遺跡馬鹿のイベント潜入記

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ツタンカーメン展 黄金の秘宝と少年王の真実

ツタンカーメン展ツタンカーメン展 黄金の秘宝と少年王の真実
 TUTANKHAMUN AND THE GOLDEN AGE OF THE PHARAOHS
2012年8月4日(木)~12月9日(日)
上野の森美術館「東京・上野公園」
【ツタンカーメン展公式サイト】http://kingtut.jp/

ツタンカーメンの遺物が日本にやってくるということで話題になっていましたが、まぁエジプト展自体はよく開催されているから…と、何も対策を打たずに出かけてみたら…とても混んでいました。
さらに驚いたのは美術館前にHISのプレハブ小屋があり、そこでエジプトツアーの受付をしていたこと!!
集客するには絶好の立地なので、うまいこと考えたなぁ~と思いました。
チケット買って、整理券もらって…と、入場するまでに時間がかかりましたが、満足いく展示物の数々でした。
公式サイトでは混雑の時間帯などをデータ化してあるので、ここで混む曜日と時間帯を確認し、予定を組むといいでしょう。


【入口の様子】

入り口は質素で、パネルがちょっと並んでいました。
じっくり見たかったのですが、奥へ詰めろと言われジックリ読むことが出来ませんでした。
人が集まるとドアが開き、次の部屋へ移動すると、そこで3分くらいビデオを見せられます。
それが終わるといよいよ展示会場へ。
最初に現れるのはツタンカーメン王の立像でした。
この空間はヒエログリフの壁と柱など、すごく凝った内装だったのですが、じっくり見る人がいなかったのは残念でした。


Ⅰ ツタンカーメンの世界(新王国時代時代とは)

入ってすぐに「ツタンカーメン王の立像」が展示されていました。
「背中に名が彫られていますが、一部削られています、見てください」と言われ、大勢の人間が壁と像の隙間に頭をつっこみ、代わるがわるのぞき込むことに。
鏡を置いてくれれば楽なのに…と思いつつ、順番に並んで私ものぞき込みました。
その間も次から次へと来場者が入場してくるので、像の回りは人で一杯でした。

ツタンカーメン展このエリアで見どころだと思ったのは、№23の藍色ガラスを模した模造容器です。
絵はその隣に並んでいた本物のガラス瓶ですが、まずじっくりこれを見て、次に模造容器を見ると、「なるほどねぇ~」と思います。
ガラスはエジプト発祥ですが、希少価値が高く、王家が工房を持っていました。
この模造品は大貴族のイウヤとチュウヤの墓から出土したモノですが、そこそこ金があってもガラス壺を手に入れることは出来なかったんですね。

Ⅱ 古代エジプト人、スピリチュアル・ワールド

この辺はシャブティや祭具などでが多く、さらっと見たのであまり印象に残っているものは少なかったです。


Ⅲ ツタンカーメンのミステリー

このエリアはツタンカーメンの一族に関する展示が多く、私としてはホクホクでした。
一番目立ったのは、アクエンアテン王の強大な頭部像です。
アマルナ芸術の傑作です。
このエリアの壁紙はアマルナ宮殿の壁絵をイメージして作られていました。
細かいところまで気が利く演出だと思いました。
他には「№52 アテン神を礼拝するアクエンアテン王一家のレリーフ」が良かったです。
絵自体はおなじみで見慣れたモノですが、今回はこのレリーフを横からじっくり見ることが出来ました。
表面はツルツルピカピカに磨かれていて、凹凸はなく、真っ平らです。
そこに切れ味するどいナイフで、まるでバターを細工するようになめらかに王の一族が彫られているのです。
やはり王に捧げられるモノは出来が違うなと実感しました。
その他はティイ王妃、ネフェルティティ王妃、キヤ妃など、ツタンカーメンにゆかりの女性達の像が並ぶところも壮観でした。


Ⅳ 世紀の発見ツタンカーメン王墓、Ⅴ ツタンカーメンの真実

ツタンカーメン展ここにはツタンカーメン王墓から出土した品々が展示されています。
気に入ったのはガラス製の枕です。
青ガラスを使い、縁を金で飾り立てています。
高さがありすぎて、私じゃちょっと無理ですが、後頭部が後ろに張り出しているツタンカーメン王にとっては、これくらないと寝苦しいのかもしれません。
№71ツタンカーメンの胸飾りなど、豪華な装飾品も目を引きました。

Ⅵ 黄金のファラオたち

お待ちかね、黄金のツタンカーメンはここに展示してあります。
「№101 ツタンカーメンの棺形カノポス容器」
カノポス容器というので、「壺」を想像していたら、筆箱でした。
それとボールペンくらいの大きさかと思ったら、テレビのリモコンをしまうのにちょうど良い大きさでした。
この微妙な存在感がなんともいえませんでした。
回りの人たちは「小さい~」と声を上げていましたが、私は意外に大きくて驚きました。
しかしとても美しく、細工も見事だったので、観客は大満足してくれたと私も思います。

このエリアでの最大のオススメは、「№79有翼スカラベ付き胸飾り」です。
胸飾りの中央に薄い色のふんころがし(スカラベ)がくっついています。
これは「リビア砂漠ガラス」と呼ばれていて、隕石が砂漠に落ち、その熱で砂が溶け、やがて固まりガラスとなったというロマン溢れる一品なのです。
意外と小さいので顔を近づけて見ることになります。


【おみやげコーナー】

ツタンカーメン展美術館に併設されているミヤゲ屋は大混雑で、それを見ただけで戦意喪失したので入りませんでした。
「ファラオダッグ」はチラッとみましたが、どうしてアヒルなの?と思いました。
でも可愛いです。腹を押すと「ピー」と鳴きます。
外にプレハブを建てた臨時ミヤゲ屋が出来ていました。
今まで色々と展示会に行きましたがミヤゲ屋が外にも建てられていたのは初めて見ました。

色々と規格外の展示会だと思いました。