もみじが散りすぎでしたが、静の舞と義経一行の姿が重なる演出はとても面白かったです。
予告を観たとき、正直、静の舞には期待していませんでした。
むしろ「またヘタなモノを観なきゃいけないのだろうか…」なんて危惧していたんですが、とんでもない誤解でした。
静の舞、そして歌がとっても染みてきて感動でした。
「奉納の舞を」と政子が言った時、「装束は? 楽は? 田舎の奉納舞とは違うのよ!」と切り返した静に、「その要望、受けて立つぜ!」と言い切った政子。
そのやりとりを観て、「うはぁ~女の戦いが始まるぅぅぅ」と、ビクビクしていたんですが、まさかの展開!
静の舞を政子が絶賛するとは!
この時、私のはぁとは政子に持って行かれました゜.+:。(´ω`*)゜.+:。ポッ
女が女を誉めるなんていうのは、演じ方一つで気持ち悪く感じてしまうモノもあるけど、今回の演出はサジ加減が良かったというか、政子のねじ曲がった性格があってこその演出だったなぁ~と思います。
政子を見直した回でしたが、静が良き舞を踊ったのに、殺した子のことをダシにして頼朝さんに「褒美を渡して云々」とささやく政子の毒に、やっぱり「鬼」を見ました。
静の母「磯禅師」、綺麗で強い母でした。
思えば義経と静は長く一緒にいたのに、義経が母に会うのはこの時が初めてだったんですね。
意外っていうか、現代風っていうか…。
娘に干渉しない母なのに、娘の考えているコトはちゃんと把握している…凄いです。
この母の忠告がなかったら、義経たちは都の大路で命を落としていたかもしれないですね。
でも禅師に「手助け無用」と言われて、悔し涙をためる義経の目を見てたら、もらい泣きしちゃいました…(つД`)
静が子供を取られて半狂乱になるシーンもグッときました。
石原さんのうつろな表情は目玉がガラスのように透明度が増して恐い印象になるんですが、そのせいか焦点が合う(正気になる)と凄味を増すので、今回のようなメリハリのある展開にはピッタリだと思いました。
政子に取りすがって、ガーガー言うシーンで、またもらい泣きでした…(つД`)
佐藤弟、絶命…。
次郎が後方で大泣きしているのが哀れでした。
来週はいよいよ勧進帳ですね。
私が初めて見た歌舞伎も勧進帳だったので、この話には思い入れがあります。
どんな展開になるのか、とっても楽しみです。