遺跡馬鹿のイベント潜入記

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トルコ三大文明展

ファイル 21-1.jpg Three Great Civilizations in Turkey
ヒッタイト帝国/ビザンツ帝国/オスマン帝国

トルコ三大文明展

東京都美術館で開催 2003年8月2日~9月28日まで


▼今年は「2003年日本におけるトルコ年」なんだそうです…。
って…「トルコ年ってどんな意味?」と思って調べてみたら、国をあげて、この一年はトルコを日本に宣伝しよう!! ってことらしいです。そんなことしなくても、十分、トルコは人気のある国ですけどね…(*^_^*)

▼今展示の目玉と言えば、大きなエメラルドが3つもついた『トプカプの至宝…エメラルドの短剣』が本邦初公開ということです。
そのまぶしさを伝えるため、ちょっと絵を描いてみましたが、本当に豪華な短剣です。
っつーか、このデカいエメラルドを前にして、一歩も引かない宝石職人の肝っ玉にも敬服です。
柄の上部には時計も組み込まれています。
本当に手の込んだ一品ですが、これを他国にやるために作らせたスルタンの太っ腹にも驚きます。
スルタンって生まれながらに金の使い道を極めていますねぇ~(*^_^*)

中央の果物カゴも華やかで美しいモノです。

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ファイル 21-2.jpg ★気合いの入った正面デザイン!
(でも誰も気がつかない…(^_^;))

入口ってすごく大切だと思うんです。

展示に対するスタッフの意気込みは入り口を見ればだいたい分かります。
今回は図に描いた「円盤」です。
近寄らないと分からないのですが、一番外側はくさび形文字です。
これはその中でもヒッタイト語の文字から取ったのだと思います。

次は金色で描かれたキリスト教関係者…ビザンチン様式の絵です。

一番内側は、イスラムをあらわしたアラベスク模様。

つまりこの円盤一つでトルコの文化をドーン★と表現しているんです。

でも誰も気がつかない…。立ち止まって見ている人がいない!
まぁ仕方ないよね…。でもこんなトリック絵のような看板を入り口に置く趣味は良いと思う。
トルコは不思議と文化の融合が少なくて、ヒッタイト、ビザンツ、オスマンとスパパパパっと切り分けられるから、円盤型でもOK。
これが複雑に入り組んだ南米アメリカ文化とか、横に長いだけのエジプトだと使えない手法。


まぁ、全体を通して言えば、予算が少なかったのか、「展示方法が貧弱だった」


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ファイル 21-3.jpg 第一章 ヒッタイト帝国


■入り口にライオン門の写真を貼って作られたゲート。
よく見ると、左右のライオンが違う。
ちゃんと右は右のライオン、左は左のライオンの写真になっている。妙なこだわりに座布団一枚!

◆アッシリア人居留地時代(BC20~18)

アッシリア人を通じてメソポタミアやシリアの文物がアナトリアにもたらされた。


★ 見所

○粘土板文書(書簡)(BC18世紀)-表面が磨き上げられている美品
○尖筆(せんひつ)(ヒッタイト新王国時代)鋳造製-くさび形文字を刻んだ道具

メソポタミアの文字を取り入れながら、ヒッタイト語を作り出した彼ら…。
漢字を取り入れ、日本語を生み出した我らの先祖と似ています。
後半にタップリとくさび形文字の刻まれた石板が出てきますが、愛着が湧きました(*^_^*)

○鋳型-凍石製

ピシっとまっすぐな線が美しい鋳型を見ると、”さすが鉄のヒッタイト!!」という感じがします。
頑固な職人気質を感じます。

◆ヒッタイト王国時代 BC17後半~12


★ 見所


両脇に小物を並べ、中央に大きめの石像が配置されています。
これらの小物はそれほど見応えはないですが、銀の食器や土器で作られた可愛い動物などは個人的に好み。


○くさび形銘文付き剣-すっと伸びた形に勢いがあり美しく感じました。


○王の姿が彫られた石像

中央の石像には王の印影が分かりやすく彫り込まれているので見つけやすいです。
ヒッタイト人特有のウ○コ帽(角冠)は神性を示しているんだそうです。(*^_^*)


★ ここの見所-ヒッタイトのくさび形文字と象形文字。


ヒッタイトの人々は上記に書いたように、メソポタミアからくさび形文字を導入し、自らの記録を自らの言語(アナトリア固有)で書き残しました。
その使用は、人名、神名、称号、役職を表記するのに用いられたそうです。


個人的に「おおぉ~!!」と踊ってしまったのが、No62-粘土板文書(歴史文書)です。
これは、ヒッタイト王国のムルシリ2世が父シュッピルリウマ1世の治績を記録した文書です。

★★内容★★

ニプフルリヤ(ツタンカーメン)が亡くなったので、ダハムンズであったエジプトの王妃は我が父(シュッピルリウマ)に使いをよこした。
臣下から夫を選びたくないので、ヒッタイトの皇子を夫として迎えたい…


ツタンカーメンの妻、アンケセナーメが宰相アイとの結婚を逃れるためにとった奇策がこの石板の存在で明らかになりました。
ただれた古代エジプトの王位争いのきな臭さが漂ってくる一品です。
私としては感動的な対面だったりします。


◆後期ヒッタイト BC12~8,7世紀


★ 見所


アラジャホユック遺跡には行ったことがないのですが、何度か写真は見ています。
今回、驚いたのは ”アラジャホユックのスフィンクス門” の向こうに人家が見えること…。

荒涼とした風景にスフィンクス門がぴったりだったのに…ちょっと悲しくなりました。


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◆第二章 ビザンツ帝国


★ 見所

彫刻群の展示は2階までの吹き抜け構造を巧みに取り入れた空間演出でなかなか良かったです。
まぁ、難を言えば展示されていた大理石像が薄汚れていた。
出土物だから仕方ないけどね…。


●「アルテミス像」は金の縁取りがついた ”ついたて” の前にちょこんと展示されていました。
これはエフェソス博物館から出品されたモノで、現地で見た時は感動したモノです。
こうやって改めてみると不思議な存在感がありますねぇ。
「豊穣と多産」を祈願したモノなので、”おっぱい”がたくさん付いているのですが、それがちっともエッチィ感じがしない。
おそらく少女のような体型がエロスの部分をうち消すからだろうけど…。
でも少女が好きな人には別の意味でエロス・ムンムンかな。(^_^;)。


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ファイル 21-4.jpg ◆第三章 オスマン帝国


★ 見所


とにかく宝飾品をご覧下さい。
その豪華さの前では言葉を失います(*^_^*)


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★★おみやげチェック★★


今回は買う物がありませんでした。(T_T)
絵はがきも欲しい絵柄じゃなかったし…。
ライオン門やスフィンクス門が写っている遺跡の写真の絵はがきなんかがあったら良いのに…と思いました。
でも人家が写っているなら嫌だな…(-_-;)

巨大な”しおり”も売ってました(笑)。もうこのような”非実用的”なモノはなくなったと思っていたのに…。

それでも多くの人々が何かを買っていました。盛況でした(^_^)v

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