遺跡馬鹿のイベント潜入記

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吉村作治の新発見!エジプト展~国立カイロ博物館所蔵品と~

吉村作治の新発見!エジプト展~国立カイロ博物館所蔵品と~

古代オリエント博物館 2009年12月2日~2010年2月7日

「太陽の船プロジェクト開始記念」ということで行われた展示会です。
展示の目玉は…

奇跡の同時発見!
親子・夫婦のミイラの木棺を東京初公開

テレビで放送された木棺たちがついに東京に来たわけですが、保存が良かったのか、とてもキレイで、あまりにキレイすぎて逆に古さを感じさせないという妙な印象の遺物でした。
親子のミイラの木棺はチケット絵になるだけあって迫力ありましたが、もうちょっと関連遺物や中に入っていたミイラなども展示されていたら、怖さも感じたと思うんですが、やっぱり棺だけだと「キレイな入れ物」という感想で終わってしまったのが残念でした。


【入り口の感想】
小さな部屋を作り、その中に吉村先生が白地の陶器に絵付けした壺や皿が売られていました。
「なんでこんなモノが?」と思いましたが、吉村先生が好きな人だったら購入するかも…ですね。


入り口に展示されていた、「復活するオシリス神」です。
背中を反らせた姿が滑稽でした。
身体を包帯でグルグル巻きにされたオシリス神が復活しようと思ったら…まぁこんな姿になるよな~と思いましたが、このリアルなポーズには感動しました。
こんなオシリス神を入り口に展示し、来た人に笑ってもらおうとするスタッフの心意気にも感動です。


第1章 埋葬に関わる神々

色んな像(ネコとか)が展示されていましたが、第26王朝の頃に作られたオシリス神は必見です。
目を開くだけ開いていて、ちょっと笑います。


第2章 ミイラ製造

ミイラの作り方をムービーで流していたり、ミイラ工房のジオラマを展示していたりと、小さいコーナーながら妙に力が入っているのを感じました。
ミイラ工房のジオラマは良く出来ていて、ミイラ製造中のシーンでは、遺体から腸を引っ張り出している人形まであって、そのリアルを追求する姿勢に感動しました。
その際に使われた解体道具(青銅製)も面白かったのですが、どれも小さいのが疑問でした。
あれじゃ持ちにくいと思うんですが、当時のエジプト人は指が細かったのでしょうかね…。
そういえばポンペイの火砕流に呑み込まれて亡くなったお医者さんの近くで発掘された医療道具も華奢な作りでした。
医療道具というのは、あの耳掻きみたいな細さが流行していたのかな…なんて思いました。


これはミイラを製造するための木製の台です。
厚さ8センチ、幅148.17センチ、長さ217センチ
かなり大きく、オトナ3人くらいは並べられそうです。
時代は第11王朝のモノですが、表面もキレイに削られていて、古いモノには見えません。
じっくり表面を見ていると、中央部分がやけに黒くなっていることに気が付きました。
なんとなく人の形に黒ずんでいるようで、これはやはり遺体を乗せた名残なのかな…と思いました。
木製だから残ったんでしょうか…それとも私の気のせい?
いろんな意味で興味深い展示物でした。


チャイの人型木棺と子供のミイラ棺(中身はレプリカ)

テレビでやっていた髪に●●がついていた木棺がついに目の前に!!
興奮気味に展示物を見たんですが、木棺の表面は黒く塗られていて、とってもシックな存在感でした。
文字とか書いてあるんですが、これが金色で、それもすごくオシャレに感じました。
子供の木棺の中身はレプリカで、これは残念でしたが、それでも雰囲気を味わうことは出来ました。
その棺は小さくて子供が幼い時に亡くなったことが分かるのですが、小さな子を親の隣に埋葬した遺族たちの想いを考えると、しみじみしてしまいました。