遺跡馬鹿のイベント潜入記

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マチュピチュ「発見」100年インカ帝国展

インカ展マチュピチュ「発見」100年インカ帝国展 The Inka Empire Revealed: Century After
2012年3月10日(土)~6月24日(日)
東京・上野国立科学博物館


久しぶりのインカ展なので初日に駆けつけました!
といっても当日は冷たい雨…でも多くのお客さんが来場していて異様な熱気に満ちていました。

まずはカハク内のレストラン「ムーセイオン」へ突入し、一日30食限定の特別メニューを食べました。
感想は下の方に書きますが、店に到着したのは11時30分頃。
すぐに席に案内されましたが、12時頃に食べ終わって外に出たら多くのお客さんが待っていました。
限定食を狙う場合は早めに行った方が良いですね。

インカ展【入口の様子】

エスカレーターを降りると、床にインカ道の写真が貼ってあり、それが入口奥まで続いています。
たぶんスタッフは思い入れたっぷりに写真を用意したのでしょうが、残念ながら混雑した入口では足下の写真に気づいている人はほとんどいませんでした。
でも私のように「おっ!」と思う人もいるし、スタッフの「入口から気合い入れてるぜ!という想いも感じられました。
しかし実際の入口フロアは、パネル壁と天井からつり下げられたディスプレイでビデオ垂れ流しという面白みの欠ける簡素さなので、凝ったデザインを楽しみにしていた私としては、ショボーン(´・ω・`)でした。

インカ展第一部 インカ 帝国の始まりとその本質

    インカ人が使っていた日用品などが展示されていました。
    色鮮やかな貫頭衣(ポンチョ)とか、チチャを飲むための専用カップ「ケロ」など、割と普通のモノが多かったです。
    その中で可愛かったのは木彫りの玉座です。
    ジャガーの体が座板を支えているのですが、その顔がちょっとユニークです。
    よく見ると歯の間から赤い舌が出ています。
    この舌のお陰で怖いジャガーも愛嬌たっぷりに見えます。


    インカ展ちょっと気持ち悪いモノを見つけました。
    ジャガイモをデザインした壺ですが、ジャガイモの芽が人間の目に見えて、まるで百目妖怪みたいです。

    このコーナーの最後には外科手術が行われたドクロ3つが展示されていました。
    人骨好きとしてはドキドキ楽しい展示品でしたが、四角く削り取られた頭蓋骨はちょっとリアルで痛々しく思いました。
    このドクロの面白いところは切り取った骨片も展示しているところです。
    この骨片で穴に蓋をしていたそうです。

インカ展第二部  インカ:帝国の統治

    ここの目玉は「ミイラ」でした。
    ペルー北部のチャチャポヤ遺跡で見つかった空中墳墓。
    そこから引き出したミイラを4体展示していました。
    前評判も高かった「眼球のあるミイラ」ですが、なんと女性のミイラだそうです。
    展示されているミイラはヒモで手足を縛られていて、体型が良く分からなかったので、てっきり男性だとばかり思っていました。
    ミイラの正面に立つと目が合うのですが、なんとも不思議な感じです。
    ガラスケースの奥行きが狭いので、ミイラと観客の位置がすごく近いです。
    なのでミイラの目をしっかりと観察することが出来ます。
    縛られているので、みんなムンクの「叫び」状態になっています。

    ミイラ達は指に金属の輪をしている者、漁労用の網を体に巻き付けている者など、生前の生活用品と一緒にミイラになっているのですが、その物のお陰で彼らが生きていた時の様子が浮かんできました。
    網を巻いていた人は海の男で、漁が上手で、きっと女の子にモテモテだったような気がします。


第三部 第3部 滅びるインカ、よみがえるインカ
    インカ王国最後の様子を丁寧に解説していました。
    インカ王たちも抵抗しましたが、最後の王様が処刑されインカは滅びました。
    …が、19世紀にインカ王の再来(トゥパクアマル2世コンドルカンキ)が現れ、蜂起。
    しかし捕らえられ、四肢断裂というむごい処刑を受け、この乱も鎮圧されてしまいました。
    インカは2度の迫害を受けたことを強く主張しているような説明文でした。
    ヨーロッパ絵画技術で描かれたインカ皇帝の肖像画は味があるというか、すごくリアルで、夜になったら声でも出しそうな感じでした。

第四部 マチュピチュへの旅
    巨大なマチュピチュの模型が展示されていました。
    神の目線でマチュピチュを堪能出来るので、これは面白いと思いました。
    本国ペルーの博物館にあるものより大きいんじゃないかな。
    この模型の見所は、いろいろありますが、
      1.ワイナピチュの裏側を横から見る
      2.ハイラム・ビンガムが這い登ったというマチュピチュ裏側の地形を堪能する
      3.ついでに月の神殿(ワイナピチュの麓あたり)も確認する
      4.分かる人はパチャママ神殿の生贄の石を探す(巨大な一枚岩)

【おみやげコーナー】
    相変わらずの民族衣装&小物など、定番アイテムの販売もありましたが、展示会のオリジナルキャラのグッズも充実していました。
    あとミイラとなったインカ王を御輿に乗せて運ぶ「あの絵」のアイテムがあちこちにありました。
    A4クリアファイルとか栞とか…。
    あとマラス塩田の塩もありました。もちろんインカコーラも!
    他には展示品をフィギュア化したガチャポンもありました。
    5種類中、3種類が「インカ皇統記」の挿し絵というのは、ちょっと手抜きですよね…。
    300円も払うのだから、パチャママ像とかせめてケロとか…可愛い物を出して欲しいです。

インカ展【ムーセイオンの特別メニュー】
    1日30食限定!
    「インカ帝国展記念特別メニュー「エスファド・デ・ポジョ風 鶏もも肉のスパイシー 焼きペルー風」

    <皿の構成>
    鶏肉+ソーセージ+トウモロコシ+さつまいも+ジャガイモ

    とりあえずインカっぽいと言えば、「トウモロコシ」と「ジャガイモ」ですが、もう一ひねり工夫が欲しかったです。
    鶏肉のソースに入っている「豆」はペルーっぽいかな…と感じました。
    肉はやわらかいし、トウモロコシは美味で味は大満足でした。
    できればインカっぽく冷凍ジャガイモ「チューニョ」にインカコーラを付けてくれたらもっと良かったのに…と思いました。