遺跡馬鹿のイベント潜入記

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特別展 世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画

特別展 世界遺産 ラスコー展 クロマニョン人が残した洞窟壁画
Lascaux : The Cave Paintings of the Ice Age

ラスコー展
2016年11月1日(火)~2017年2月19日(日)
国立科学博物館(東京・上野)

図録がとても秀逸なのでオススメです。
日本語でこんなに詳細に紹介されているものは他にないと思います。

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待ちに待った「ラスコー展」!
初日に駆けつけました!
朝から雨だったんですが、意外と多くの客が来ていました。
音声ガイドを借りて、じっくり見学!
この日はカメラを持ってこなかったので、次回は色々と撮影したいと思っています。


【入り口ホール】

    今回の主役「クロマニョン人」の母と子の人形が展示されていました。
    古代ケルト人のような印象がありましたが、ちゃんと専門家がデータを元に充実に復元した人形なのだそうです。

    発見当時の写真が残っています。
    珍しさも手伝って多くの観光客が洞窟に殺到したようです。
    アルタミラもそうですが人間が洞窟内に入るのは汚染物質を持ち込むことになるので、気をつけなければいけませんね。
    どこの洞窟も入場者を制限しているのは仕方ないです。


【体内めぐりのような展示】

    ラスコー展ホールに入ると「白モツ」のごとき展示物がポツポツと並んでいました。

    洞窟をスキャンし、空洞の形を理解してもらおうという苦肉の策です。
    なんとなく言いたいことは分かるが、しかしこれで洞窟の何が分かるか…という思いが。
    私は現地に行って(レプリカだけど)洞窟内を歩いて観て回ったのでイメージが掴みやすかったですが、行っていない人はこの展示をどう感じたか…気になるところです。




【道具類の展示】

ラスコー展2万年前の人がどうやって絵を描いたのか。
顔料や発掘された石器などが残されていましたが、小ぶりな石器は壁石に線を引くのに用いられたと思われます。
大きい石を持ち込んで、割りながら使い捨てていったのでしょうね。
暗闇を照らすランプが展示されていましたが、今でも十分使えそうな形に驚きです。

←<赤色砂岩><2万年前>

真横から見ると、真っ平ら!(是非、ガラスに顔を近づけて確認してみてください)
なぜこんなランプを平らにしたかったのか?
パレットとして利用することもあったのだろうか…謎ですね。

【洞窟の復元】

    ラスコー展
    普通の光 → 暗闇 → 輪郭の発光

    5面の壁画を印象的に演出していました。
    現地だと遠く感じる壁画も展示会なら近くで見られるのが良いです。

    <川を渡る鹿>
    大きい! そして”まつげ長い”

    <鳥人間の絵>
    牛の腹から腸が出ている!
    それを冷静に見つめる鳥人間…体が少し斜めなのが気になります。
    鳥人間をシャーマンだという説もあるそうです。
    生け贄の儀式でもしているのでしょうか…。
    しかしさすがの牛も腹から腸が出ていたら痛みで半狂乱でしょうね。
    そんな様子をこの暗黒の洞窟に描く意味とは!?
    井戸の洞窟にこの絵が残されていた事実を考えると、まさに「秘儀」の瞬間を描いたものなんでしょうね。

<クロマニョン人の豊かな生活>

    ドルドーニュのレゼジー村にある博物館からの遺物などが展示されていました。
    現地で見た懐かしい物たちとの再会はちょっと感動でした。

    ここに人骨の展示があるのですが、とても体格が良く、なんと175センチもあるそうです。

      カヴィリョーネ(イタリア)2万8000年前
      「アクセサリーをつけたクロマニヨン人」

    どうも古代人は小柄という印象があるのですが、実際は意外と大きいのかもしれません。

<第二会場 日本はその頃どうだった?>

    世界最古の落とし穴とか、3万年前の航海とかの展示など

<おみやげ>

    ノートやクリップ、クリアファイル、手ぬぐいなどありました。
    クリアファイル付きの前売り券を買ったのですが、このミヤゲ物屋で交換できました。

【総括】
ラスコー展
記念スタンプが押せるので手帳を持っていくと良いでしょう。

「アルタミラはどこ?」と聞いているオジサンがいました。
「世界の洞窟壁画一覧マップ」などを展示してあると喜ばれたかもしれません。

シネマというかビデオ上映をしているのですが、これがなかなか良く出来ていました。
コレを見てから少し戻って改めて展示物を見ると理解が深まります。
レゼジー村の紹介も欲しかったです。
クロマニョン人が洞窟でどんな生活をし、何を食べていたか、崖の家からどんな風景が見えたのか…など、紹介があっても良かったかも。

ラスコー展
おまけに訪問したときの看板をアップします。

グレートジャーニー展

【特別展】 グレートジャーニー 人類の旅 The Great Jouney この星に、生き残るための物語
2013年3月16日(土)~6月9日(日)
国立科学博物館 東京上野公園

【グレートジャーニー展公式サイト】  http://gj2013.jp/

今、人類史にとても興味があるので、この展示会が待ち遠しくてたまりませんでした。
さっそく初日に駆けつけました!
天気は良く、桜もチラホラ咲いていました。

『グレートジャーニー』といえば、1993年から放送された関野吉晴さんの特別番組を思い出しますが、今回の展示はその時の旅のダイジェスト版となっています。
当時番組を見た人は、展示を見ていると色々と思い出すこともあると思います。
私が一番に思い出すのは、関野さんがベーリング海峡をカヌーで渡る回でした。

人類の旅ということで、もう少し人類史に踏み込んだ展示があるのかと思ったら、民族学的な内容ばかりで、ちょっと物足りませんでしたが、干し首にミイラと、濃い展示物もあったので、十分楽しめました。

今回は写真撮影OK(干し首とミイラ以外)だったので、いくつか興味深いものを撮影しました。

熱帯雨林コーナー

このコーナーでの目玉は3体の『干し首』です。
こぶし大に縮められた人間の首が展示されているのですが、やはり衝撃でした。
10年前には普通に展示されていたのですが、その後、倉庫入りとなり、しばらく見ることが出来ませんでしたが、こうやって再会してみると、やはり貴重であり、面白いモノだなと思いました。
エクアドルのヒバロ族が作ったそうですが、あまりに外人に人気があったので、オミヤゲ用として量産されたという話もあるそうです。
私もエクアドルでいくつか見ました。
その後、海外の美術館でも見ていますが、ルーマニアの博物館にまで展示されていたのには驚きました。

骨を取り出し、煮て、皮を縮めたと聞きましたが、現代のハイテク機器CTスキャンで調べたら、後ろの切り口を丸っと縮めて縫っているとか、裏側から皮をなめしたり、クチビルの両端は縫い縮めてあるとか、いろいろと技巧をこらしてあることが判明しました。
しかし、そんな技巧で果たしてここまで縮まるのだろうか…と、なんども首を見ながら思いました。

あと面白かったのは関野さんが物々交換で手に入れた「槍」です。
アジアに鉄があまり広まらなかったのは「竹」があったからという説があるんですが、アマゾンの竹やりの見事さを見て、確かにこれでも十分に狩りが出来ると思いました。


高地コーナー

インカの吊り橋とか、子供ラマのミイラとか展示されていました。
このラマ、現地の市場でも見かけましたが、ちょっと炙ったら日本酒に合いそうだと思ったのはココだけの秘密です。
染色の展示は地味ながらインパクトがありました。
色の変化をつけるために「発酵したこどもの尿」を加えるとか…。
私も天然染料で染めたというミヤゲ物を持っていますが、これにも尿が加わっているかと思うとドキドキでした。


極北コーナー

氷点下40度という寒い地域でも人類が暮らせる理由が展示されていました。
トナカイの毛皮で作ったコートは氷点下でも寒さ知らずだそうで、これは試着してみたかったです。
こういったトナカイのコートは内陸部の民が着て、鮭やアザラシなどは海沿いの民が着るそうです。
セイウチを解体するビデオを流していましたが、肉厚ですが赤みは少ないなと思いました。


乾燥地帯コーナー

アンデスから世界最古のミイラが来ていました。
1~2歳の子供のミイラで、エジプトより古いということで興味深かったのですが、制作方法がちょっとすごいです。
内臓を取り出すのはエジプトと同じです。
…が、その後、「筋肉を削ぎ落とす」んだそうです…ヒイィィィ!!!!(゚ロ゚ノ)ノ
そして棒をあてて体をまっすぐにして包帯を巻く…。
立たせて祭ってあったのではないかという指摘もあるそうですが、無表情のお面が怖いです。


縄文号の旅と日本

インドネシアから石垣島まで旅をした船です。
ノルウェーでコンチキ号とラー号を見たばかりなので、とっても興味深かったです。

まず道具となる鉄の斧などを手作りするため千葉の海岸で砂鉄集めをしたそうで、その動画が面白かったです。
たたらで製鉄するところもこだわっています。
そうして出来た鉄器でインドネシアの大木をくりぬき、大きな船体を作る。
ヘイエルダールの筏と比べると居住スペースが小さく、船の安定性もやばそうですが、これで海を無事に渡ってきたことは驚嘆します。

アファール猿人復元プロジェクト
ナイナイの岡村さんがモデルとして協力しているだけあって、とっても良いモノが出来上がっていました。
メイキングビデオが面白く、2回も見てしまいました。

猿人なので顔は猿っぽいのですが、歩く姿は人間そのままです。
体はもっと毛むくじゃらを想像していたのですが、猿人にもなると体毛もこれくらいに減っちゃうんですね。
ちなみにこの像、毛は手で植毛し、傷まで描きこんであります。
右利きなのか右腕も心なしか逞しく感じられました。
こんな力強いお父さんの顔を見上げる子供も猿人とはいえ信頼という感情を感じました。
360年前の猿人を身近に感じられる瞬間でした。

【ムーセイオン 特別メニュー】

一日限定30食の特別メニューを食べるため、レストラン「ムーセイオン」に突撃です。

<メニュー>
タンザニア クク・チョマ風ローストチキンの煮込み
トマトとココナッツミルクの香草ソース
フライドフィッシュサラダ仕立て

骨付き肉だったので手を使う必要があるかと思ったのですが、ナイフとフォークで肉を骨から簡単に剥がすことができました。
ソースも美味しく、パンにつけて食べると美味でした。
どの辺が「タンザニア クク・チョマ風」なのかは分かりませんが、大満足でした。

【おまけ】
上野の松坂屋で開催中の「さくらパンダカフェ」へ帰りに寄ってみました。
カワイイゆるキャラと美味しいケーキ!
人類がたどり着いた、究極の癒しです!

   

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