遺跡馬鹿のイベント潜入記

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大英博物館 古代エジプト展 「死者の書」で読みとく来世への旅

古代エジプト展大英博物館 古代エジプト展 「死者の書」で読みとく来世への旅
ANCIENT EGYPTIAN BOOK OF THE DEAD
2012年7月7日(土)~9月17日(月祝)
森アーツセンターギャラリー 「六本木ヒルズ 森タワー52階」
【古代エジプト展公式サイト】http://egypt2012.jp/index.html


37mもある「グリーンフィールド・パピルス」が来るというので行ってきました。
展示は37m全部ではなく、一部ですが、それでもたっぷりと古文書を鑑賞することができました。
残念だったのは、パピルスがメインなのだから、植物のパピルスも展示して欲しかったです。
絵でちょろっと説明していただけなので、アレは物足りませんでした。
あとヒエログリフを解読したシャンポリオンについての紹介もして欲しかったです。
この絵のような記号が読めるようになったのもシャンポリオンのお陰なのだから、それをもっとお客さんに知って欲しいなと思いました。

【入口の様子】

場所がビルの52階ということで、高所恐怖症の私はエレベーターで上がるだけでもドキドキでした。
入り口自体は面白みがなく、普通でした。


第1章 古代エジプトの死生観
 ・永遠の生命を求めて
 ・呪文の変遷

ここの目玉は「セニの外棺に記された『コフィン・テキスト』です。
「コフィンテキスト」とは『棺柩碑文』という意味で、もともとは棺の内側に呪文を書いていたそうです。
それがやがてパピルスや棺の外に書かれるようになったそうです。

ちょっと気にとめて欲しいのは、『№6 ネブセニィの死者の書』です。
この書は解説によると「第18王朝の中で最長かつもっとも丁寧に作られた書」だということです。
このネブセニィは他にも展示があるのですが、スゴイのは、この人の経歴で、書記を努め、おまけに写本師までやっていて、彼のパピルスは生前自分で自分の書を用意したそうです。
用意が良いというか、几帳面な人もいたんですね。


第2章 冥界の旅
 ・旅立ちの儀式
 ・死者とのつながり
 ・旅への装い
 ・冥界の風景
 ・セネトゲーム
 ・守護と呪文の力
 ・審判
 ・来世の楽園

ここでは儀式に使う道具や儀式の様子が描かれたパピルスが展示されていました。
死後、様々な難所を通り抜ける死者ですが、神様に便宜をはかってもらうために食べ物を差し出したりするそうです。
その様子が描かれた絵があるのですが、なんと前足を切り取られた仔牛の絵が…(´;ω;`)
絵とは分かっていても、ちょっと残酷に感じました。

「護符」も面白かったです。
心臓の護符なんて日本人の感覚からしたら「えぇぇぇっ!」ですが、当時は必ず死者に持たせていたようです。
あと「ミイラの頭敷き」というのも面白いです。
『ヒュポケファルス』で画像検索すると出てきます。
この敷物をプリントした手提げカバンがミヤゲコーナーで売ってました。


古代エジプト展この辺りのパピルスで目を引いたのは、「冥界の丘」の図です。
エジプト人は死んだら「イアルの野」というところへ行くと信じていましたが、その丘のイメージは図のように描きます。
私は最初、これが何を意味しているのか分からなかったのですが、エジプト人は丘を上から見た形を描いていたのです。
私は丘を描くときは横から描く方が分かりやすいと思うんですが、エジプト人は不思議だなと思いました。

第3章 世界最長の『死者の書』<グリーンフィールド・パピルス>

長「いグリーンフィールド・パピルス」から、面白い図ばかりを選んで展示してありました。
死んでからイアルの野までの行程を紹介してあるので、一つの物語を読むように楽しむことが出来ます。
圧巻は最後に展示されていた天地創造の絵です。
オリジナルを見るのは初めてですが、とても美しく繊細な図でした。


第4章 『死者の書』をめぐる研究
 ・様々なパピルス文庫
 ・死者の書を期す

古代エジプト展パピルスに文字を書くための道具が展示されていました。
それと死者の書だけではない「書」も展示されています。
たとえば「アムドゥアト書」など、太陽神の夜の旅について書いた書物も展示されていました。

図はパピルスに描かれていた謎の「モノノケ」です。
説明板も「良く分からない」と書いてありました。
ポイントはマユゲですね。
マユゲあるのに手がない…不思議です。


【おみやげコーナー】

美術館併設のミヤゲ屋はそれほどでもなかったのですが、階下のミヤゲ物屋でエジプト関連のグッズが色々と売ってました。
ファラオの鼻の穴からティッシュを引き出せる、ティッシュカバーとか、アヤシイグッズが色々とありました。
ピラミッド型のスノードームなんかも目を引きました。