契丹 草原の王朝 美しき3人のプリンセス The Splendor of the khitan Dynasty
2012年7月12日(木)~9月17日(月祝)
東京藝術大学大学美術館「東京・上野公園」
【契丹展公式サイト】http://www.tbs.co.jp/kittantokyo/
なかなか見るチャンスがない契丹の遺物。
世界初公開の遺物が50件も展示されるというので、ちょっと遅くなりましたが上野の芸大へ行って来ました。
芸大は学祭の準備で大忙しでした。
ついでに芸大の学食も堪能してきました。「肉詰めピーマン+合えモヤシ」美味しかったです。
契丹は今の中国内モンゴルにあった王朝で、最盛期は紀元10世紀頃だったそうです。
草原の王国なので、今回は女性をテーマに展示してありましたが、馬具など騎馬関係のモノが多かったです。
【入口の様子】
入り口から入って3階まで階段を上がりました。
壁に内モンゴルの写真などが飾ってあり、良い写真がいくつもありました。
■第1章 馬上の芸術
陳国公主墓(1018年)の墓から出土した品々を展示していました。
公主は夫と共に埋葬されていて、発掘当時の写真も出ていましたが、とてもキレイに保存されていました。
解説を読んでいると、契丹には「樹上葬」というのもあったそうです。
金の仮面が展示してありましたが、顔がまん丸でいかにも草原の人って感じです。
目が小さくて、おでこがちょっと出てて丸いのが可愛いです。
■第2章 大唐の遺風
ここは「トルキ山古墳」から出土した遺物を展示していました。
偶然発見された契丹の墓。その中から出てきた豪華な品々を展示してありました。
世界ふしぎ発見で見た「女性のミイラ」もあるのかと思ったら、さすがに展示はされていませんでした。
テレビで観た黒くて美しい髪をした女性がこれらの品々を使っていたのかと思うと感慨深いです。
今回の展示会の目玉はこの彩色木棺です。
バラバラになった破片を組み立てたそうです。
あとちょっと金箔足したりして、往時の美しさを復元しています。
不思議なのは階段がある高床式になっていることです。
中国西安にある「法門寺」の仏舎利容器がよく似た形をしていたことを思い出しました。
当時はこういう棺が尊ばれたんですね。
他には「怪魚カマラ」のピアスが面白かったです。
シャチホコみたいに、お腹がポッコリ出ている魚で、この図案は当時好まれていたらしくあちこちで見かけました。
それと琥珀がネックレス等になって展示されていましたが、形だけ整えたら終わりみたいで、磨いてないモノが多く展示されていました。
欧州だとギラギラに磨いたりしてあるので、美意識の違いなのかと興味深く感じました。
■第3章 草原都市
瀬戸物が多く展示されていました。
気に入ったのは、チラシにも写真が出ている『白磁皮嚢壺』です。
これは「黒釉皮嚢壺」と対になっていて、丸みがとても可愛いです。
契丹展ではこのように皮や木の日常品を瀬戸物で真似てつくってある展示品が多かったです。
墓に納めるため、腐らないよう瀬戸物で作って奉納したんでしょうね。
ここには緑釉、ガラス、三彩など多種が並んでいました。
■第4章 蒼天の仏国土
赤峰市の白塔から見つかった奉納品を展示してありました。
美しかったのは「鳳凰舎利塔」です。
繊細な美しさで、これを奉納したのは契丹第6代皇帝妃・章聖皇太后という方だそうですが、彼女の美意識が感じられました。
面白かったのは地味な遺物ですが、「迦陵頻伽・天人」です。
天人のモチーフは世界中ありますが、その国ごとのこだわりがあって比較したりするのが楽しいです。
【おみやげコーナー】
相変わらずの品であまり興味を引くものはありませんでした。
もっとモンゴルっぽいモノとかあるのかな…と期待していましたが残念でした。