遺跡馬鹿のイベント潜入記

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空想動物・神々の世界展

ファイル 17-1.jpg 古代モンスターワールドへようこそ!

空想動物・神々の世界展

古代オリエント博物館で開催 2004年7月17日~9月5日まで


▼夏休みということもあり大混雑のサンシャイン・シティ!
しかしこの博物館は階下の喧噪とは無縁の静かで涼しい空間でした。

実は初めて訪れた古代オリエント博物館ですが、小さな出土物をちんまりと展示してあり、その様子はまるで駄菓子屋の軒先みたいにバラエティ豊かでした。

▼今回の目的は、”自分の知らない異国の神様と出会う事”でしたが、ヨーロッパ方面よりアジア方面におもしろい神像がありました。
この展示室は狭いのですが、そこにズラリと世界の神様たちが勢揃いするのは、やはり面白い趣向だと思います。改めて見比べると、元は同じ神様でも、いろんな国に伝わっていくうちに姿かたちも変わってしまうモノなんだなぁ~と思いました。

■入り口の様子


メインキャラクターの『龍』の顔が印刷された、巨大で古そうな本の模型がドン★と置かれ、これから物語の世界に観客を誘いますよぉ~という趣向!
分かりやすくて良かったです。
その奥にはピラミッドの石写真を大アップにして、ドカドカとパネル張り!
その手前に小さめのスフィンクス(模造)が置かれ、なぜか気分はエジプトチック(笑)
スフィンクスの前には模型の本。開かれたページに「ごあいさつ」が書かれていました。

【ごあいさつ】

古今東西の考古遺物や美術作品には空想動物や神々の姿が数多く残されていますこの夏のひととき、それらにこめられた祈りや願い、畏れに思いを寄せ、古代の人々の豊かな想像力を実感していただければ幸いです。

会場製作は東京スタデオだそうです。お疲れさま!!


入ってすぐにオリエントの台所を再現したセットがありました。
個人的には置かれた雑器より柱とか天井とかが気になりました。
けっこう細い梁が渡してあって、本当にあんな細さで天井のドロを支えきれるモノなのかな…なんて疑問が…。


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ファイル 17-2.gif クレタのスフィンクス ★エジプト(特徴:自然を神とする)

ホルス、スカラベ、タウェレト(カバ神)を説明。
小さいけれど細工の細かい像が展示されていました。
羊の神は、ラー(太陽)、シュー(空気)、ゲブ(大地)、オシリス(冥界)の4つの神の性格を持つという解説にへぇ~!!


★地中海世界(特徴:動物同士の合体)

キメラやグリフィス、スフィンクスを紹介!
展示されているモノは主にギリシャで、スフィンクスにもいろんなモチーフがあることが分かりました。
クレタのスフィンクスは”巻き毛”なのが笑える!
エジプトのスフィンクスは「メネス」という布を被っているんですが、どこをどう間違えて”巻き毛”に変化したのかが興味深いです。

あと、ペガサス、トリトン、セイレーンなど優雅な神様が多いのも地中海あたりの流行りに思います。

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ファイル 17-3.gif ★西アジア(特徴:力の強いモノが尊ばれた)

一角獣や翼のある動物が多かったです。

←気になったのはファイアンス製の円筒印章
太陽の描き方が今と同じ! この頃から太陽はウニのようにトゲを身につけていたんですね。

小さな印章がいくつも展示されていました。
以前から気になっていた怪鳥(アンズー)はパネル付きで紹介されていて、個人的にご満悦!


注 『ファイアンス』とはガラス質の粉で焼かれた焼き物のこと。
少し透明感があり、加工するのも簡単に見えます。


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★南アジア(特徴:ギリシャ&ローマの神が土着神と融合)

南アジアコーナーに展示されていた展示物は石彫りが多かったのですが、それぞれ石の色が黒、黄色、赤と様々で場所によって石の色がこんなに違うことと、その色を利用して神を神々しく彫り上げた技術の高さが興味深かったです。

ここでの目玉はガンダーラから出土した「アトラス像」です。
筋骨隆々で、「あぁ~これなら天を支える事ぐらい出来そうだな…)と納得してしまいそうです。


アトラス=ギリシャ神話の中の神。世界の西の果てで天柱を支える。


個人的に可愛い(*^_^*)と思ったのは『共命鳥(ぐみょうちょう)』
極楽に住む鳥だそうですが、頭と尾がそれぞれ二つ。
でも身体は一つ。きっと素晴らしい声で鳴くんでしょうね。


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ファイル 17-4.gif  ★東南アジア(クメール、タイ、ミャンマー)

今から2000年前にインド商人のもたらす言葉や文字、物語、宗教、そして習慣までが伝わった。
アンコールワット等の遺跡から出土したものが多いので、青銅製の展示が多数。
「美貌のキンナラ」の像が美しい。

興味深いのは「キールティムカ」。シヴァ神が怒った時の姿で、あまりの凶暴さに自分の手足を食べて顔だけになったというのが笑える。
何かを諷刺しているんだろうが、ちょっと愛らしさを感じました。


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ファイル 17-5.gif ★東アジア(中国と韓国)

龍とか鳳凰とか仙人とか…割とおなじみの神獣ばかりが紹介されていた。

絵は鎮墓獣(唐時代)です。
唐三彩が有名ですが、これを観るたびに「中国らしくない神獣だなぁ…」って思います。
まさにシルクロードが生んだ化け物って感じですね。
暗いトコロで見たら卒倒しそうです。でも手足のもっちり具合は可愛いと思います。


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★★おみやげチェック★★

一般的な品揃えで、ここならではの笑える商品はありませんでした。
ネックレスなどの装身具が多め…かな。

この博物館…サイトが地味デザインで、そこが惜しい!

グラハム・ハンコックの謎の超古代文明展

ファイル 39-4.jpg

ファイル 39-1.jpgグラハム・ハンコック監修

謎の超古代文明展

新宿伊勢丹で開催中

ファイル 39-2.jpgおもしろかったところ
キーとなる遺物のレプリカがよく出来ていた。
特にティワナコの太陽の門の復元模型が秀逸!
門の裏側が気になっていた人、必見です。
それと与那国島の海底遺跡の完全模型。
これを見ると、グラハムがペルー・クスコのケンコー遺跡と同じだと言いたい気持ちは分かります。

だめなところ
▼全体的に説明不足というか、翻訳した文章を展示してあるだけなので、初心者には唐突すぎて分からないと思う。
一応、ビデオテープも流していたけど、スポット的で意味をなさない。
特に南極が描かれているという「ピリレイスの地図」に関しては、私でも「?」と頭をひねりましたね。
掲示されているパネルの説明が少なすぎ。

▼「マヤの予言」コーナーと次のフロアを区切る、くぐりアーチの上にある電光掲示板
「現在の時刻」「この世のおわりの時刻」「終わりまであとどのくらい」と親切に掲示してくれているのだが、誰も注意して見るモノ無し。
バルディビアの土器もイマイチ
あんまりインパクトがなかったです。

ファイル 39-3.jpg←本物のトトラ船



←エクアドル出土の土器と破片



で、感想は?
「今更、グラハム?」という感じですが、小学生とか見たらすっごくいいと思うのに、子どもの姿はまばらでちょっと残念でした。
視覚的にはおもしろいのですが、それを支える説明が難しすぎのような気がします。
与那国遺跡は地元のダイバーが見つけたのに、さも自分の手柄のように自慢するのはいかがなものかな?


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おみやげコーナー

何故か大英博物館の品々が売ってました。私も愛用している「ロゼッタストーン・マウスパッド」が
2500円くらい、ミイラの棺桶型筆箱(けっこう高い)など。
あとはおきまりの南米グッズ等々。

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