遺跡馬鹿のイベント潜入記

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黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝

黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝

2015年10月16日(金)~2016年1月11日(月)
国立西洋美術館(東京・上野)


古代地中海の黄金が集まるということで、さっそく観てきました。
印象は「以前観たような…」でしたが、黄金パワーの魅力にはあらがえず、目をキラキラさせながら展示を観て回りました。

場所が美術館ということで普段は縁のない「油絵」なども展示してあり、興味深かったです。
黄金にまつわる神話は画家達の想像力を刺激したようで、ギュスターヴ・モローとか、名前だけ知っている画家たちの絵が展示されていました。

ヴァルナの墓から出土したフリント製の石ナイフがアヤシイ!
墓を丸ごと模倣した展示物。
中に置かれた白骨を「本物!?」と聞いていた人もいましたが、確かに良く出来ていました。
黄金の品々、美しい宝石に混じって、フリント製のナイフが3本ほど混じっていました。
(ピンク色と緑色に塗っておきました)

一番長いモノは40センチくらいありました。
黄金や青銅に混じってなぜ「石ナイフ」を入れた?
きっと、ものすごい魔術的な力を持っている「石ナイフ」じゃないかと思いました。
見た目は普通で、特に変わったところがないからこそ、不思議に感じました。
トラキアの人たちは不死に対する願望が強かったので、この石もそういった護符のような意味があったのではないかと思いました。

不死の杯

不死の呪術器として見かける「カンタロスの杯」
この展示では、超デカイ、黄金の杯を観ることが出来ます。
これにワインを注いで、ジャブジャブ飲めば不死は間違いないような気がしてきます。
このカンタロス杯を観てから私も黄金の杯が欲しくなりました。


あやしい調合器
ヴァルチトラン遺跡から出土したアヤシイ調合器
それぞれの皿に液体を入れ、一気に注ぐことで混ぜ合わせることが出来る!
どうみても闇の錬金術師が使っていそうです。
ヴァルチトラン遺跡からは上のカンタロス杯も出土しているし、どうみても「不老不死の儀式」が行われていた場所としか思えないですね。
遺物だけで遺跡の写真などがまったくなかったので、どういう状況で出土したのか確認出来なかったのが残念でした。

古代エジプト美術の世界展-魔術と神秘 ガンドゥール美術財団の至宝

古代エジプト美術の世界展-魔術と神秘
ガンドゥール美術財団の至宝

2015年10月6日(火)~2015年11月23日(月・祝)
松濤美術館(東京・渋谷)


「魔術と神秘」という言葉に惹かれ、松濤美術館へ出かけてみました。
高級住宅地にあるこじんまりとした美術館でしたが、吹き抜けの底に池があるというビックリ建築で、こういう変わった建築が大好きな私は大満足でした。
入場料が安いのも嬉しかったです。
値段以上の展示内容で、お得感もありました。

エジプト展はさんざん見たので、もう感動もわかないのではないかと不安でしたが、展示品の質が高く、また私好みの内容だったので、十分楽しむことが出来ました。
小動物が多めで、猫、カバ、トキ、カエル、ハヤブサなどなど。
カバは特に可愛いですよ。
向かい合って何かゴニョゴニョと語り合っているように展示されてました。
ちなみにカバ像の見所は腹!ここが良い具合に締まっているのが最高です。



22.呪いの人形(エジプト中王国(2134-1785 BC))


    サブタイトルに「魔術」とあるのだから、やはりこういう物がないとね!
    展示品を観た時はのっぺらぼうに見えましたが、写真で確認すると顔らしきものも刻まれているようです。
    腕はなくストンとした形。
    素材が白いので、とても呪いの人形には見えません。
    日本の土偶のように、願掛けする際に割るそうです。
    これはたまたま割られずに残ったのだそうです。



42-46.トキのミイラにつけられたトキの頭部像(エジプト末期王朝(664-332 BC))


    目がパッチリでとてもキュートな像です。
    5体ならんでいる様子から勝手に「トキザイル」と命名。
    金箔押しされているので美しさも際立ちます。
    頭がこれだけ大きいのだから、ミイラ本体も大きかったのでしょうね。



19.アレクサンダー大王の名前の彫られたレリーフ(マケドニア王朝エジプト (332-305 BC))
    初めて見るアレクサンダー大王のヒエログリフ。
    ファラオになった事は知っていますが、こういう現物を見るのは初めてなのです。
    不老不死を追い求めるためファラオになりたかったそうですが、その夢は果たせたのでしょうか。

133.ホルエムアケトの人型の棺(エジプト第3中間期(1080-664 BC))

    レバノン杉の1本彫りという珍しさもあるが、大きさと3000年の月日が磨き上げた”艶”がこの棺の見所であると思う。
    どこも欠けていない、まさに永遠を感じさせる存在感。
    じっと対峙して見つめていると仏像のような気高さも感じられるほどです。
    レバノン杉ということで鼻を近づけて香りを嗅ごうとしましたが残念ながら何も感じることができませんでした。

141.人型の棺の箱部(エジプト第3中間期(1080-664BC))


    黄色い絵の具がとってもキュート。
    プロバンス地方のテーブル掛けのような華やかさが感じられます。
    だがしかし、良く見ると茶色いシミが!!
    位置からしてお尻!
    ギュッと押しつけられたミイラの体から油がしみ出たのか!?
    こういうレアアイテム、大好きです。(ここも鼻を近づけて嗅ごう!)



ロビーでは書籍やグッズも販売していました。

【特別展】 キトラ古墳壁画-明日香から東京へ

【特別展】 キトラ古墳壁画-明日香から東京へ
2014年4月22日(火)~2014年5月18日(日)
東京国立博物館(東京・上野公園)

キトラ古墳展キトラ古墳からはがされた壁画が公開されるというので、さっそく行ってきました。
公開期間が短いので、多くの人が詰めかけていました。

旅先で積極的に古い壁画を見ている私ですが、国内はほとんど見ていないので、今回の展覧会はとても楽しみにしていました。
高松塚古墳の壁画がカビで大変なことになっているので、こちらはどうなんだろう…と、不安な気持ちを持って展示会に臨みましたが、予想以上にキレイで安心しました。

思っていたより絵は小さく、壁は大きいのだから、もっと大きく描けば良いのに…と、最初に思いました。
当時の職人さんはつつましいのか、それともあの大きさがちょうど良いのか、それともお手本があのサイズだから単に合わせただけなのか…謎はつきません。

キトラ古墳展壁画は四種あるのですが、今回の展示は、「玄武」「白虎」「朱雀」の三種だけでした。
「青龍」は泥で壁画が損傷し、展示は無しでした。

一番気に入ったのは、「朱雀」です。
よく見ると、足が大きく開いていて、「正に今、疾走中!!」なのです。
この躍動感を死者の玄室に残そうという理由はなんでしょうか。
壁画は玄室をふさぐ石に描かれていたのですが、私が思うに、火の鳥のように若さと活力を持って速く再生して欲しいという願いがあるのではないかと思いました。

キトラ古墳展「白虎」は前足の筆の細さをご堪能ください。
まるで女性の濡れた毛が石の上に落ちたような繊細さ。驚きです。
顔はニャンコ系でいかついのに…。


玄武はしっぽが伸びているのは分かるのですが、どうして腹から顔の前を通って尾が伸びているんでしょうね。
尾の始まりが良く分かりませんでした。


最初に複製の陶板が展示されているのですが、もうそこから行列で、なかなか列が進みませんでした。
壁画のガラスケース前でイヤホンを聞く人が続出なのだから仕方ありません。
イヤホンはガラスケースから離れたところで聞くように出来たら、一番良いのですが。


■オミヤゲ
玄武のTシャツがカッコ良かったです。
色があれば欲しかったかも。
トートバックなど、実用的な物もありました。


ついでに
新しく国宝に指定された長野の土偶を見てきました。
顔が▼の奴です。
縄文ビーナスも良いですが、こういう謎を秘めたような土偶も良いです。
あとアイヌの「シトキ」という首飾りも見ました。
大玉の青石が印象的でした。

同日に「医は仁術」も見ました。

特別展「出雲-聖地の至宝-」

古事記1300年 出雲大社大遷宮
特別展「出雲-聖地の至宝-」
2012年10月10日(水)~11月25日(日)
東京国立博物館 本館特別5・4室

【出雲展公式サイト】http://izumo2012.jp/


出雲展出雲大社の敷地から発掘された大柱が来るというので、さっそく見に行って来ました。
写真で見るとそれほど大きくは感じなかったのですが、実物の存在感には圧倒されました。

今年は古事記が編纂されて1300年になるそうです。
会場には古事記写本と出雲風土記が展示されていましたが、これらが1300年前に書かれた物なのかと思うと改めてスゴイ事だなと思いました。
「頑張ればなんとか読める」というのも漢字の力ですね。

チケットの図案ですが、効果線のようにみえる物は銅剣です。
「たくさん出土したんですよ~」というアピールにも感じました。
実際、荒神谷遺跡からは42本の銅剣が出土したので、このアピールの方法は正しいと思います。

見終わった後、久しぶりに本館を周遊。
今、興味があるアイヌの文物がちょびっとだけ展示されているのを発見。
やはり生活用具が多いのですが、前から見たかった「イナウ(御幣みたいなもの)」が展示されていたので嬉しかったです。


銅戈と勾玉
出雲大社の後方にある社の大石の下から発掘された銅戈と勾玉が展示されていました。
西日本を代表する銅戈と東日本を代表する勾玉が同じ場所から出土しました。
これは弥生時代からこの地が重要な場所として認識されていた証拠でもあり、とてもワクワクします。


出雲展宇豆柱(鎌倉時代)
大きい木。それを3つも束ねて3mの直径を出すなんて…昔の人は無茶します。
柱を観察すると運ぶためのロープ通しの穴などがあったり、ノミの跡が残っていたりと、職人たちが木と格闘した跡が残っていました。
柱の近くから斧が発掘されていますが意外と小さく、当時の作業を想像するなら、彫刻刀で鎌倉の大仏を削り出すような作業をしていたのではないかと思いました。
こういう大きい柱を見ていると三内丸山遺跡の栗の巨木を思い出しますが、古代の人は縄文の昔から巨木の神秘と扱い方を心得ていたんでしょうね。

出雲展復元・出雲大社
高校生が作ったという復元・出雲大社が展示されていました。
とにかく長く天に伸びていく階段が印象的な社です。
不思議に思ったのは、どうしてこんなに高い建物を建てたのかということです。
神に近い場を得たいなら裏山に登って程良い山頂に社を建てれば良いと思うんですが、古代の人はそういうことはしなかったようです。
その場所から離れたくない理由が何かあるんでしょうね。
この地から弥生時代の剣や勾玉が出土しているので、長くこの地は聖なる場所としてあがめられていたことが分かります。
だから山頂に社を築くのではなく、この場所に壮大な高さを持つ社を建てたんでしょう。
この頃すでに風水の考え方も伝わっていたのかな…だとしたら面白いです。
だとすると、まさにこの宇豆柱のあった場所こそ、エネルギー放出の中心だということですね。
そうと分かれば私も現地に行ってこの柱跡に立って、吹き出すパワーを浴びてみたいです。


出雲展銅鐸と銅剣
2階の展示室には荒神谷遺跡と加茂岩倉遺跡から出土した銅鐸、銅剣、銅矛などが展示されていました。
数年前、東京で行われた銅鐸・銅剣展を見ていた私にとっては目新しさはありませんでしたが、復元されてぴかぴかと10円玉色に光る銅鐸と銅剣には衝撃を受けました。
当時の人たちにとって、この輝きは直視したら目がつぶれると言われても信じてしまいそうな美しさだと思います。
特に日の下では神々しいばかりの存在感だったでしょう。
あと気になったのは、最後の方に展示してあった「銅矛」です。
とても太くて重そうです。
昔の人はこんな矛を軽々と振り回していたのだとしたら、その腕力は相当でしょうね。
ムキムキマッチョな古代人を想像するのは楽しいです。


【おみやげコーナー】

出雲大社で売られている品々が来ていました。
銅剣と銅鐸の手ぬぐいとか、古代米のセットとか、面白いモノもありました。
ポチ袋(お年玉袋)が売れてました。
デザインが可愛いです。

大英博物館 古代エジプト展 「死者の書」で読みとく来世への旅

古代エジプト展大英博物館 古代エジプト展 「死者の書」で読みとく来世への旅
ANCIENT EGYPTIAN BOOK OF THE DEAD
2012年7月7日(土)~9月17日(月祝)
森アーツセンターギャラリー 「六本木ヒルズ 森タワー52階」
【古代エジプト展公式サイト】http://egypt2012.jp/index.html


37mもある「グリーンフィールド・パピルス」が来るというので行ってきました。
展示は37m全部ではなく、一部ですが、それでもたっぷりと古文書を鑑賞することができました。
残念だったのは、パピルスがメインなのだから、植物のパピルスも展示して欲しかったです。
絵でちょろっと説明していただけなので、アレは物足りませんでした。
あとヒエログリフを解読したシャンポリオンについての紹介もして欲しかったです。
この絵のような記号が読めるようになったのもシャンポリオンのお陰なのだから、それをもっとお客さんに知って欲しいなと思いました。

【入口の様子】

場所がビルの52階ということで、高所恐怖症の私はエレベーターで上がるだけでもドキドキでした。
入り口自体は面白みがなく、普通でした。


第1章 古代エジプトの死生観
 ・永遠の生命を求めて
 ・呪文の変遷

ここの目玉は「セニの外棺に記された『コフィン・テキスト』です。
「コフィンテキスト」とは『棺柩碑文』という意味で、もともとは棺の内側に呪文を書いていたそうです。
それがやがてパピルスや棺の外に書かれるようになったそうです。

ちょっと気にとめて欲しいのは、『№6 ネブセニィの死者の書』です。
この書は解説によると「第18王朝の中で最長かつもっとも丁寧に作られた書」だということです。
このネブセニィは他にも展示があるのですが、スゴイのは、この人の経歴で、書記を努め、おまけに写本師までやっていて、彼のパピルスは生前自分で自分の書を用意したそうです。
用意が良いというか、几帳面な人もいたんですね。


第2章 冥界の旅
 ・旅立ちの儀式
 ・死者とのつながり
 ・旅への装い
 ・冥界の風景
 ・セネトゲーム
 ・守護と呪文の力
 ・審判
 ・来世の楽園

ここでは儀式に使う道具や儀式の様子が描かれたパピルスが展示されていました。
死後、様々な難所を通り抜ける死者ですが、神様に便宜をはかってもらうために食べ物を差し出したりするそうです。
その様子が描かれた絵があるのですが、なんと前足を切り取られた仔牛の絵が…(´;ω;`)
絵とは分かっていても、ちょっと残酷に感じました。

「護符」も面白かったです。
心臓の護符なんて日本人の感覚からしたら「えぇぇぇっ!」ですが、当時は必ず死者に持たせていたようです。
あと「ミイラの頭敷き」というのも面白いです。
『ヒュポケファルス』で画像検索すると出てきます。
この敷物をプリントした手提げカバンがミヤゲコーナーで売ってました。


古代エジプト展この辺りのパピルスで目を引いたのは、「冥界の丘」の図です。
エジプト人は死んだら「イアルの野」というところへ行くと信じていましたが、その丘のイメージは図のように描きます。
私は最初、これが何を意味しているのか分からなかったのですが、エジプト人は丘を上から見た形を描いていたのです。
私は丘を描くときは横から描く方が分かりやすいと思うんですが、エジプト人は不思議だなと思いました。

第3章 世界最長の『死者の書』<グリーンフィールド・パピルス>

長「いグリーンフィールド・パピルス」から、面白い図ばかりを選んで展示してありました。
死んでからイアルの野までの行程を紹介してあるので、一つの物語を読むように楽しむことが出来ます。
圧巻は最後に展示されていた天地創造の絵です。
オリジナルを見るのは初めてですが、とても美しく繊細な図でした。


第4章 『死者の書』をめぐる研究
 ・様々なパピルス文庫
 ・死者の書を期す

古代エジプト展パピルスに文字を書くための道具が展示されていました。
それと死者の書だけではない「書」も展示されています。
たとえば「アムドゥアト書」など、太陽神の夜の旅について書いた書物も展示されていました。

図はパピルスに描かれていた謎の「モノノケ」です。
説明板も「良く分からない」と書いてありました。
ポイントはマユゲですね。
マユゲあるのに手がない…不思議です。


【おみやげコーナー】

美術館併設のミヤゲ屋はそれほどでもなかったのですが、階下のミヤゲ物屋でエジプト関連のグッズが色々と売ってました。
ファラオの鼻の穴からティッシュを引き出せる、ティッシュカバーとか、アヤシイグッズが色々とありました。
ピラミッド型のスノードームなんかも目を引きました。

ツタンカーメン展 黄金の秘宝と少年王の真実

ツタンカーメン展ツタンカーメン展 黄金の秘宝と少年王の真実
 TUTANKHAMUN AND THE GOLDEN AGE OF THE PHARAOHS
2012年8月4日(木)~12月9日(日)
上野の森美術館「東京・上野公園」
【ツタンカーメン展公式サイト】http://kingtut.jp/

ツタンカーメンの遺物が日本にやってくるということで話題になっていましたが、まぁエジプト展自体はよく開催されているから…と、何も対策を打たずに出かけてみたら…とても混んでいました。
さらに驚いたのは美術館前にHISのプレハブ小屋があり、そこでエジプトツアーの受付をしていたこと!!
集客するには絶好の立地なので、うまいこと考えたなぁ~と思いました。
チケット買って、整理券もらって…と、入場するまでに時間がかかりましたが、満足いく展示物の数々でした。
公式サイトでは混雑の時間帯などをデータ化してあるので、ここで混む曜日と時間帯を確認し、予定を組むといいでしょう。


【入口の様子】

入り口は質素で、パネルがちょっと並んでいました。
じっくり見たかったのですが、奥へ詰めろと言われジックリ読むことが出来ませんでした。
人が集まるとドアが開き、次の部屋へ移動すると、そこで3分くらいビデオを見せられます。
それが終わるといよいよ展示会場へ。
最初に現れるのはツタンカーメン王の立像でした。
この空間はヒエログリフの壁と柱など、すごく凝った内装だったのですが、じっくり見る人がいなかったのは残念でした。


Ⅰ ツタンカーメンの世界(新王国時代時代とは)

入ってすぐに「ツタンカーメン王の立像」が展示されていました。
「背中に名が彫られていますが、一部削られています、見てください」と言われ、大勢の人間が壁と像の隙間に頭をつっこみ、代わるがわるのぞき込むことに。
鏡を置いてくれれば楽なのに…と思いつつ、順番に並んで私ものぞき込みました。
その間も次から次へと来場者が入場してくるので、像の回りは人で一杯でした。

ツタンカーメン展このエリアで見どころだと思ったのは、№23の藍色ガラスを模した模造容器です。
絵はその隣に並んでいた本物のガラス瓶ですが、まずじっくりこれを見て、次に模造容器を見ると、「なるほどねぇ~」と思います。
ガラスはエジプト発祥ですが、希少価値が高く、王家が工房を持っていました。
この模造品は大貴族のイウヤとチュウヤの墓から出土したモノですが、そこそこ金があってもガラス壺を手に入れることは出来なかったんですね。

Ⅱ 古代エジプト人、スピリチュアル・ワールド

この辺はシャブティや祭具などでが多く、さらっと見たのであまり印象に残っているものは少なかったです。


Ⅲ ツタンカーメンのミステリー

このエリアはツタンカーメンの一族に関する展示が多く、私としてはホクホクでした。
一番目立ったのは、アクエンアテン王の強大な頭部像です。
アマルナ芸術の傑作です。
このエリアの壁紙はアマルナ宮殿の壁絵をイメージして作られていました。
細かいところまで気が利く演出だと思いました。
他には「№52 アテン神を礼拝するアクエンアテン王一家のレリーフ」が良かったです。
絵自体はおなじみで見慣れたモノですが、今回はこのレリーフを横からじっくり見ることが出来ました。
表面はツルツルピカピカに磨かれていて、凹凸はなく、真っ平らです。
そこに切れ味するどいナイフで、まるでバターを細工するようになめらかに王の一族が彫られているのです。
やはり王に捧げられるモノは出来が違うなと実感しました。
その他はティイ王妃、ネフェルティティ王妃、キヤ妃など、ツタンカーメンにゆかりの女性達の像が並ぶところも壮観でした。


Ⅳ 世紀の発見ツタンカーメン王墓、Ⅴ ツタンカーメンの真実

ツタンカーメン展ここにはツタンカーメン王墓から出土した品々が展示されています。
気に入ったのはガラス製の枕です。
青ガラスを使い、縁を金で飾り立てています。
高さがありすぎて、私じゃちょっと無理ですが、後頭部が後ろに張り出しているツタンカーメン王にとっては、これくらないと寝苦しいのかもしれません。
№71ツタンカーメンの胸飾りなど、豪華な装飾品も目を引きました。

Ⅵ 黄金のファラオたち

お待ちかね、黄金のツタンカーメンはここに展示してあります。
「№101 ツタンカーメンの棺形カノポス容器」
カノポス容器というので、「壺」を想像していたら、筆箱でした。
それとボールペンくらいの大きさかと思ったら、テレビのリモコンをしまうのにちょうど良い大きさでした。
この微妙な存在感がなんともいえませんでした。
回りの人たちは「小さい~」と声を上げていましたが、私は意外に大きくて驚きました。
しかしとても美しく、細工も見事だったので、観客は大満足してくれたと私も思います。

このエリアでの最大のオススメは、「№79有翼スカラベ付き胸飾り」です。
胸飾りの中央に薄い色のふんころがし(スカラベ)がくっついています。
これは「リビア砂漠ガラス」と呼ばれていて、隕石が砂漠に落ち、その熱で砂が溶け、やがて固まりガラスとなったというロマン溢れる一品なのです。
意外と小さいので顔を近づけて見ることになります。


【おみやげコーナー】

ツタンカーメン展美術館に併設されているミヤゲ屋は大混雑で、それを見ただけで戦意喪失したので入りませんでした。
「ファラオダッグ」はチラッとみましたが、どうしてアヒルなの?と思いました。
でも可愛いです。腹を押すと「ピー」と鳴きます。
外にプレハブを建てた臨時ミヤゲ屋が出来ていました。
今まで色々と展示会に行きましたがミヤゲ屋が外にも建てられていたのは初めて見ました。

色々と規格外の展示会だと思いました。

契丹 草原の王朝 美しき3人のプリンセス

契丹展契丹 草原の王朝 美しき3人のプリンセス The Splendor of the khitan Dynasty
2012年7月12日(木)~9月17日(月祝)
東京藝術大学大学美術館「東京・上野公園」
【契丹展公式サイト】http://www.tbs.co.jp/kittantokyo/

なかなか見るチャンスがない契丹の遺物。
世界初公開の遺物が50件も展示されるというので、ちょっと遅くなりましたが上野の芸大へ行って来ました。
芸大は学祭の準備で大忙しでした。
ついでに芸大の学食も堪能してきました。「肉詰めピーマン+合えモヤシ」美味しかったです。


契丹は今の中国内モンゴルにあった王朝で、最盛期は紀元10世紀頃だったそうです。
草原の王国なので、今回は女性をテーマに展示してありましたが、馬具など騎馬関係のモノが多かったです。


【入口の様子】

入り口から入って3階まで階段を上がりました。
壁に内モンゴルの写真などが飾ってあり、良い写真がいくつもありました。


第1章 馬上の芸術

契丹展陳国公主墓(1018年)の墓から出土した品々を展示していました。
公主は夫と共に埋葬されていて、発掘当時の写真も出ていましたが、とてもキレイに保存されていました。
解説を読んでいると、契丹には「樹上葬」というのもあったそうです。

金の仮面が展示してありましたが、顔がまん丸でいかにも草原の人って感じです。
目が小さくて、おでこがちょっと出てて丸いのが可愛いです。

第2章 大唐の遺風

契丹展ここは「トルキ山古墳」から出土した遺物を展示していました。
偶然発見された契丹の墓。その中から出てきた豪華な品々を展示してありました。
世界ふしぎ発見で見た「女性のミイラ」もあるのかと思ったら、さすがに展示はされていませんでした。
テレビで観た黒くて美しい髪をした女性がこれらの品々を使っていたのかと思うと感慨深いです。

今回の展示会の目玉はこの彩色木棺です。
バラバラになった破片を組み立てたそうです。
あとちょっと金箔足したりして、往時の美しさを復元しています。
不思議なのは階段がある高床式になっていることです。
中国西安にある「法門寺」の仏舎利容器がよく似た形をしていたことを思い出しました。
当時はこういう棺が尊ばれたんですね。


他には「怪魚カマラ」のピアスが面白かったです。
シャチホコみたいに、お腹がポッコリ出ている魚で、この図案は当時好まれていたらしくあちこちで見かけました。
それと琥珀がネックレス等になって展示されていましたが、形だけ整えたら終わりみたいで、磨いてないモノが多く展示されていました。
欧州だとギラギラに磨いたりしてあるので、美意識の違いなのかと興味深く感じました。


第3章 草原都市

瀬戸物が多く展示されていました。
気に入ったのは、チラシにも写真が出ている『白磁皮嚢壺』です。
これは「黒釉皮嚢壺」と対になっていて、丸みがとても可愛いです。
契丹展ではこのように皮や木の日常品を瀬戸物で真似てつくってある展示品が多かったです。
墓に納めるため、腐らないよう瀬戸物で作って奉納したんでしょうね。
ここには緑釉、ガラス、三彩など多種が並んでいました。


第4章 蒼天の仏国土

赤峰市の白塔から見つかった奉納品を展示してありました。
美しかったのは「鳳凰舎利塔」です。
繊細な美しさで、これを奉納したのは契丹第6代皇帝妃・章聖皇太后という方だそうですが、彼女の美意識が感じられました。
面白かったのは地味な遺物ですが、「迦陵頻伽・天人」です。
天人のモチーフは世界中ありますが、その国ごとのこだわりがあって比較したりするのが楽しいです。


【おみやげコーナー】

相変わらずの品であまり興味を引くものはありませんでした。
もっとモンゴルっぽいモノとかあるのかな…と期待していましたが残念でした。

マチュピチュ「発見」100年インカ帝国展

インカ展マチュピチュ「発見」100年インカ帝国展 The Inka Empire Revealed: Century After
2012年3月10日(土)~6月24日(日)
東京・上野国立科学博物館


久しぶりのインカ展なので初日に駆けつけました!
といっても当日は冷たい雨…でも多くのお客さんが来場していて異様な熱気に満ちていました。

まずはカハク内のレストラン「ムーセイオン」へ突入し、一日30食限定の特別メニューを食べました。
感想は下の方に書きますが、店に到着したのは11時30分頃。
すぐに席に案内されましたが、12時頃に食べ終わって外に出たら多くのお客さんが待っていました。
限定食を狙う場合は早めに行った方が良いですね。

インカ展【入口の様子】

エスカレーターを降りると、床にインカ道の写真が貼ってあり、それが入口奥まで続いています。
たぶんスタッフは思い入れたっぷりに写真を用意したのでしょうが、残念ながら混雑した入口では足下の写真に気づいている人はほとんどいませんでした。
でも私のように「おっ!」と思う人もいるし、スタッフの「入口から気合い入れてるぜ!という想いも感じられました。
しかし実際の入口フロアは、パネル壁と天井からつり下げられたディスプレイでビデオ垂れ流しという面白みの欠ける簡素さなので、凝ったデザインを楽しみにしていた私としては、ショボーン(´・ω・`)でした。

インカ展第一部 インカ 帝国の始まりとその本質

    インカ人が使っていた日用品などが展示されていました。
    色鮮やかな貫頭衣(ポンチョ)とか、チチャを飲むための専用カップ「ケロ」など、割と普通のモノが多かったです。
    その中で可愛かったのは木彫りの玉座です。
    ジャガーの体が座板を支えているのですが、その顔がちょっとユニークです。
    よく見ると歯の間から赤い舌が出ています。
    この舌のお陰で怖いジャガーも愛嬌たっぷりに見えます。


    インカ展ちょっと気持ち悪いモノを見つけました。
    ジャガイモをデザインした壺ですが、ジャガイモの芽が人間の目に見えて、まるで百目妖怪みたいです。

    このコーナーの最後には外科手術が行われたドクロ3つが展示されていました。
    人骨好きとしてはドキドキ楽しい展示品でしたが、四角く削り取られた頭蓋骨はちょっとリアルで痛々しく思いました。
    このドクロの面白いところは切り取った骨片も展示しているところです。
    この骨片で穴に蓋をしていたそうです。

インカ展第二部  インカ:帝国の統治

    ここの目玉は「ミイラ」でした。
    ペルー北部のチャチャポヤ遺跡で見つかった空中墳墓。
    そこから引き出したミイラを4体展示していました。
    前評判も高かった「眼球のあるミイラ」ですが、なんと女性のミイラだそうです。
    展示されているミイラはヒモで手足を縛られていて、体型が良く分からなかったので、てっきり男性だとばかり思っていました。
    ミイラの正面に立つと目が合うのですが、なんとも不思議な感じです。
    ガラスケースの奥行きが狭いので、ミイラと観客の位置がすごく近いです。
    なのでミイラの目をしっかりと観察することが出来ます。
    縛られているので、みんなムンクの「叫び」状態になっています。

    ミイラ達は指に金属の輪をしている者、漁労用の網を体に巻き付けている者など、生前の生活用品と一緒にミイラになっているのですが、その物のお陰で彼らが生きていた時の様子が浮かんできました。
    網を巻いていた人は海の男で、漁が上手で、きっと女の子にモテモテだったような気がします。


第三部 第3部 滅びるインカ、よみがえるインカ
    インカ王国最後の様子を丁寧に解説していました。
    インカ王たちも抵抗しましたが、最後の王様が処刑されインカは滅びました。
    …が、19世紀にインカ王の再来(トゥパクアマル2世コンドルカンキ)が現れ、蜂起。
    しかし捕らえられ、四肢断裂というむごい処刑を受け、この乱も鎮圧されてしまいました。
    インカは2度の迫害を受けたことを強く主張しているような説明文でした。
    ヨーロッパ絵画技術で描かれたインカ皇帝の肖像画は味があるというか、すごくリアルで、夜になったら声でも出しそうな感じでした。

第四部 マチュピチュへの旅
    巨大なマチュピチュの模型が展示されていました。
    神の目線でマチュピチュを堪能出来るので、これは面白いと思いました。
    本国ペルーの博物館にあるものより大きいんじゃないかな。
    この模型の見所は、いろいろありますが、
      1.ワイナピチュの裏側を横から見る
      2.ハイラム・ビンガムが這い登ったというマチュピチュ裏側の地形を堪能する
      3.ついでに月の神殿(ワイナピチュの麓あたり)も確認する
      4.分かる人はパチャママ神殿の生贄の石を探す(巨大な一枚岩)

【おみやげコーナー】
    相変わらずの民族衣装&小物など、定番アイテムの販売もありましたが、展示会のオリジナルキャラのグッズも充実していました。
    あとミイラとなったインカ王を御輿に乗せて運ぶ「あの絵」のアイテムがあちこちにありました。
    A4クリアファイルとか栞とか…。
    あとマラス塩田の塩もありました。もちろんインカコーラも!
    他には展示品をフィギュア化したガチャポンもありました。
    5種類中、3種類が「インカ皇統記」の挿し絵というのは、ちょっと手抜きですよね…。
    300円も払うのだから、パチャママ像とかせめてケロとか…可愛い物を出して欲しいです。

インカ展【ムーセイオンの特別メニュー】
    1日30食限定!
    「インカ帝国展記念特別メニュー「エスファド・デ・ポジョ風 鶏もも肉のスパイシー 焼きペルー風」

    <皿の構成>
    鶏肉+ソーセージ+トウモロコシ+さつまいも+ジャガイモ

    とりあえずインカっぽいと言えば、「トウモロコシ」と「ジャガイモ」ですが、もう一ひねり工夫が欲しかったです。
    鶏肉のソースに入っている「豆」はペルーっぽいかな…と感じました。
    肉はやわらかいし、トウモロコシは美味で味は大満足でした。
    できればインカっぽく冷凍ジャガイモ「チューニョ」にインカコーラを付けてくれたらもっと良かったのに…と思いました。

マヤへの道 古代メキシコ・オルメカ大文明

マヤへの道 古代メキシコ・オルメカ大文明
2010年10月9日(火)~12月19日(日)
古代オリエント博物館(池袋)

オルメカ文明展めずらしくオルメカ関係の文物がやってくるというので、さっそく行って来ました。
中南米というとマヤ文明やアステカ文明が有名ですが、その基礎となるオルメカ文明はあまり知られていないので、分かりやすい展示を心がけていたように感じました。


【入り口の様子】

すごく凝った演出になってました。
まず奥行きのある石の門を作り、その通路に草とか置いて、ジャングルの密林を思わせるような雰囲気を出してました。
私はポリネシアン・レストランの入り口みたいな印象を持ちましたが、なかなか良かったです。
その密林の中には、ジャガーの剥製が置いてあり、ジャングルにはこんな動物もいるんですよと説明されていましたが、どうせならオルメカ人はジャガーを神として見ていたことも説明してあったら、さらに良かったんではないかと思いました。


オルメカ巨石人頭像(サン・ロレンソ出土)

オルメカといえば、この大頭です。
タレ目がキュートです。

さすがにこれはプラスチック製のレプリカですが良く出来ていて、ちょっと見ただけでは本物のように見えました。
オルメカの大頭は色んなタイプがあるのですが、この像はどちらかというと細面系で、優しい印象があります。

プロローグ・マヤから遡る

    ここでは、写真と年表を駆使して、オルメカ文化というものを説明していました。
    1万2000年前、ベーリング海峡を渡って人間が新大陸にやってきましたが、中南米にまでたどり着いた人類が初めて文化を築いたのがオルメカです。
    ここで生まれた宗教やデザインは、マヤ文明にも大きな影響を与えていることを説明していました。

    一番興味深かったのは、マヤの長期カレンダーの起点が紀元前3114年となっていて、オルメカ文明の期間に食い込んでいることです。
    このことから、マヤ・カレンダーの基礎を作ったのはオルメカ人ではないかという説もあると紹介されていました。
    カレンダーを作るには天文知識も必要です。
    オルメカの人たちはすでに天文に対する知識を持っていたというのは驚きです。
    というのも、私がオルメカ遺跡を訪ねた時、彼らに対する私の認識は未開の原住民といった感じで、本にもその程度の説明しかなかったからで、今から思うとすいぶんと偏見を持ちながら見学していたんだな~とちょっと恥ずかしくなりました。


人々と自然オルメカ展
    なんか絵が大きくなってしまいました…。
    これはラベンダ遺跡(紀元前1000年~紀元400年)から出土した小さな土偶ですが、とっても可愛いので描いてみました。
    子供を軽々と抱える、たくましい母親の姿と子供のむっちりとした体つきが、とても印象的でした。
    私の他にも女性達が興味深く像を見てました。
    オルメカの像はつり上がった細目で、日本の縄文土偶に似ているせいか、親しみが湧きます。



会場に置いてあったスタンプです。なかなか可愛いです。


スタンプ神と主権(サンロレンソ、ラベンダ)

    緑色スタンプに描かれた像が現地から来てました。
    肌色の地がキレイな、なで肩の神の像です。
    ロス・サンダードス遺跡出土で、だいたい今から1200年前のものらしいです。
    こういう像はいかにもオルメカらしい形で、なかなか面白いです。

    このコーナーには、有名な「会議する人々」が展示されていました。
    複製ですが良く出来ていて、ほとんど本物と同じでした。
    オルメカ特有の赤ん坊顔と、いびつな頭骨の形が奇怪で、個々の像の立ち位置や像の岩質と背後の屏風岩の関係などを考えながら見ると、見飽きることがありません。
    この像は立ったまま、今見ている通りに出土したので、それだけでもオルメカ人たちの宗教観を考える上でも貴重な遺品だと思いました。

    ここでの目玉は「ひすいの仮面」です。
    高さ17センチ、幅14センチ、製作時期は紀元前1500~1000くらい。
    つるつると丁寧に磨かれていて、歯を見せている表情がキモイなーと思いました。
    ウエヤパン・デ遺跡で発掘された物です。

    ▼聖なる地「エル・マナティ遺跡」-紀元前1000年の遺跡
    ここでは、出土した石が展示してありました。
    これらは泉や水の湧くところで発掘されていて、その用途は未だ謎です。
    涙や水滴のような形の石がずらっと展示されていたのは壮観でした。
    ただ同じ形の石ばかりで興味ない人も多いでしょうが、磨き砂程度しか持たないオルメカ人たちが、ツヤツヤと磨き上げた石をどんな思いで埋めたのかと思うと、なかなか興味深いです。
    こういう物を見ると、中国の璧(へき)や日本の勾玉(まがたま)を思い出します。
    オルメカ人も私も同じモンゴロイド、石を愛でるポイントもやはり似るものなのかと、しみじみ思いました。
    こんなにあるんだから、一つくらいは触らせて欲しかったです。
    きっとウットリするくらいなめらかなんでしょうね。゚.+:。(´ω`*)゚.+:。ポッ

    ここでは天然ゴムのボールも出土しています。
    バレーボールほどのサイズで、見た目は真っ黒です。

    「こんなモノ初めて見たよ!」と、感動したのはオルメカの木製像です。
    高さは42センチもあり、全体は茶色にくすんでいます。
    頭の部分が少し欠けていたのが残念ですが、瞑想中の仏像のような存在感で、とても眼を惹きました。


交流と拡散
    オルメカオルメカ文化が影響を与えながら他の地域に広がっていったことを説明していました。
    一番面白かったのは、絵にも描いた、頭が二つある土偶です。
    なかなかキモイです。
    ちなみにこれは展示品を見ながら描いた絵です。
    いつもこんな絵をこそこそとメモ帳にスケッチしてます。



マヤへの道
    マヤカレンダーの解説がありました。
    日本で初公開の碑文もここに展示されていましたが、ちょっと目立たなかったです。
    「マヤの予言」が注目されているせいか、難しいカレンダー解説を熱心に読む人もいました。

【おみやげ】

久しぶりにおみやげ買いました。
生成の布にマヤカレンダーの歯車が描かれたエコバッグです。
300円と値段も手頃だし、使い勝っての良いA4サイズなので、資料を入れるにも重宝します。
そのほか、「オルメカ展に行って来ましたクッキー」もあって、なかなかの充実ぶりでした。

誕生! 中国文明

誕生! 中国文明
2010年7月6日(火)~9月5日(日)
東京国立博物館 平成館


誕生中国文明中国文明と言っても広大な領土を持つ中国のことなので、どの辺を中心にするかで展示の雰囲気も大きく左右されるのですが、今回は河南省をメインに中国の古い文化に焦点を当てて展示されています。

「夏」や「商」など、あまり取り上げられらない時代の遺物が来ているので、古代中国好きにはたまらない展示かと思います。
だがしかし、中国の文物って古い時代にデザインが生まれ、それをずっと受け継いでいることが多いため、時代が変わっても素人の目には古さも素材もデザインも全部似たように見えてしまい、ちょっと飽きてしまうこともありました。
今回はとくに人寄せパンダ的な目玉もなく、淡々と展示品が並んでいるので、その地味さが逆に売りかと思いました。


【入り口の様子】

入り口をふさぐように大きなパネルを置き、そこに河南省の地図がどーんと描かれていました。
あれを見て、河南省がどんな所なのかイメージ出来た人は少ないと思います。
できれば今の様子を映した現地の写真なんかも展示して、過去と現代のギャップをお客さんに感じさせても良かったのではないかと思いました。


1.王朝の誕生

誕生中国文明1-1:幻の初期王朝 夏(前2000年頃~前1600年頃)

    幻の夏王朝は紀元前2000年~紀元前1600年に栄えた中国最初の王朝と言われています。
    その時代の遺物はいきなり完成度が高く、どれもため息出るほどの一品ばかりでした。
    チケットに印刷されている緑色の『動物紋飾板』も、この時代のモノです。
    あの図は犬みたいな動物を真上から見下ろしているそうです。
    それを聞いて、子犬が腹をすかしてクタっとしている姿を想像しました。

1-2:王朝の確立 商・西周(前16~前8世紀)
    誕生中国文明ここでは「№17-じこう」という、妙な生き物の丼鉢を見なければいけません。
    というか、あまりの可愛らしさにイヤでも目に入ってきます。
    お腹がふっくらしていて愛嬌があります。

    次にオススメなのが、「№20-玉璧」です。
    一見すると普通の璧ですが、中央に開けられた穴に厚い縁が残されています。
    この縁を残すために職人がどれだけ苦労したのかなーと思うと、オススメしないわけにはいかなくなりました。
    説明文にもスゴイと書いてありました。


1-3 競い合う国々 春秋・戦国(前8~前3世紀)
    ここでは、「№39-六戈戟」が見所です。
    青銅製なのに長い月日を経たため、表面が石のように見えます。
    普通、緑青まみれになるのに、なんだか不思議に感じました。

1-4 大帝国の形成 前漢(前3~後1世紀)
    ここは特にないのですが、おなじみの「金縷玉衣」が横たわっていました。
    ただ寝ているだけで、ちょっと芸がないなーと思います。
    たまには、ビクっと動いて、お客さんを驚かしたりすると楽しいかもです。

第二部 技の誕生

2-1:暮らし

    誕生中国文明ここでは出土した土偶などを展示し、人々の生活を紹介していました。
    大きいモノは「№50-七層楼閣」が見所でしょうか。
    当時はこんな巨大な建物を建てる技術があったのかと驚きました。

    あと、「えっ!」と思ったのは、セミの丸焼き。
    「№52-炉」
    当時はセミを丸焼きにして食していたようです。
    土器のセミは丸々していて、確かに美味しそうです。


2-2:飲食の器
    特に目玉なし

2-3:アクセサリー
    「№81-トンボ玉」は必見。
    といっても割と良くみるデザインでどこが必見なのかというと、中国最古級のトンボ玉なんだそうです。
    それを聞くと、たいそうありがたく思えます。

第三部 美の誕生

3-1:神仙の世界

    中国の人たちは昔から仙人にあこがれていたようで、そのあこがれに関する品々が展示されていました。
    「羽人」と呼ばれる、天女の原型みたいな人たちは興味深かったです。

3-2:仏の世界
    見所は「№104-宝冠如来座像」です。
    展示物のなかで一番大きいです。
    龍門石窟から持ってきたモノで、良いお顔してました。

    あとは陶器が素晴らしかったです。
    白磁とか黒陶など、清楚な美しさがたまりませんでした。


3-3:人と動物
    「№127-1~4 4動物集合」が可愛いです。
    特に象と牛の丸っとしたところにドキドキでした。
    後漢時代のものだそうですが、この時代の人たちも小さい人形が好きだったんですね。

3-4:書画の源流
    誕生中国文明文字関係の一品が並ぶ中、なぜか笑ってしまうようなモノが展示されていました。
    「№146-青花塔形台付壺(唐時代)」
    子供のらくがきみたいで笑いました。


【おみやげコーナー】

誕生中国文明チケットに登場するヒヨコをモデルにした「マスコット」が販売されていました。
中国とヒヨコ…謎のコラボレーションでした。

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