誕生! 中国文明
2010年7月6日(火)~9月5日(日)
東京国立博物館 平成館
中国文明と言っても広大な領土を持つ中国のことなので、どの辺を中心にするかで展示の雰囲気も大きく左右されるのですが、今回は河南省をメインに中国の古い文化に焦点を当てて展示されています。
「夏」や「商」など、あまり取り上げられらない時代の遺物が来ているので、古代中国好きにはたまらない展示かと思います。
だがしかし、中国の文物って古い時代にデザインが生まれ、それをずっと受け継いでいることが多いため、時代が変わっても素人の目には古さも素材もデザインも全部似たように見えてしまい、ちょっと飽きてしまうこともありました。
今回はとくに人寄せパンダ的な目玉もなく、淡々と展示品が並んでいるので、その地味さが逆に売りかと思いました。
【入り口の様子】
入り口をふさぐように大きなパネルを置き、そこに河南省の地図がどーんと描かれていました。
あれを見て、河南省がどんな所なのかイメージ出来た人は少ないと思います。
できれば今の様子を映した現地の写真なんかも展示して、過去と現代のギャップをお客さんに感じさせても良かったのではないかと思いました。
1.王朝の誕生
1-1:幻の初期王朝 夏(前2000年頃~前1600年頃)
- 幻の夏王朝は紀元前2000年~紀元前1600年に栄えた中国最初の王朝と言われています。
その時代の遺物はいきなり完成度が高く、どれもため息出るほどの一品ばかりでした。
チケットに印刷されている緑色の『動物紋飾板』も、この時代のモノです。
あの図は犬みたいな動物を真上から見下ろしているそうです。
それを聞いて、子犬が腹をすかしてクタっとしている姿を想像しました。
1-2:王朝の確立 商・西周(前16~前8世紀)

というか、あまりの可愛らしさにイヤでも目に入ってきます。
お腹がふっくらしていて愛嬌があります。
次にオススメなのが、「№20-玉璧」です。
一見すると普通の璧ですが、中央に開けられた穴に厚い縁が残されています。
この縁を残すために職人がどれだけ苦労したのかなーと思うと、オススメしないわけにはいかなくなりました。
説明文にもスゴイと書いてありました。
1-3 競い合う国々 春秋・戦国(前8~前3世紀)
- ここでは、「№39-六戈戟」が見所です。
青銅製なのに長い月日を経たため、表面が石のように見えます。
普通、緑青まみれになるのに、なんだか不思議に感じました。
1-4 大帝国の形成 前漢(前3~後1世紀)
- ここは特にないのですが、おなじみの「金縷玉衣」が横たわっていました。
ただ寝ているだけで、ちょっと芸がないなーと思います。
たまには、ビクっと動いて、お客さんを驚かしたりすると楽しいかもです。
第二部 技の誕生
2-1:暮らし

大きいモノは「№50-七層楼閣」が見所でしょうか。
当時はこんな巨大な建物を建てる技術があったのかと驚きました。
あと、「えっ!」と思ったのは、セミの丸焼き。
「№52-炉」
当時はセミを丸焼きにして食していたようです。
土器のセミは丸々していて、確かに美味しそうです。
2-2:飲食の器
- 特に目玉なし
2-3:アクセサリー
- 「№81-トンボ玉」は必見。
といっても割と良くみるデザインでどこが必見なのかというと、中国最古級のトンボ玉なんだそうです。
それを聞くと、たいそうありがたく思えます。
第三部 美の誕生
3-1:神仙の世界
- 中国の人たちは昔から仙人にあこがれていたようで、そのあこがれに関する品々が展示されていました。
「羽人」と呼ばれる、天女の原型みたいな人たちは興味深かったです。
3-2:仏の世界
- 見所は「№104-宝冠如来座像」です。
展示物のなかで一番大きいです。
龍門石窟から持ってきたモノで、良いお顔してました。
あとは陶器が素晴らしかったです。
白磁とか黒陶など、清楚な美しさがたまりませんでした。
3-3:人と動物
- 「№127-1~4 4動物集合」が可愛いです。
特に象と牛の丸っとしたところにドキドキでした。
後漢時代のものだそうですが、この時代の人たちも小さい人形が好きだったんですね。
3-4:書画の源流

「№146-青花塔形台付壺(唐時代)」
子供のらくがきみたいで笑いました。
【おみやげコーナー】
チケットに登場するヒヨコをモデルにした「マスコット」が販売されていました。
中国とヒヨコ…謎のコラボレーションでした。