遺跡馬鹿のイベント潜入記

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エジプト文明展

ファイル 36-1.jpgエジプト文明展

観覧のキモ=職人の魂は道具にあり! ヒエログリフの美は彫りの鋭さにあり!


入り口入ってすぐにピラミッドの模型があります。
かなり大きな模型で、縮尺など正確なため、申し訳程度の大きさの「働く人々」が絶品です。
普段は意識しない地下の間などがよく再現されているので、よく見てね。


ファラオの興り-古王国時代
No.34 神官ネフェル・セシェム・プタハの偽扉
今回の展示物中、傑出した素晴らしさ!
近づいてよくみると、象形文字の彫り口がまさに直角!
2300~2180BCのものとはおもえない、職人芸を感じさせる扉です。
このように石を削るのはよほど刃先をするどく整えないと出来ません。
腕のいい職人の意地は時を超えても感動を与えてくれるものですね。


No.8 建築家カエム・ヘセトの家族像
カエムは「王の建築家」で「彫刻家の長」であったため、当時の一流の彫刻家によって自らの家族像を彫ってもらったのがこの作品。
どれどれと近寄ってよく観察すると、確かに頭の毛の彫りが他の肖像より細かく彫られています。
それとカエムの鼻は、なんだか存在感があり、こういう細かい仕事が一流と呼ばれるゆえんなのかと思いました。
お茶目なのはカエムと妻の間で指くわえている子ども。ここだけ手抜きな感じもしますが。


ファラオの隆盛-中王国時代
No.45 カノポス箱(2040~1785BC)
ミイラの内臓を壺に入れ、それを保管しておくための箱。
それだけの用途にすぎないのに、細部にまで行き届いたこの仕上げはいったい何なのだろうか?
ふたと箱の継ぎ目はぴったりとし、境界線はまっすぐで、すこしのゆがみもない。
また箱の表面はよく磨かれていて凹凸がない。真っ平らなのだ!
石をこれほど磨くのにどれほどの時間が必要だったのだろうか?
石工の意地を見せつける一品です。
蓋の上部には曲線を持たせ、全体のデザインはアールデコの雰囲気も漂っています。

ファラオの栄光-新王国時代
歴代のファラオの中でも異色の美的感覚の持ち主、アクエンアテン王の時代の遺物はどれもモダンです。
たとえば No.76青色彩文土器のデザインは現代のわれわれでも欲しくなるほどです。
しかし圧巻なのは、尖ったあごをもつアクエンアテン王の彫像。
あまりにもリアルです。
カイロの博物館にはもう少し多くの作品が展示されていますが、どれも印象的で、そこだけ空気が違ってました。

ファラオの交流-末期王朝時代
特に印象に残ったものはありませんでしたが、ミイラが入っていた木棺に小学生が驚いてました。

ファラオの輝き-黄金の時代
No.123シェションクⅡ世の胸飾り
でかいスカラベが印象的な胸かざり。
このスカラベ、一見すると草まんじゅうのような愛らしさ。
でも横から見ると「虫です、ども」という感じでラブリ~です。
細工も細かく、とても素晴らしい装身具です。

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