。
ここはヘラクレス神殿から発掘された遺物が展示されています。
ちょうどこの辺まで見学が進むと疲れてくるんですが、展示してある3体のスフィンクスがいかにも座り心地が良さそうな背中で出迎えてくれるので、フラフラと近寄ってしまいそうになりました。

    プトレマイオス8世のデカイ石碑(ステラ)
    プトレマイオス期の石碑ですが、まぁ~デカイです。
    表面の文字はかなり波によって削られていますが、分かる範囲で解読されています。

    巨像
    今回の目玉は、一番奥に展示されている「ハピ神・ファラオ・王妃」の3体です。
    デカイですよ~。見上げるほどです。

アレキサンドリア
クレオパトラの遺物を色々と展示してあります。
コインなどが見どころ。

    「オシリス・カノポス壺を抱く神官」の向かって右となりにいるスフィンクスはイケメン

その他、見どころ
【ヘラクレイオン】
この周辺に飾ってあるガラスケースの中に可愛い像が!
№221「月の円盤を持つコンス神の小像」は、「オレに文句があるなら、かかってこいや!」のポーズで可愛いです。

【その他】
海底発掘中をリアルな人形で再現したり、調査船の内部、そして古代エジプトでもてはやされた香料の嗅ぐような展示もありました。


ミヤゲコーナー
なぜか古代エジプト人の格好をした、ハローキティのグッズが大量に売られていました。
その他は、それほど目新しい新作がなかったのが残念。
ちなみに絵はがきは150円とやっぱり高いです。
後は「KAIYODO」のカプセルフィギュアが人気。
みんなガチャポンしてました。

【イートン・カレッジ/ダーラム大学所蔵-古代エジプトの美展】

ファイル 46-1.jpg開館30周年記念特別展
イートン・カレッジ/ダーラム大学所蔵

【古代エジプトの美展】
Egyptian Art at Eton College and Durham University
イギリス貴族の愛したファラオの宝箱

古代オリエント博物館 2008年10月10日~11月30日

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全体の感想
イギリス貴族が愛した品々というサブタイトルがついているのですが、美しい…というより意外と趣味に走ったモノが多くて、とても楽しかったです。


1.エジプト文明の芽生え

展示第1号として飾ってあったのは、フリント製の握斧。
作られた年代はなんと、紀元前700000年以降!
「ゼロが多すぎなんじゃないの?」と、何度もゼロを数えてしまいました。
意外と古い石器が出土するんですね。
となりには、ブラッドトップ壺と呼ばれる、縁が黒い土器が展示されていました。
形がドングリみたいで、すっと尖った、さきっちょの細さ、つややかな丸みが、なんとも美しくてウットリしました。

ネフェルティティ神が椅子に座っている像は、その台座に彫り込まれた精密な神々の姿が見どころかな~と思いました。
鏡を後ろにたてて、見えないところも見えるように配慮してありました。
同じ並びにネコの像が展示されていましたが、エジプトのネコ像って鼻-頭頂に段差がないので、オデコ好きとしては物足りないのですが、古代エジプトネコって実際もデコ無しさんなんでしょうかね?(´・ω・`)?


ファイル 46-2.gif2.神々の世界
ナンバー37に「マングース」像が展示してあるのですが、なんと、二本足で立ち上がっていました!
「古代エジプトにいた風太くんの前世だぁ!!」とビックリしました。
っていうか、マングースって沖縄にしかいないと思っていた無知な自分が恥ずかしくなったのですが、そいつが二本足で立てるだなんて、もっと衝撃的でした。
あまりに安定した二本足の立ち姿なので、このままスタスタと歩き回りそうにも見えました。

このマングースの隣には、トト神のヒヒ像が展示してあるのですが、顔が…。
二日酔いで目を開けるのもやっと…みたいな顔していました。
神様に捧げる像なのだから、もっとハツラツとした表情をさせたりすればいいのに、古代エジプト人はそーいうの、気にしないんですね。

あと、タイトルで笑ったのは、「ワニに乗るホルス神」
…なんでワニ!


ファイル 46-3.gif3.偉大なるファラオ
今回の展示の中で、声を失うほど見とれてしまった一品がこれです。
←61番.セベクホテプ4世の碗(中王国・第13王朝・紀元前1710・ファイアンス製)
深い海の底を思わせるような青色で、とても美しい碗なのですが、表面にポツポツと見える白いはじけた気泡が、ブクブクと海面に浮かび上がろうとする泡に見えて、ずっと見てても飽きないのです。
これは本当にキレイだな~と思いました。


4.ナイルの暮らし

紀元前14世紀のエジプトでは全裸の女性図が多く描かれるようになったという説明がありました。
いつも気になっているんですが、古代エジプト人の壁画ってどうしていつも薄着とか全裸とかなんでしょうね。
昔はスゴク熱かったのかな? それとも寒さに強い??
私は2度エジプトに行っていますが、全裸になりたいと思うほど暑いと感じたことがないので、壁画をみるたびに不思議に思います。
薄着というのも神が喜ぶスタイルなのだとしたら納得ですが。


5.来世への願い

面白くて可愛い像が多いコーナーでした。
プトレマイオス朝に作られた、顔が人間で身体が鳥の「バー」像の胸板が厚くてマッチョ系好きな私のハートを盗んでいきました。
じっと見つめていると、思わずこっちが目をそらしたくなるような可愛さでした。

「普段着のシャブティ(紀元前1300年)」というものが展示してありました。
普通シャブティって身体を包帯でグルグル巻きにされているんですが、展示されているモノは豪華な衣装を身にまとっていました。
来世で労働するために入れる人形に豪華な衣装を着させる主人の人となりにちょっと興味が沸きました。


6.エジプト美術の遺産

ここの見どころは256番の「アメンヘテプ3世の小像(紀元前1350年)」です。
どこが見どころかというと、ズバリ腹筋です。
青い釉薬が凍石の上にかけられているのですが、そのテカリと凹にたまった釉薬の黒びかり具合がなんとも良く、体格の良さを際立たせているように思いました。
ヘソ下に巻いたスカートの細かい模様も完璧で、像全体が洗練された美しさに包まれていました。
エジプトの彫像は腹筋を意識させないモノが多いのですが、これは特別だなと思いました。

ミイラもありました。
棺に入ったモノが一体と、頭2個、手が2個。
手だけのミイラの展示ってめずらしいのですが、墨みたいで、言われないと粘土で作ったニセモノかと思ってしまうでしょうね。
よく見ると爪が残っていて、ちょっと恐いです。
頭の方は包帯を巻いているので、表情は分からないのですが、口元がちょっと開いていて、その間から白い歯が…ヽ(;´Д`)ノ
ちょっと恐いです。

ファイル 46-4.gifあとは美味そうな鴨の像とかありました。

出口には細めのオベリスク像が展示してありました。
(アメンヘテプ2世のオベリスク・紀元前1420年)
凹んだところに金泥を塗り込んであって、とても美しいオベリスクでした。

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今回はオススメのおみやげは無かったです。

吉村作治の早大エジプト発掘40年展

ファイル 2-1.jpg 早稲田大学正門くぐれば、そこは古代エジプト

吉村作治の早大エジプト発掘40年展

早稲田大学會津八一記念博物館で開催 2007年7月31日~9月9日まで

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▼忙しくて初日に行くことが出来ませんでしたが、今日(8月25日)も多くの人が訪れていました。

縁があって会話したおじいさんは、このエジプト展を見るために、なんと50年振りに母校を訪れたと言ってました。それも千葉からわざわざ…。
吉村先生の活躍を影で応援している人たちの層の厚さを感じました。

■入り口

今回の展示会場は會津八一さんという人を記念して建てられたそうで、昭和初期の香りがする記念館でした。
玄関を入ると中央にまっすぐ伸びる広々とした階段があり、気分は欧州の貴族の館でした。
天井が高く、そこから円形の黒いシャンデリアが垂れ下がっていて、とても風格がありました。

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1.マルタカ南

「魚の丘」から新王国時代アメンヘテプ三世が建てた彩色階段のある神殿を発掘。
そこで出土した遺物を展示していました。
見所はその彩色が施された画片です。とても鮮やかで緻密な筆さばきに見とれました。

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ファイル 2-2.gif 2.ルクソール西岸岩窟墓

昔、「世界ふしぎ発見」のクイズのネタになった「耳の模型」が展示されていました。
どれも耳たぶは小さめで「福耳」はありませんでした。
これを見て「福耳」をハッピーアイテムと思うのは東洋人だけなのかな…と思いました。

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ファイル 2-3.gif 3.王家の谷・西谷

木製のライオンの頭部が展示してあったのですが、木製ってところが珍しかったです。
メスライオンで耳がちょこんと乗っていて、とても可愛らしかったです。

ここのコーナーで気になったのが、「エニグマテック・オストラコン」です。
「エニグマ」とは「謎」と言う意味ですが、私は「暗号」の方が浮かびます。
で、「オストラコン」は石の破片で、当時の人はパピルスが高価なため石の破片をメモ帳代わりにしていたそうなので、この石板を見たとき、「暗号を解読するための覚え書き」だと思って、妙にドキドキしました。
見たところインダス文字に見えるんですが…。
ひょっとしたらこれはインダス文明とエジプト文明が交流を持っていたという証かも!と、勝手に推測してみました。
だって発掘された場所は「アメンヘテプ三世の王墓近く」らしいし…。それだけ貴重ってことなんじゃないかな…。

その他:アメンヘテプ三世のファインアンス製のブレスレット(色がキレイ)と容器。
この容器には王妃ティイの名が入っている。
ティィに興味のある私としては、気になりました。

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5.アブシール南

「4」が抜けてますが、本来は、「4.太陽の船」というタイトルが入る予定だったそうです。(ちょっと聞いてみましたが、うろ覚え…)

■「ふしぎ」で最近登場するのが、このライオンの形に似た丘です。
「カワムワセト王子」に関連する品々が多く展示されていました。
あと古い時代の女性像がなにげにエロいです。(必見)

■「ヒィラティック・テキスト」が描かれた石版に驚きました。
なんとなく達筆の風格…。なんとなく美筆…。なんとなく墨の色も鮮やか…。
古代エジプト人の中にも文字を我がモノとして芸術の粋にまで高めている人がいるんだな~と感動。
当時は葦の茎で文字を書いていたらしいけど、これはどうみても筆に見えます。


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ファイル 2-4.gif 6.ダハシュール北

高官のレリーフが面白いです。
それぞれカツラの模様が変えてあるのです。
これは本当にこういうカツラを被っていたのか、それとも石掘り職人が気を遣って描き分けたのか…真相が気になります。

■「タのトゥームチャペル」から発見された、ハヤブサの顔のカノポス壺のフタが可愛いです。
マツゲがフサフサで愛らしいです。
隣に展示してあった不細工な犬も愛嬌があって楽しいです。

■「セヌウ」の棺とマスク
この展示の目玉です。青の色が美しいマスクです。
もっさりとした頭巾が印象的で、特に横顔とマスクの丸みがとても調和がとれていて、まるで金剛インコのうなじを彷彿とさせます。
ちょっと目線より高めなので、白目の充血とか見えなかったのが残念です。
「木棺」は「黄色い」そうですが、照明が悪いのか、色が良く分かりませんでした。
今回、会場内が暗すぎて遺物の印象が実はどれも薄いです。
小さい像など顔の表情が良く見えず、黒い影をのぞき込んでいるようでした。
もうちょっと明るくしても良かったんじゃないかな…と思いました。
木材の重さは見ているだけでも伝わってきました。
この棺をあの深い竪穴へ降ろした努力にビックリです。

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ファイル 2-5.jpg ★★おみやげチェック★★


意外と充実してました。
吉村先生の著作物は山ほど売ってました。
それとクッキーとかエジプト豆(ひよこ豆)で作った甘納豆とか、妙なモノも売ってました。
面白かったのは、適当に置かれていたカゴの中に入っていたペンダントトップの値段が「10500円」だったこと。
最初、値段の打ち間違えかと思いました。
だってそんな値段に見えなかったし、なにより無造作にカゴに入っていたから…。
まぁガラスケースを出すスペースが無かったんでしょうが、ちょっと笑いました。

早稲田ショップで話題の「ホワイトナイル」を飲みました。
生ビール。濃いめ。原料に小麦が入っている!

古代エジプトへの扉

ファイル 11-1.jpg The Gateway to Ancient Egypt
収集家の見た悠久と神秘

古代エジプトへの扉

横浜ユーラシア文化館で開催 2005年4月29日~8月14日まで


▼このエジプト展は菊川匡(きくがわただし)さんという方が所蔵しているコレクションを展示しているのですが、その数量と高品質も驚きですが、なにより「美しいモノが好き♪ エジプトが好き♪」という菊川さんの強烈なメッセージがそこかしこに見えて、まるでお宝満載の書斎にでも案内されたような、そんな居心地の良さを感じることのできた展示会でした。

★ 展示室の奥が図書コーナーになっていて、美術書、遺跡関係の本などが並んでいました。
懐かしいところでは「交差する手の神殿」もありました。
個人的には「世界の考古学:ヴァイキングの考古学」が気になりました。
展示見学で疲れた時、最後にこんなコーナーがあると嬉しいですね。


■今回の入り口は…


小さな会場なので、目立つ装飾はありませんでした。
でもせめて、菊川さんご自身のメッセージが掲示してあっても良かったんじゃないでしょうか。
これだけの遺物を所蔵する菊川さんのことを知りたいと、会場に来ているお客さんは誰しも思うだろうし…。
「遺物だけ観てもらえれば」って事なんでしょうが、せめてご本人の近影など飾ってあっても良かったのでは…と思います。

チケット売り場の側で、「特別昼食会」の受付をしていました。
これって招待された人だけなんでしょうね…横目で見つつ、ちょっと羨ましかったです。
そういえば…菊川さんぽい人を見かけましたが…本人かな?
初日は開幕式?をしていたらしいので、ご本人が来ている可能性はあるんだけど…。
割と体格の良い人でした。


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ファイル 11-2.gif ■菊川コレクションは新王国第18王朝の遺物が多く、特にテル・エル・アマルナ王宮の壁を飾ったタイルに可愛らしいモノが多数ありました。
タイルといっても小さく可憐な花をモチーフにしたモノが多いので、王宮というより王女の私的な部屋を飾っていたんじゃないかと思ったほど。
色はパステルカラーで、淡い色合いが眼に優しいです。


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■人型木棺:プトレマイオス朝前期

とてもデカイ棺です。
どうやってこんな大きなモノを個人が手に入れることが出来たのか…。
それが気になりました。
棺には金象眼が残り、また線も色もキレイに残っていました。
プトレマイオス朝の棺は線の粗さが目立つモノが多いのですが、これだけ綺麗な棺は珍しいと思いました。


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ファイル 11-3.gif ■木製モデル像:中王期/第1中間期~中王期

妙に気になった木製像を描いてみました。
見た目は、けっして上手い彫りではないけれど、味がありますね。
特に片足を上げている像には一目惚れでした。
見えないけれどお尻のラインが可愛いです。


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■コアガラス容器片:新王国時代

小さいガラス片がみっちりと展示されています。
美しいモノが多く、その色合いや線の流れを見ているだけで、(´ω`*)←こんな顔になります。
白いコアガラスが珍しいそうで、自慢げに(さりげなく)展示してある様子を見て笑ってしまいました。


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★★おみやげチェック★★


常設ミュージアムショップの脇に小さなワゴン車が設置されていて、そこにエジプト展関係のおみやげが並んでいました。
大英博物館で売っているような、ド派手なミイラ棺型缶ペンなどが売っていました。

古代エジプト3000年の世界

ファイル 12-1.jpg World of Ancient Egypt - The Egyptian Antiquities in Japanese Collections
「死」と「再生」から「王権」と「神」 古代エジプト精神世界の旅


古代エジプト3000年の世界

古代オリエント博物館で開催 2005年3月27日~5月8日まで


▼展示開始からひと月近く経ったので観客はそれほど多くなく、一応、ゆったり見て回ることが出来ました…(なぜ一応なのかは下の方で説明)
あちこちの博物館から選りすぐった品々が展示してあったので、小粒ながら立派なモノが多かったです。

▼借りてきた展示品は、その親博物館であつらえた「オリジナル台座付き」で上京しているモノが多く、台座に注目して見て回ると面白い感じでした。


■今回の入り口は…


正面には大きな『ミイラ棺』が展示されていました。
その立派さに足を止め、じっくりと見ていたオジサンがいました。
立たせて展示してあったため、自分の背と比べてみたりして、大きさを実感しました。
ただプトレマオス朝のモノにしては模様が不鮮明だったのが残念。

タイトルが貼ってあった壁はピラミッドの石組みをモチーフにしてあったのですが、地味すぎ、位置悪すぎで、誰も注目していなかったです。残念です。

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ファイル 12-2.gif★Ⅰ-1 死

お墓の中に死者と一緒に埋葬されたモノを展示していました。

絵はその面白かったモノを描いてみました。
◆大きな人型棺(上だけ)。その頭の大きさに驚きました。
◆イシス女神がコブラになっている(664BC~30BC)…ちょっと珍しかったです。
◆星形のヒエログリフ…”ヒトデ????”
◆首がもげそうなほどの高さを持つ木製マクラ…ミイラ用だけどこれじゃ首が折れちゃうよ!

★ジョセル王の壁面装飾タイル

古王国時代 2,686BC~218BC ファイアンス製

あの階段ピラミッドの最奥部に眠る神秘のタイルがなぜ展示されているの!?
驚きました。それもけっこうな数がある。
前から気になっていたので本物を拝見でき、とても嬉しいです。
そして思っていた以上の美しさでした。まるで本当の宝石のようでした。

★嘆きのポーズをとる女神像

プトレマイオス朝 331BC~30
イシス女神かネフティス女神を表しているそうですが、そんなことが気になったのではなく、この女神像…ものすごく巨乳です…(^_^;)
こんな大きくて美しい形のお乳を持つ女神像は見たことがなかったので、「オゥ!ヤー!!」とか言いながら、鑑賞させていただきました。


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★Ⅰ-2 再生(豊穣)

日用雑貨の展示品が多かったです。
ファイアンス製といえば「青カバ」。
ぷっくりとした鼻がとっても可愛かったです。
胴体には水鳥が勢いのない線で描かれていました。
ファイアンス製の絵は肩に力が入っていないモノの方が味わい深いです。

動物の彫刻では、トビに姿を変えたイシスとネフティス女神が愛らしくて、お持ち帰りしたかったです。
しかし女神も蛇になったり鳥になったりと、千変万化で忙しそうです。


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★Ⅱ-1 王権

王の偉業をたたえる壁画や像などがありました。

★アクエンアテン王浮彫り
アマルナ時代 個人蔵
大きさにまずビックリ。個人でこんな素敵なアクエンアテン像を持っているなんて…羨ましい!
浮彫りの技術も丁寧で、見応えありました。

★ガラス製の壺…数点
新王国時代
ミタンニ国から技術が伝えられたガラス製品。こってりとした色使いが本当に美しいです。

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ファイル 12-3.gif★Ⅱ-2 神

いろんな姿をした神像が並び、まるで動物園のようです。その中で、神ではなく、『精霊像』がこっそり加わっていたのが気になりました。
絵は新王国時代(1,550BC~1069年)に作られた『魔物』の像です。
ウサギのような耳が印象的でした。


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★その他

「エジプト体験コーナー」が展示会場の一角にありました。
私が覗いた時は女の子たちがワイワイとファラオの衣装を着て写真を撮ってました。
後から来たおばさんたちも衣装を着てみたい感じだったのに、次から次へと衣装替えして写真を撮り、場を独占する女の子達に諦めたのか、その場をくやしそうに去っていきました。
「ひとり一着。一回まで」と壁に貼った方が良かったんじゃないかと思いました。
騒ぐ声も大きくて、ちょっと(´Д`) ハゥーになりました。


★香りを体験しよう!の企画が面白かったです!

軟膏キフィ←クレオパトラが好んだ香りだそうです。
没薬、肉桂(シナモン)、レモングラスをまぜた香り←ハッキリ言うとロバの糞くさい

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ファイル 12-4.jpg★★おみやげチェック★★


←バフール(香料玉)

1個130円-博物館併設のミヤゲ屋で売ってます。

バハレーンのおばあちゃんがコネコネして作っているそうです。
これは「伽羅」で、他には木イチゴ、白檀、薔薇があります。

一番、ミイラ臭いモノが欲しかったので、「没薬入り」の「伽羅」を買ってみました。
本来は炭の上にパラっと置いて焚くのですが、部屋に置いておくだけでも香りがします。
博物館の入り口で、「買い物だけしたい」と言えば中に入れてもらえるので興味のある方は是非どうぞ!

古代エジプト展-永遠の美

ファイル 26-1.jpg ドイツ・ヒルデスハイム博物館所蔵

古代エジプト展-永遠の美

江戸東京博物館で開催 平成14年7月20日~9月8日まで


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▼開館十周年を迎えた「江戸東京博物館」の肝いり展覧会となる「古代エジプト展」です。
副題に「永遠の美」とあるように、美しいモノを中心に展示されていました。
まだ夏休みも前半なので、お客は少なかったですが、さっそく子供たちが宿題と思われる説明文の書き取りとか、図の模写などをしていました。

今回の注目は、ドイツの、ヒルデスハイム博物館から運び込まれた、本邦初の展示品すべてです。


ファイル 26-2.jpg★ヒルデスハイムのエジプト美術収集★

ヒルデスハイムのエジプト美術収集は、地質・古生物学者であったヘルマン・レーマーによって1870年から始められました。
レーマーはエジプトを旅行して美術品を収集し、帰国後に博物館を創設しました。
また1879年からは、ヒルデスハイムで生まれエジプトに住む貿易商ヴィルヘルム・ぺリツァエウスが、所有するエジプト美術の所蔵品を郷土に寄贈し始め、その量の多さから、エジプト用の博物館を作ることとなりました。


★ エジプトの品々が諸外国に持ち逃げされたことは、クヤシイことです。
けれどこうやってドイツ収蔵の品々を拝見すると、「なんでもいいから持って帰ろう」のイギリスなんかより
「良い品だけを持って帰ろう」というドイツの方が鑑賞眼が優れているのかなぁ…と展示品を見ながら思いました。


★ちょっと驚きの趣向

ファイル 26-3.jpg入り口に、神殿内部に入れるようなミニセットが組まれてました。
これはスゴイと思いました。
壁画の彫刻からハトホル神殿らしいことが分かります。
(壁にクレオパトラと息子のカエサリオンが彫刻されていたから、でもあまり似ていな)
このような雰囲気作りは大切です。スタッフの意気込みを感じました!
評価は百万点!!


★印象的だった主催の言葉

エジプト文明の根幹である信仰や死生観等を色濃く反映し、まさに究極の美意識が存在していたことを皆様に感じていただけると思います。


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ファイル 26-4.jpgⅠ.神々との対話-Land of Gods-

大きな展示物を並べず、ゆったりとしたスペースがとられていました。
コーナー名のとおり、ここではエジプト人がどんな神様を信仰していたのか…ということをあっさりと紹介していました。

★説明板には…

古代エジプトはヒッタイトが「エジプトには千の神がいる」と書き残しているように、数え切れないほど神々が共存する、まさに多神教の世界であった。

とありました。他の国から見たエジプト…、こんな風な軽い文明比較論も私好みです。

ファイル 26-5.jpg■青銅のオシリス神-末期王朝紀元前6~4年


意外に見るチャンスの少ない青銅製の小像がたくさん展示されてました。
保存状態も良く、細かい作りが目を引きます。
やはり神々は金属製の方が立派に見えますねぇ。


■ウジャトの眼のアミュレット(お守りの意味)


色、形、バランスどれをとっても素晴らしいです。

■死者の書のレリーフ-Relief with scene from the book of the dead
末期王朝 148章

何かと話題の死者の書…。パピルスではなくレリーフというのも珍しいです。
148章は「死者に対して下界の食事を与える」ことが記されているそうです。


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Ⅱ.来世への旅 Burial and the Afterlife


来世や天国を信じてミイラを造ったエジプト人たちの気持ちを知ることができるような展示物がありました。
巨大な石棺-ミイラを中に納めたものです。
そのほか、ミイラの包帯のなかに巻き込まれていた護符(アミュレット)の美しい青色が印象的でした。


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Ⅲ.永遠の美 Beauty in Etrenity


そもそもファラオ達は豪華絢爛な衣装を身につけて、贅沢な暮らしをしていました。
ファラオ一人につき、2トンもの黄金を消費したという説明がありました。
それを念頭に入れて展示物を見ると「ウムムっ~」と、その豪奢さにびっくりです。
貧乏人の私では、2トンの使い道など浮かぶはずもありませんけど…(^_^;)

■ビーズと紅玉随の首かざり


新王国時代のモノですが、瀟洒な作りが本当に美しいです。若い王子が使ったのかも…と妄想しつつ拝見しました。
アクエンアテン王が統治していた新王国時代-アマルナ時代は自然の花をモチーフにしたものが多いので、素朴でありながら力強さみたいなモノを感じます。


■ベネジュの彩色木棺


今回の目玉。これを見なければ話にならないモノです。
細密そして大胆な色使い…。職人の意気込みが感じられます。
白い絵の具がとても綺麗でした。
棺の中に描かれたオシリス神がちょっと不気味でした(^_^;)


■おまけ-エジプトのガラス細工


エジプトのガラスの生産が始まったのは、紀元前1550年頃のことです。
最初は透明なガラスを作る技術がなかったそうです。
アメンヘテプ三世のマルカタ王宮内の工房や、アクエンアテン王のアマルナ王宮内の工房が王家専属として手厚い保護の下にあったそうなので、当時のガラスはとても貴重なものだったようです。


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おみやげコーナー

■毎度、おなじみのお土産チェック!
しかし、これといって面白いモノもなく、手ぶらで帰宅。
絵はがきもパッとしない感じで、カメラマンガンバレ!と言いたい。
パピルスもイマイチだが、けっこう高い値段が付いてました。

40×30=2000円
15×10=800円
8×6=300円

どれも生彩さにかけるので、魅力なし。

■館内のレストランで「エジプト料理フェア開催中」
下にある写真は吉村先生のレストラン「パピルス」

料理まで監修するとは…さすがです(^_^;)

コシャリはエジプトの郷土料理みたいなもので、私も大好きでした。
オールドカイロにうまいコシャリ屋があり、通いました。(^_^)v
コシャリは形の異なった小麦粉製品(うどんとかマカロニとか)にタレをかけて食べるモノです。
食べてみたい人はレストランへGO!

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