遺跡馬鹿の普通感想

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完全解凍!アイスマン ~5000年前の男は語る~NHK総合 2013年3月24日(日)

この番組で初めて「アイスマン」と対面した人もいると思います。
きっと、ビックリしたでしょうね…。
実物を見たことのある私でさえ、テレビのドアップを前にすると毛が逆立ちそうになるくらい怖かったです。

アイスマン5000年以上もの間、氷漬けになっていたので毛も抜け落ち色もアメ色になっているので、乾いて包帯巻のミイラを想像していた人は面食らったと思います。
酒のつまみで似たような色の薫製を食べたりする人は、「おいしそう」と思ったかもしれません。

一体、いつ完全解凍したのだろうと注意して番組を観ていたのですが、具体的な日にちは紹介されませんでした。
ネットで調べてみると、どうやら2011年11月に調査を行ったようです。
私は2010年にボルツァーノを訪れているので、ギリギリ解凍前のアイスマンと対面できたようです。

ミイラフェチで色んな国のミイラを見ている私ですが、このアイスマンだけは実物を見た方が良いと思います。
とにかくただ眠っているようにしか思えない風貌なのです。
酒焼けしたおじいさんが寝ているだけといえば分かりやすいかも。
私はガラス越しに何度も「誰もいないから、ちょっと起きてみない?」と、ささやいてしまったほどです。

阿部ちゃんとアイスマン
テルマエ・ロマエの影響なのか、阿部ちゃんが古代史番組でナビゲーター!
予想以上に好演で、すごく良かったです。
ガラクタが散乱している部屋も面白かったですが、古代史好きって部屋が散らかっているイメージがあるのかな~と番組を観ながら思いました。
途中で雪山のセットに変わりましたが、あれはどうやって撮影しているのか気になりました。
雪を踏む音も入っていて、とっても臨場感がありました。


今回のメインは3つありました。

・胃
・脳
・入れ墨

・胃の調査では当時の食事についての発見がありました。
ハーブを使っていたり、動物を食べていたりと、さすがグルメのイタリア人だと思いました!
すでにパンを食べていたことも紹介されていました。
昔は冷蔵庫がないので食料を日持ちさせる技術に長けていたと思いますが、他にはどんなモノを食べていたのか気になります。

・脳をあけて組織の一部を取り出していましたが、つぶつぶ感が「たらこ」みたいでした。
出血している場所から顔面横を殴られたことが判明!
どうやらこれが致命傷になったみたいです。
以前は弓矢か槍で刺されたのが致命傷と言われていたので、これは新たな発見でした。
肩に残されたやじりは小さいのに、あれだけでも大けがを負わせることが出来るそうで、古代の人はどこへどうやって刺せば殺せるか熟知しているんだと感心しました。
どうしてアイスマンは追われる身になったのか私も理由を考えてみましたが、泥棒でもしたのかな~という結論しか見つけられませんでした。

・入れ墨の位置が中国の鍼灸と同じだと力説していましたが、それはどうでしょうね。
鍼灸のツボは体中にあるから、どこに入れ墨を入れても「そこは鍼灸のツボと同じ位置」と言えてしまうと思います。
私はむしろ形に意味があるような気がします。
あれは特別な「数」をあらわしているんじゃないかと。
祖先の数とか、家畜の数など、色々。

腕が変な形に曲がっている理由も説明していましたが、これは大いに納得しました。
犯人は乱暴にアイスマンを裏返しにし、槍を抜いていったんですね。
そしてそのまま見捨てて置き去り…。
アイスマンへの憎しみを感じました。


今、南チロル考古学博物館の公式サイトに行くと復元されたアイスマンの姿がトップに掲載されています。
昔は博物館の展示スペースをぼんやり載せていただけなのでずいぶんとオシャレになりました。
といっても私としては復元された顔を前面に押し出されると、ちょっと抵抗感があります。
丸坊主のアイスマンを思い出しながら、あれこれ自分で想像したいです。


アイスマンは再びマイナス6度の保冷庫に戻されたそうですが、完全解凍された後はどんな状態なのか気になります。
お腹はペッコリ凹んでしまったかな?
最後にアイスマンを溶かした水はどうしたのか知りたいです。
どんな臭いがするのか、嗅いでみたいです。

SPACE BATTLESHIP ヤマト

SPACE BATTLESHIP ヤマト

実写化の話を知った時はどうなることやら…と思い、キムタクが古代くんを演じると知った時は、「えぇ~(´・ω・`)」でしたが、最初から最後まで楽しく、ハラハラしながら堪能しました。
おまけに最近は涙もろくなったため、いろんなシーンで胸が熱くなりました (´;ω;`)

今回は佐渡先生が女性だったり、森雪がパイロットだったので、「女性が強くなった」みたいな感想もあるようですが、私はあまりそうは感じませんでした。
佐渡先生は猫と酒がないと精神が安定しないような印象を受けたし、雪は酒をガンガン飲んで仲間に絡んでみたりと、すごく情緒不安定に見えました。
でも彼女たちの清潔感と何か持っていそうな存在感は観ていて好印象でした。
雪は茶髪で痩せた印象が強かったので、黒木メイサの雪を観た時は、「太い」と思ったんですが、パイロットならあれくらいの重さがないと操縦桿も握れないだろうと思い、ガタイの良さが逆に軍人ぽくて良かったなと思いました。

古代進を演じたキムタクですが意外に良かったです。
横柄で揚げ足取りで、それでいて人望がある…アニメの古代くんとはかなり違いますが、でもせっかく実写にするんだからアニメの性格をなぞる必要もない訳で、私はキムタクの古代くんは十分に魅力があったと思います。
キムタク古代が通信室で孤独を噛みしめているところとか…、第三艦橋を雪に撃ち落とせと命令しちゃったせいで雪が苦しむ姿を見るところも上手に演じているように思いました。
クサイセリフも似合っていて、雪を落とす(恋愛的に)ところはサスガだなと思いました。

もっとも残念だったのは、ガミラスとイスカンダルの関係が良く分からなかったことです。
ガミラス星人ってあのカマキリ人がそうなんだろけど、デスラー総統やスターシャを期待していた私には、かなりの衝撃でした。
おまけにあんなにワラワラ出てくると、「スターシップトゥルーパーズ」を思い出します。
あの人数をヤマトの乗組員でどうにか出来るわけがないと思っていたら、アナライザーがいきなり登場して殺戮マシーンと化すのもオイオイでした。
真田さんが人より多めに弾丸くらったりしたシーンも (´;ω;`) でした。

私はブラックタイガーチームの山本さんが好きで、彼のぬいぐるみを作ったほどお気に入りのキャラでした。
今回の実写化でどんな人が演じるのか楽しみにしていました。
思い切りイケメンで嬉しかったです。
最後、攻撃を受けて落ちていくシーンはアニメと同じでグッときました。
彼は最後までカッコ良かった!

ヤマトはとっても美麗で、砲塔をひらいて敵艦隊をバカスカ撃つところは観ているだけで楽しかったです。
戦闘機もそうだけれど、動く物体を打ち落とすというのは大変なんだろうが、敵の姿が見えない空っぽの空間に向かって玉を発射するっていうのが新鮮に感じました。
「ヤマト発進!」はやはり胸が熱くなりました。
波動砲を撃つとき、対閃光用のメガネをかけるんですが、あれが程良くダサくてそれもヤマトらしかったです。
そういえば第一艦橋は狭かったです。

遊星爆弾が落とされるようになって5年、人類は地下に逃げ延びていましたが、ネズミみたいな生活を強いられていて、これは大変だなと思いました。
他の国はどうなっているのか気になりましたが、きっと他もあんな感じで穴蔵生活をしているんでしょうね。

最後はヤマトと古代くんが体当たりすることで地球を守りましたが、あれは残念な最後でした。
できれば生き延びて生まれ変わった地球を観て欲しかったです。

命の認識

2009年12月19日~2010年3月28日
東京大学総合研究博物館


死産した子象が丸ごとホルマリン漬けになっている写真に魅きつけられ、東大まで行って来ました。
東京大学に足を運ぶ時はだいたい「骨」関係なのですが、今回は想像以上の分量があり、そして死骸が山盛りあって、とても楽しい展示でした。
写真もOKということで、色々と撮影させていただきました。

子象のホルマリン漬けは透明な水槽に入っていました。
標本の良いところは近くでじっくり観察できることですが、近寄って下を向いたら、あらビックリ!
はみ出た内臓が下のガラスに写りこんでました。
解剖した後、中身を戻して縫い直したりしないんですね。

隣には灰色のボロ雑巾を干したような感じの展示物がありました。
キリンの死産標本ですが、あまりにボロボロで説明されないとなんだか分からない状態になってました。
でも、こういった状態のモノを見られるのも展示会の良さなので、じーっくり観察してきました。

メインは広い台に乗せられた骨たちでした。
みんなコッチ向いていましたが、圧迫感はありませんでした。
やはり目玉がないと、たくさんの骨に見つめられても、特別に意識したりすることはないものだと思いました。

面白かったのは、背骨みたいな骨の行列。
写真を撮ってみました。
どうしてこんな形になっているんでしょうね。
手足の生えた動物みたいです。

他には解剖道具とか死骸を入れる冷凍庫なんかも置いてあって、作業場の雰囲気を感じる事が出来ました。
欲を言えば解剖の様子をビデオで流すなんてのがあっても良かったかも。

超劇場版ケロロ軍曹 誕生!究極ケロロ奇跡の時空島であります!! 2010/03/01

物語の舞台がイースター島と聞いて、さっそく観に行ってきました!
ケロロ軍曹の映画を観るのは今回で2度目です。
前回はマチュピチュが舞台だったので観に行きました。
ケロロ軍曹は遺跡が舞台の作品が多いような気がします。

写真は劇場で売られていたストラップです。
色んな種類があったのですが、遺跡好き・モアイ好きな私は迷わずコレを買いました。
すごく良く出来ていて、モアイの表情も渋くてカッコイイです。
その横にちょこんとしがみつく軍曹の可愛らしさも気に入りました。

物語のほとんどはイースター島が舞台でした。
原作者がイースター島までロケハンに出向いているため、街の描写などがとても正確でした。
劇場で冊子をもらったのですが、その中には原作者・吉崎観音さんの現地スケッチなどが掲載されていたのですが、海を背にして立つモアイのラフスケッチが良い味を出してました。
やはり写真よりスケッチの方が感動を伝える道具としては最高だなとその絵を見て思いました。

話の鍵を握る存在として登場する島の良い精霊「マナ」と悪い精霊「アクアク」のキャラ設定が上手で、ちょっと驚きました。
イースター島に行くとモアイよりも島の人たちが信仰している精霊たちの存在を強く意識させられます。
モアイが立っている土台は神の領域だから乗ってはいけないとか、島には鳥人と呼ばれる神がいたとか、カルデラ湖に近づくと悪霊に引っ張られて湖に落とされる…などなど、モアイの存在よりも目に見えない精霊の方が何倍も身近に感じ、またちょっと怖く感じることもありました。
それだけこの島に残る精霊信仰の強さを物語るのですが、映画も主役はモアイではなくイースター島にいる精霊を主軸にして、自然から生まれたボウフラみたいな彼らを可愛く、賢く、勇敢に描いているところがとても好感を持ちました。

悪役の「アクアク」も自然神らしい横暴さと冷酷さがあって、これも良いなと思いました。
最後にはモアイが眼からビーム出すんですが、モアイの眼には魔力があるという島の伝説を上手に生かしていて、絵としては笑えてしまいますが、すごく神聖な気分にもなれるラストでした。

ケロロたちのドタバタも可愛くて、友情や悪に負けない心も学ばせてもらいました。
次はどんな遺跡を舞台にしてくれるのか、次回作がすごく気になりました。

渋谷に古代エジプト美術館がオープン

渋谷に古代エジプト美術館がオープン


古代エジプト美術館 The Ancient Egyptian Museum, Shibuya, Tokyo
「菊川コレクション」で有名な菊川匠氏が館長を務めるテーマパーク・スタイルの古代エジプト専門の美術館
2009年7月25日オープン!


オープン初日に行って来ました。
場所は渋谷。良く晴れた日でした。
開館時間は12時。というわけで、ほぼ時間ちょうどに行ったら、入場者1番目でした。
テレビ局が取材に来ていたりして、注目度の高さを感じました。


テーマパーク・スタイルというので、一体、何が待っているのかとドキドキしていましたが、眺めるだけの美術館ではなく、宝探しの冒険が体験できたりするので大人の私も興奮でした!
展示は広く浅くという感じなのですが、お客さんに興味を持ってもらえるように工夫されているので、エジプトの事をあまり知らない人でも楽しめると思います。
小学生くらいの子なんか大喜びしそうだなと思いました。


他の美術館と違うのは学芸員さんが自分に付き添ってくれるところです。
一緒に回って展示物を説明をしてくれるので、自分では見落としてしまうポイントもしっかりチェックできます。
発掘に使う道具も展示してあり学芸員さんがそれらについても説明してくれるので、考古学に興味がある人は更に楽しめると思います。


菊川コレクションについて
横浜の展覧会でも拝見しましたが、本当にどれも素晴らしいものばかりでした。
この日は菊川さん本人も会場にいらしていたので、握手してもらっちゃいました(ノ∀`*)キャー♪
色々とお話しもうかがったのですが、私はテンションが上がりすぎてバカな話ばかりしてしまい、とっても後悔してます。
菊川さんが今研究しているというガラス成分の分析論文までいただいてしまった身の程知らずです。
でも読んでみたらとても興味深かったです。
成分を調べることで当時の交易ルートも分かるし、他国との製造法の類似までたどれれば、古代エジプトの美を支えた職人さんたちの動きも分かるようになるので、菊川さんには是非頑張って欲しいと思いました。


その他
靴を脱いでスリッパを借りて館内を歩きます。
美術館はビルの8階で、大きな案内は出ていないので地図はしっかり頭に入れていきましょう。
入り口には優雅なソファが置いてあり、そこで美術館の案内ビデオを見ます。
調度品がどれもアンティークで素晴らしいので、エジプトの遺物を見終わったら、次はそっちを堪能してください。
入り口で何か売っていたのですが、帰りは菊川さんに見送られるという状況だったため、恥ずかしさのあまり周囲を見る余裕がありませんでした。
でも確かに何か売っていたようでした。

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