遺跡馬鹿のイベント潜入記

記事一覧

聖地チベット

聖地チベット展
ポタラ宮と天空の至宝
Treasures from the Roof of the World

上野の森美術館 2009年9月19日~2010年1月11日


★チベットの仏像がやってきた!

今回、国宝クラスの仏像たちが日本にやってくるというので、初日に駆けつけました!
(当日は午前中に「古代ローマ帝国の遺産展」→「フォレスティーユ静養軒」で微妙な昼飯→「聖地チベット展」というコースでした)
初日でしたが、お客さんが一杯! それも若い女性がガンガン来ていて、世の仏像ブームを実感しました。

展示物の説明は品物の近くとガラスケースの上に貼ってあり、とても気配りが出来ている展示でしたが、ただ一つ難を言えば、貼ってある位置が高すぎる!
あれは身長180センチくらいの人を意識して貼っているのか?
まぁ混雑した時は、あれくらいの高さは必要だから仕方ないんでしょうね。


入り口はシンプルすぎて、逆にドキドキ!

正面を入ると、すぐに壁。
横に通路が延びていて、堂内の渡り廊下を歩いているような演出。
壁にはチベットの写真やチベット寺院建立の由来にもなっている魔女の図が展示してありました。
なかなか憎い演出、そして奥で待ち受ける仏像の美しさ。
入って5歩くらいで聖地に迷い込んだ気分になること必至です。


1.仏教文化の受容と発展


大きい仏像からタンカまで、色んなモノが展示してありました。
見る物すべてが興味深く、その繊細さ、美しさに圧倒されます。


魔女の図

チベット寺院の建立由来図とでも言うんでしょうか。
魔女の力を封じるため寺院は場所を決めて建てられたということで、魔女が大地に寝そべり、体の要所に寺院が描かれていました。
私はチベットの大地を女性に見立てていることを初めて知りました。
言われてみると似ているか…な?
チベットのラサは昔、湖だったという話とか、魔女とか、チベット仏教の由来はとてもミステリアスで面白いです。


№29にあばら骨が見える、なんとも気の毒なおじさんの像があるのですが、これは「ミラネパ座像」で、説明を読むと、「少年時代に黒魔術を学び、叔父一族に復讐を誓った」人なんだそうです。
痩せた体から憎悪など感じられませんでしたが、なんとも不思議な過去を持った人なので印象に残りました。


2.チベット密教の精華

ここには美しい仏像が一杯あるのですが、とにかく、スゴイのひとことしか出ない像が飾ってありました。
チケット写真にも使われている「十一面千手千眼観音菩薩立像」です。
この像は本当に腕が千本あるんですよ!(自分では数えてないけど…(つω`*))
細部まで作りこまれていて、腕が千本もあるのにバランスも良く、本当に前に立つとタメイキしか出てこない仏像でした。
これがケースなしで、そのまま展示してあるのですから、主催も太っ腹なことです。

さらにスゴイ像がこれです!
「カーラチャクラ父母仏立像」
男女の仏が抱き合っている像なのですが、これも迫力ありすぎて、目に入った瞬間、「ギャっ!」って感じでした。
向き合う二人がとても美形なので、お顔だけでも十分にドキドキ出来ます。
これもケースなしなので、迫力が生で伝わってきます。


謎の展示物…№68 ツァツァ(泥で型押しした仏様・捧げ物としてつかう)

最初は、「なんだ?この泥レンガは?」と思ってしまいました。
だがしかし、説明を読んでビックリ!
この泥には亡くなった高僧の遺灰が混ぜこんであるんだそうだ!
そういう遺物が大好きな私にはとても興味深かったです。
出来れば、ちょっと臭いとか嗅いでみたかった!!


カパーラ
高僧の頭蓋骨を使って作られた入れ物。
これに水をいれると、普通の水が聖水になるそうです。
飾ってあったのは立派なお鉢でした。
蓋の持ち手の部分が、どうみても脳味噌を意識したデザインにしか見えず、個人的にステキに感じました。


ダーキニー像
熱心に見つめてしまう仏像といえば、やはり「ダーキニー像」でした。
手に持っているカパーラ(頭蓋骨で出来たコップ)が人骨マニアの私を心を鷲づかみにしたからなのですが、それを除外してもダーキニー像というのは、とても魅力的な像でした。
ダーキニー像と自分の相性は最高だなと思いながら出口に向かうと、「守りがみ」と書かれた”おみくじボックス”を発見!
挑戦してみたら、やっぱりダーキニー像を引き当てて、自分でもビックリしました。
「そうか…私はダーキニー女神に守られているのか゚.+:。(´ω`*)゚.+:。ポッ」
ダーキニー女神は日本では稲荷神として祀られているそうなので、機会があればお参りしたいです。


【おみやげチェック】

狭いショップにはチベットグッズが山盛り売ってました。
佐久間ドロップのポタラ宮殿缶など、謎のミヤゲもあったりして見ているだけでも楽しかったです。
ネパールで作られた物が多く、マニ車などもありました。