遺跡馬鹿の普通感想

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【TBS世界遺産】 アウシュヴィッツ強制収容所(2006年8月27日放送)

アウシュヴィッツ強制収容所より、列車と線路と車輪 ばかりが映されていて、ちょっと乾いた笑いが出てしまいました。
列車に連れてこられた人たちの不安や恐怖を伝えるための手段として列車の映像を使いたいのは分かりますが、とにかく多すぎます。
スタッフの中には鉄道マニアさんでもいるんでしょうかね。
線路よりもっと映さなきゃいけないモノがあるのに…不思議に感じました。

私がアウシュヴィッツ強制収容所を訪れたのは昔のことなのですが、「処刑広場」や「3段ベッド」そして「取り上げられたカバン」は、今でもよく覚えています。
特にカバンは映像ではショボく映されていましたが、実際は数の多さに圧倒され、また古くなった皮の持つ臭気が、ガラス越しに伝わってくるようで心底ゾッとしました。
「切り取られた髪の毛」も紹介されていましたが、三つ編みをザックリと切られた人の無念が伝わってくるようでした。
その毛で絨毯を織ったり、靴下作ったり…まさに狂気とした言いようがありません。

ガス室…私の記憶より広かったです。
入口から見える2本の巨木が陰鬱な雰囲気だったことを覚えています。
中に入った瞬間は広さと明るさにホッとしましたが、やがてこの場所で多くの人が亡くなったことが思い出されてきて、隣の焼却炉室に逃げ込みました。
最初私は、この炉はガスを発生させる装置かと思って中まで覗いたりしていたんですが、「人を焼いていた」と聞かされ、かなりビビりました。

当時の生き残りの方たちが証言していましたが、当時の過酷な生活を言葉で伝えるのは難しいだろうな…と感じました。
何かを話そうとするたびに思い出が邪魔をして言葉にならないような感じがしました。
私は以前、『夜と霧(ヴィクトール・フランクル著)』を読んで、死が迫っていると分かっていても希望を捨てないことの素晴らしさをこの本から教えてもらいました。
この名著を紹介しなかったのも残念でした。

ゲートの手前にミヤゲ屋があって、私はそこでバッジを買いました。
今でも残っているのかな。

ネタバレ 【ダ・ヴィンチ・コード-吹き替え版】を観てきました!

ファイル 16-1.jpg観る前にいくつか不安なコトがありました。
それは、

   :本を読んでいないので、どれくら理解できるか?
   :2時間30分という長さにお尻は痛くならないか、トイレは大丈夫か?

…でしたが、大丈夫でした。

理解しているかに関しては疑問ですが、一度も眠くならなかったし、むしろ短いとさえ感じてしまいました。
根っからこういうテーマに興味があるからかもしれません。

この映画の影の主役、「ルーブル博物館」のガラスのピラミッド。
入場口になっているので私も入りましたが、「逆ピラミッド」があったなんて知らなかったです(つД`)
映画で確認すると、2つのチケット売り場の真ん中奥にひっそりと設置されていて、「あれじゃ~気がつかないよぉ~」とツッコミました。
そもそもルーブルのチケット売り場なんて、人より早く券をゲットしようと恐ろしい形相で観光客が闘いあっているので、悠長にホールを観察しようとする暇さえないのが現実…。
まぁ…本を読んでいなかった私が悪いんですよね…。・(つд`)・。


【感想】
「キリストは結婚していた! そして子供もいた!」
衝撃的な内容で教会関係者もこの内容にはしょっぱい感想を持っているでしょうが私には面白い話でした。
ただ「聖杯」が器ではなく、「女性」を意味していたという説は確かに面白いですが、そのメッセージをダ・ヴィンチが作品の中に埋め込んだ理由がしっかり説明されてなくて、ちょっと???でした。

ルーブル美術館館長がダイイング・メッセージを残そうと、ダヴィンチの絵画にメッセージを書くため館内を歩き回ったり、全裸になって身体に五芒星を描いたりしてました。
ピストルで撃たれたわりに活動的だったのはそれだけ手間をかけないと敵に大切なモノを奪われてしまう恐れを感じていたんでしょうね。
秘密金庫の鍵、マリアの遺体への地図…そしてキリストからの血脈がすべて記録された古文書たち…。
なんの見返りもないのに「指命」ということで命を投げ出す騎士の子孫達の存在も感動的でした。

聖書が書かれた経緯を説明するシーンは自分も知らなかったことなので興味深かったです。
今まで聖書は福音書の寄せ集めだと勝手に思いこんでいたのですが、そうじゃないんですね。

飛行機で、リーじいさんがラングドンに「歴史の中に自分がいられることが嬉しい」とかなんとか言って感謝するシーンがあるんですが、これにはグッと来てしまいました。
自分が追い求めてきた世界にリアルタイムで関わり合うことが出来るなんて最高の瞬間ですよね。
「くそ! 泣けるぜ!」なんて思ったのに、最後に裏切りやがって!! 「流した涙を返せ!!」って思いました。

ルーブルの逆ガラスのピラミッドの下に本当に「マグダラのマリヤ」は眠っているんでしょうか?
本当のルーブル館長さんに問いただしてみたいです。

ソフィーたちを狙うシオン修道会のおじさんたちの目的がイマイチ分かりにくかったです。
血族を殺す…のは理解できましたが、お金を用意するのはどうして??
「手数料」という名目らしいですが、なんの手数料か聞き逃したみたいです。

【というわけで…】
ラングドンが最後に言った、「キリストが人間でも構わない。奇跡を起こす人間がいたって不思議じゃない」とかなんとか…。
私もそう思います。
大切なのは理解しあったり、尊重しあったりすることだと思うんですが…でもそれが一番難しいんでしょうね。

「両国にぎわい春祭り」で熱きちゃんこ対決!!

相撲に目覚めた今日この頃。
GWに面白い祭りがあると聞きつけ行ってきました!

「両国にぎわい春祭り」
 ・フリーマーケット&古道具市
 ・ちゃんこバトル「老舗・名店のちゃんこが1杯500円で食べられる」
 ・国技館で相撲体験

ファイル 15-1.jpg ファイル 15-2.jpg


さて、気になる「ちゃんこバトル」ですが、2部屋のちゃんこを食べてきました!(ゲフー)
味は「ちゃんこ巴潟」のほうがコッテリ味で美味しかったです。
ブタの脂身がとろけてました~。
反対に「ちゃんこ江戸沢」は野菜が多めの、「野菜鍋」で薄味さっぱり風味でした。
他にも「ちゃんこ屋台」が出てましたが、行列がすごかったです。

国技館へ行ったら、なんとテレビでお馴染みの相撲取りたちが稽古をしてました。
その中に私の応援する「白鵬」がいました!!
テレビで見るより肌がツヤツヤでした。
予想外だったので驚きました。
土俵の回りには横綱や栃東関もいて、ドキドキしてしまいました。

ファイル 15-3.jpg■多くの人が見学していましたが、お相撲さんの息づかいやぶつかる音がちゃんと二階席まで届くのには驚きました。
声もよく聞こえました。
ぶつかり稽古の時、「ぶしゅーぶしゅー」って息を吐きながら、相手の胸に力をぶつけていく迫力には痺れました。

というわけで、二階席から撮った写真です。
憧れの力士が写ってます。
とにかく白鵬を中央に撮りたかったんですが、これが精一杯です。
白鵬は背中がキレイでした。
思ったよりスッとしていて、肉が少なかったです。
後ろ姿を一目見て、「白鵬だ!!」って分かりました。
7日からの五月場所もガンバって欲しいです。

アフリカの骨 縄文の骨 「古い人類の頭蓋骨がイッパーイだよ展」

ファイル 14-1.jpg今、ネアンデルタール人に萌え萌えなので、興味津々で行ってきました。

場所は、東京大学総合研究博物館

東大へ行くのはこれで2度目です。
今回は時間に余裕があったので、安田講堂や三四郎池、購買部なども観てきました。
土曜日の東大はカメラを首から提げた観光客ばかりでした。
購買部ではハングルのお嬢様軍団がなにやら東大グッズコーナーで買い物中でした。
どんなお菓子を東大生は食べるのかな?と思って菓子棚に行ってみると、なぜか5段棚にズラッと「ビックリマンチョコ」が…。
「大人気!」とPOPまで付いてました。
ちょっと意外でした。

閑話休題


ファイル 14-2.gif人類の進化について紹介してある本は、数冊読みましたが残念ながら、どれもお経のように感じました。
その理由は…個々の名前がおぼえにくい…。
とにかく猿人や原人たちの名前が長ったらしい「カタカナ」表記ばかり。
思いつく名前を挙げてみると、アウストラロピテクス・アファレンシスとかホモ・ハイデルベルゲンシスなどの名前がズラズラと…。

今回、行って良かったと思ったのは、名前だけしか馴染みがなかった特徴ある頭蓋骨が拝めたことです。
化石で見ると確かに少しずつ進化の度合いによって頭の形が違うことが自分でも理解できました。
人類と猿人では本当に頭の形が違う。
よく、脳味噌の大きさが引き合いに出されますが、確かに猿人と現代人では頭蓋骨の大きさがちがうことが分かりました。

ファイル 14-3.gif展示会場は、とても素晴らしい展示空間となってました。
オシャレ! クール!!
入口の案内板には「ミュージアムとテクノロジーのコラボ」を意識したという説明がありました。
こういうコラボは大歓迎ですが、しかし奇をてらいすぎて、かえって玉砕する…というパターンが随所に見られました。
特に今回の展示の最大の目玉、「ラミダス猿人の歯の化石」の展示はちょっと残念。
絵にしてみましたが、なんで足下に置いてあるの?
これじゃ、しゃがまないと読めません。

骨がチンパンジーたちからどれくらい進化した位置にあるのかを説明する展示方法などはとっても分かりやすかったです。

縄文人の頭蓋骨がたくさん展示されていました。
これは「縄文人と言っても、個体差がこんなにあるんだよ」というテーマを持って並べられた物で、いわれてみると、顔の大きいの、幅の広いのといろいろありました。
今よりもガッシリとした足の骨なども展示されていました。
人骨マニアな人にとっては楽しい空間なのですが、整然と並んでいると、つまらない気もしました。
確かに主催側のテーマは「骨も資料」ということで、あっさりと物のようにクールに展示しているのですが、やっぱり私としてはもっと土臭い物も欲しいな…と思いました。
5体分の遺骨が出土したジオラマも良かったんですが、なんか説明が無機質で味気なかったです。
骨から人間ドラマを感じ取ってもらうというのは難しいものなんだと思いました。

ファイル 14-4.jpgおまけの写真は、東大のニャンコ。

【覚え書き】
東京大学総合研究博物館開館十周年記念特別展示
『アフリカの骨 縄文の骨』
遙かラミダスを望む
化石の研究は、ロマンの追求ではなく、過去の真実解明へのあくなきチャレンジである
2002年11月26日~2006年6月9日
~エチオピア国外・世界初公開~
ラミダスヘルト(レプリカ)

【映画感想】 単騎、千里を走る 高倉健主演

この作品、どうも評判が悪い。
特に高倉健さんの滑舌がダメとか話が陳腐とか、面白くないとか…。
私はすっごく良い作品だな~と思ったので、そこら辺をちょっと書いてみます。

■高倉健さんといえば、中国では知らない人がいないくらい超有名な日本人です。
中国人の小娘でさえ、「男子漢-男らしい」と高倉健さんを絶賛します。
この男らしいの意味はズバリ「寡黙」だと私は思っています。
一般的に中国では感情表現が男性であっても豊かで、泣いたり、笑ったり、その様子はたとえジーサンであっても無邪気だな~と思わせるものがあります。
そんな彼らからすると、感情をグッと抑える高倉健さんの演技には何か惹かれるモノがあるらしい。
日本人には見えないけれど、中国人の目には見える何かが、この「単騎、千里を走る」の中に宿っていると私は思いました。

高倉健さんの「寡黙」は滑舌の悪さを誤魔化すための隠れ蓑…と指摘する人もいますが、これが彼の持ち味なんだもの…。
そこを批判するのは論点がズレていると言わざるを得ないし、何も役者だからと言って滑舌シャキシャキする必要もないと思う。
イーモウ監督が高倉健さんを選んだのは、感情を前に出す中国人と押し殺す日本人の違いを主軸に親子の情を描きたかったということだと思うし、私はずっとその対比を楽しんで観てたから、見終わった後も男親の思いの深さに感動しました。

■演出の巧みさで面白かったのは、息子の嫁から渡されたビデオテープを観るために、高倉健さんがわざわざビデオデッキを購入したシーン。
たった一本のテープを鑑賞するためにだけですよ…。
近所の人にでも頼んでちょっと見せてもらえばすむことなのに、人に頭を下げるのがイヤなのか、そもそも誰かに頼ることを由としない性分なのか…。
私はこのシーンで高倉健さんが本当に一人なのだと理解しました。
そんな高倉健さんが息子のために中国へ行き、若い通訳のお姉さんやガイドの兄さんに頭を下げまくり、必死になって助けを求める…。
必死なんてもんじゃない! なりふり構わずに、突進していく姿に狂気すら感じるほどでした…。
まさにこの健さんの豹変ぶりが、この映画の見どころでした。

■あと、良いな~と思ったのはラストシーン。
中国から帰国した高倉健さんが海辺に一人でたたずんでいるんだけど、奥さんも息子さんも皆死んじゃって、本当に一人になってしまった男の背中が良かった。
最初の頃にちょろっと出てくる背中と違って、ラストの背中は軽そうに見えました。
これは中国で出会った人や出来事が、氷のような彼の心を溶かしていった結果だと思うと、なんだかホノボノとした感情が湧いてきました。

その他、中国の自然、役者さん達も良かった。
田舎のなまりも良かったです。