【インカ帝国のルーツ】
黄金の都 シカン
国立科学博物館 2009年7月14日~10月12日
★ひっそり始まったシカン遺跡展
同時期開催の「海のエジプト展」がCMを流したりと、大物ぶりを見せつける中、シカン展はどうなのか~と開催最初の土曜日に駆けつけてみました。(この日は国立博物館で開催されたばかりの「伊勢神宮展」も掛け持ちで見たりして忙しかった)
予想以上の盛況振りに嬉しくなりました。
今回は科博のレストランもイベント記念メニューを出したりと、かなり「盛り上げようぜ!」な空気が流れていると思いました。
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■入り口
シンプルな入れ子式の額縁(白色)のモニターが映像を映していました。
考古学界のお歴々の紹介の後、島田泉先生がバーンと登場するので、「おぉー!」と思いました。
ちなみに紹介されていた人たち
・ナポレオン→シャンポリオン→カーター→シュリーマン→ライヒェ→島田先生登場!
今回は考古学というものがどんな学問なのかをさりげなく紹介する目的もあるらしく、通路には「考古学とは!」というパネルが展示してありました。
■会場のあちこちにモニターが置かれ、発掘の様子などを流していました。
今の流行ですね、こういうの。
どれも1分半と短いのがいいです。こういうのは長くても2分以内にしてほしい。
●考古学者の仕事紹介
入り口を入ってすぐのところにコーナーが作られていました。
▼著名な考古学者紹介
マックス・ウーレ(アンデス文明の年代の基本的な枠組みを作ったドイツ人)
フリオ・C・テーヨ(先住民系ペルー人学者/北山岳地帯の発掘)
▼発掘の道具(巻き尺とか)
▼スケッチ
方眼用紙に描かれた出土品(土器)のスケッチが上手で可愛かったです。
エンピツでサラッと描いてあるのですが、とても味のある描写で、これはなかなか貴重な展示だと思いました。
第一部・シカンを掘る!考古学者の挑戦
- 中央にロロ神殿と周囲に点在する墓をジオラマ化。
規則性もなく、適当に散らばる墓の位置にちょっと驚きました。
あと、同じ壺のデザインだけど、時代が変わると、こんなに変化するんだよぉぉぉの展示も楽しかったです。
壺にひっついている黒猫を描いてみました。
▼黄金の間
東の墓から発掘された黄金のマスクと頭飾りが目玉展示となってました。
横から見ると、かなり薄いです。
目玉が出ているのですが、白目の部分は赤い琥珀を使い、黒目の部分はエメラルドを使っているようでした。
どちらもコロンビア原産のモノで、当時のシカン人は南米のあちこちと交易をしていたそうなので、この宝石も交易で手に入れたんでしょうね。
向かいのガラスケースに展示してあったイヤリングはかなり大きかったです。
これを通すためにはどれくらい耳たぶに穴を開けなければいけないのかな~と疑問に思い、隣に展示してあった顔面復元模型のおっさんの耳たぶを見てみたら、首に針を刺して止めてあった!Σ(゚д゚lll)ガーン
第二部・シカン文化の世界 インカ帝国の源流
▼宗教の間
大きなヒキガエルがいました。中央に飾られた黄金のケロは重そうでした。
黄金製品にはキログラムも表示してくれると貧乏人にはインパクトがあると思います。
チケットに使われた黄金のトゥミはココに展示されていました。
意外とあっさり見ていく人が多い。
目玉なのだから、表示板にもうちょっと見どころを書き加えてくれたら、良かったのかも。
気になったのは、服に縫いつけられていたという板。そこに描かれていたシカン神の可愛さにメロメロです。
横向きになった時のシカン神は鼻がまるっこくて可愛いのです。
鳥と融合しているのも面白いデザインだと思いました。
▼交易
シカンの人たちは黒陶光沢陶器で大もうけしたらしい。
当時は白無地に絵を描いたような壺が多かったので、黒陶光沢陶器は斬新で強烈なスタイリッシュ壺として周囲の人から歓迎されたらしい。
いつの時代も大流行に乗った者が金を得るという仕組みがあるんですね。
土器で琥珀やエメラルドまで交換出来たというのだからスゴイ。
都会で流行した黒陶光沢陶器を田舎の人が真似て作ったという土器まで展示されていました。(No.179.180)
どうせ真似るなら、もっと真剣に真似てよ! とシカン人が言いたくなるような、しょっぱい出来具合に私もタハハ…でした。
解説板には、そのしょっぱさを「田舎風」と表現していたのに、第二の笑いが…・゚・(つ∀`)・゚・
▼卓越した技術
シカンの人は手先が器用なのか細かいモノを色々作ってました。
黄金の蜘蛛とか、背もたれに小さな人形をみっちりとつけた輿とか、興味深かったです。
土器で作られた宮殿も面白かったです。
当時の人はああいう城に住んでいたのかと初めて知りました。
エピローグ・ミイラが語るシカン文化とは?
ブルホ遺跡というところからミイラがやってきました。
グルグル巻きにされていて、中身がどうなっているのか…さっぱり分かりませんでした。
ちょっと匂いを嗅ぎたかったのに、ガラスで密閉されてました。
★3Dシアターナチュラル
これは3D映画なのですが、青と赤の線が出ない不思議な3Dでした。
眼鏡がないと平坦な映像しか見られないのですが、3Dが苦手な人には良いですね。
これは一見の価値があります!
★オミヤゲ
ペルーから食材なども来ていて、見ているだけで楽しかったです。
相変わらず民芸品も多くて、買っていく人もいました。
会場限定のガチャガチャもありました。
1個300円でしたが、試す人もいるみたいでした。
そしてまた発見! キティとコラボしているグッズがありました。
チケットに出ているトゥミの顔の部分がキティちゃんになっているという…シュールな携帯ストラップ発見!
トゥミは生贄となった人間の心臓を切り出すための道具だと知っていたら、ぜったいに組ませないだろうと思うんですが…。
★特別メニュー
レストラン「ムーセイオン」の『シカン展特別ランチ』を頼んでみました。
ペルー料理ということでしたが…まぁ、トウモロコシがあったから、確かにペルー料理かも。
他にもチケットを出すとサービスしてくれる店があるようです。