遺跡馬鹿のイベント潜入記

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【金GOLD-黄金の国ジパングとエル・ドラード展】

ファイル 44-1.jpg【金GOLD-黄金の国ジパングとエル・ドラード展】
KIN ☆ ZIPANGU and EL DORADO Land of GOLD
日本・コロンビア外交関係樹立100周年記念

国立科学博物館 2008年7月12日~9月21日

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金だらけ

金を中心に繰り広げられる展示会ということで、さっそく初日に突撃してきました。
なじみのある貴金属 「金」 が人類の歴史でどんな風に発見され、どんな風に加工され、人間を魅了してきたかが分かりやすくまとめられていて、大人も子供もワクワクの内容になっていました。

今回はコロンビア国との外交樹立が100周年を迎えたということで、ボゴダにある黄金博物館からの展示品が海を渡ってやってきてました。


いりぐち

正面ゲートに掲げられたスクリーンでは、「シルクロードを旅したマルコポーロが出会った黄金の国 ”ジパング” 」のイメージフィルムが流れていました。
日本人なのに、そこに出てくるジパングはまるで日本じゃないような感じで、「あぁ…日本を旅したい」と思わず思ってしまう内容でした。


ファイル 44-2.gif金の素顔! オレは輝くだけじゃないんだぜ!(゚∀゚)ノ

最初のフロアで金の特性を紹介していました。
金に酸をかけると変色するよ!とか、金糸にすると、こんなに伸びるとか金箔にするとこんなに薄くなる!…とか。
そんな金の色んな顔の中で、最高にカッコ良いのは「重いこと」
同じサイズの「アルミニウム」→「銅」→「銀」→「金」と並べ、それぞれ直に触って持ち上げることができました!

いやぁ~ホントに金って重いんですね! 笑っちゃうほどビクともしませんでした!

その中で大サービスだったのが、デカイ金塊をナデナデできるコーナーがあったこと!
金のなめらかな肌に触って、みんなウットリしてました。


天然金の世界

世界で発見された「金」の展示が面白かったです。
すでに溶かされてしまった伝説の巨金「ウェルカムストレンジャー」はなんと重さが75kgもあったとか。
そんな金がゴロっと土の中から顔を出したら、ビックリするでしょうね。
巨金には面白い名前が付けられていることを知りました。
 +バニヤップナゲット
 +ライオンハート
 +ゴールダサウルス
 +ニューモント・ノルマンディ・ナゲット

日本産の自然金が展示されていました。
金の結晶が羽のように生えていて、美しいものでした。


山吹色のお菓子

大判小判がザクザク…という程ではないですが、展示されていました。
なんで小判って横線が入っているんだろう? と不思議に思って調べてみました。
あれって「ゴザ目」って言うんですね。
海外だと神や為政者の顔をコインに入れるのに、日本には顔付き小判がないのが不思議でした。
向かいには秀吉が作ったという黄金の茶室のレプリカが展示されていました。
もう目にまぶしいっていうか、スゴイというか、道具も金でビックリでした。
説明によると1万5000枚の金箔が貼られているそうです。


ファイル 44-3.gifコロンビアの黄金たち

コロンビア各地の遺跡から黄金たちが集まってきてました。
私の注目は南コロンビアの「タイロナ遺跡」出土の黄金たちです。
訪問したかったけど断念した遺跡だったので、こうやって会えて嬉しかったです。
図は鳥や人型の黄金。下はシヌー遺跡から出土したアリクイの黄金です。
この他、いろんなジャングルの動物たちが展示されていて見ているだけでも楽しかったです。

残念だったのは、オーパーツと言われる「黄金のジェット機」がなかったこと!
やっぱアレは展示して欲しかったです。
本物を見たかった人もぜったいいると思います。


オミヤゲチェック

コロンビア黄金博物館で売っているモノ?なのか、高価な装飾品がたくさん売ってました。
Tシャツの絵柄はイマイチな感じでした。
最近は携帯ストラップの種類も増えて見るには楽しいですが、もうちょっと造りがハッキリしてくれると良いな~と思いました。
なぜか金の飾り物コーナーもありました。
のぞいてみたら金でできたティラノサウルスなど、レアな商品が並んでいました。
その中でおおぉ! と思ったのは、「黄金のトランプ」 1セットで45万円!
じっと見ていたら、売り場のお姉さんが「普通のトランプと同じように遊べます」と…。
庶民なんで、それは無理だよ…と思いながら退散しました。


レストラン

コロンビアということで、なぜか金箔入りのコーヒーが用意されていました。
コロンビアのコーヒーは美味しいから嬉しかったです。500円。
科博の美味しいモノといえば、「オムライス」
限定100食につられて注文しましたが、タマゴがフワトロで美味しかったです!

ファイル 44-4.jpg

【国宝:薬師寺展】

【国宝:薬師寺展】
平城遷都1300年記念

東京国立博物館・平成館 3月25日~6月8日まで

ファイル 43-1.jpg


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桜満開
奈良を離れ、日光・月光菩薩が東京にやってきたと聞いて、桜見物でごった返す上野公園へ突撃してきました!
今まで何度も桜の季節に上野へ行っていますが、今回ほど人の多さを実感した日はありませんでした。
案の定、博物館にも多くの人が来ていましたが、展示の仕方がいつもと違うので、ここではあまり混雑を意識することなく展示物を堪能することができました。


ちょっとビックリな展示方法
入り口を抜けると、いきなり広々とした空間に出ました。
左壁には朱塗りの社(正面のみ)が映画のセットのように組まれ、まるで薬師寺の境内を歩いているような錯覚がしました。
狛犬に守られた神域には八幡神や神功皇后像が鎮座していました。
右側には神の姿が描かれた板絵が並び、両側から神様の視線をビシビシと感じられるようになってました。

その後もずっと面白い空間の使い方、見せ方が続き、角を曲がるたびに予想もしない景色が広がるので、とても面白かったです。
この演出のせいか、展示数が少ないことは気になりませんでした。
むしろ一体、一体の仏像に集中できるので、私にはちょうど良かったです。


仏像のお尻
お寺では正面のみしか拝見できない仏像の後ろ側をたっぷりと堪能できるチャンスでした。
他の人もそう思っているのか、正面より後ろ側に人がたまってました。

「聖観音菩薩立像」が最初にあらわれます。
この菩薩様、正面から見ると華奢なのに、横からみると意外とお腹回りにお肉があり、まるで別人のような感じがしました。
装身具が美しく、特に後ろから正面に回っていく薄衣の流れなどは、目で追うだけで楽しいです。

「日光・月光菩薩」
とても大きい仏像でした。
そして意外と色が明るいなと思いました。
薬師寺で観た時は、もうちょっと煤けて、小さい感じがしたのですが、こうやって広い空間に取り出してみると、その大きさに目を見張りました。
この二菩薩、腰をクネっとひねっているのですが、それがとてもなまめかしいです。
そして薄衣の流れ、たれ具合、どれをとっても絶品でした。
近くにいた人が「…離れがたい…」とつぶやいていましたが本当にそうでした。
旅行にいくと何百体ものギリシャ・ローマ時代の彫刻を観ますが、やはり仏像の美しさには叶わないよな~と実感しました。
完璧な肉体の模倣より、様式美された仏像の方が好みなんだと思います。


国宝・吉祥天女
この絵が来ているとは知らなかったので驚きました。
心の準備も出来ていないまま絵の前に立ったのですが、印象は「小さい」でした。
そして「印刷物」みたいだったので、ありがたさを実感しないまま場を離れてしまいました。
今思うと、その邪念がジャマでした。


おみやげ
グッズの多さに驚きでした。
特にTシャツの種類は多く、斬新なデザインも多かったです。
あとは相変わらずのマグネットとかシオリ(何故か金色)も健在でした。
あまりに人が多くてサッと見て退散してしまったのですが、みんな嬉しそうにグッズを買ってました。


館内で昼飯&庭園散歩
博物館内で食事をしてみました。
レストラン「ラコール」です。
1日限定50食、鹿児島産・黒豚を味噌で漬けて焼いたヤツを注文してみました。
こんなスゴイ銘柄の豚肉を食べたことがなかったので、どんなものかな~と思っていたら、予想以上に味噌がしっかり染みていて、美味しかったです。
あと豚汁も具たっぷりで美味しかったです。
これにデザートの白玉抹茶アイス&熱い抹茶がついて約2000円でした。
席は庭を見渡せるカウンター席があるので、一人でも気軽に利用できました。

桜の季節は庭園の開放があるので、歩いてきました。
トップの「たれぱんだと桜」は、この庭園で撮したものです。
今年からコーヒーなどを売るライトバンが入ったので、飲食しながらお庭を堪能できるようになりました。
これはちょっと嬉しいです。


と、いうわけで楽しい一日でした。

平山郁夫とシルクロードのガラス展

ファイル 42-1.jpg開館30周年記念特別展
平山郁夫とシルクロードのガラス展(-平山郁夫シルクロード美術館蔵-)

古代オリエント博物館(東京・池袋) 2008年3月15日(土)~5月11日(日)

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▼平山郁夫美術館から250点ものガラス製品が出品されると聞いて行って来ました。
「個人所蔵の品々なんて…」と、少々高をくくっていましたが、さすが平山氏!
その種類の多さと地域の広さに驚きました。

▼主な展示品
この展示会では地域別ではなく、製造方法が発明された年代順に展示が並んでいるので、とても分かりやすかったです。
最初に紹介されているのは『コアガラス』
めずらしいミタンニ国のモノが数点、出ていました。

展示タイトル一覧

・第一章 ガラスの開花
・第二章 ガラスの爆発
・第三章ガラス 西へ東へ
・イスラームガラスの展開


ファイル 42-2.gif★ガラスの発見
今から2300年頃に登場したガラスは、主にソーダ石灰ガラスなんだそうです。

 +珪酸:砂、石英片、フリント
 +ソーダ:天然ナトリウムを含む川や湖などの堆積物

←北メソポタミアのミタンニ国のモザイクガラス片(14BC~13BC)
ムラサキの色がとてもキレイでした。
もうモザイクの技術ができていたことに驚きですが、植物の繊細な描写も素晴らしいです。

その他、、メソポタミアの各地で出土したコアガラスたちがずらっと並んでいます。
こうやって並べてもらうと、多少ながらも地域差などが分かり、今までエジプトのコアガラスしか目にしたことのなかった私には新鮮でした。

【みどころ】

★美しいガラス : 美しい千華文(ミルフォオリ)の容器

とにかく息をのむ美しさ。
ビーズガラスで小花を作り、それを土台となる器に並べ、型を押し込んで器の形にするという技法らしいです。
これで日本酒飲んだり、煮物を盛ったりしたら、おいしく見えるだろうと思いました。

ファイル 42-3.gif★おもしろい形 : ガラス製品の中には、面白い形もモノもありました。
←まるで手のひらのツボ押し具のような形。
簡単にパーツをくっつけられるガラスならではの遊び心だと思いました。


★ネックレス、腕輪などなど

トンボ玉と呼ばれる美しい玉を連ねたネックレスなどもたくさん展示されていました。
個人的には透明な青色の玉が好きなんですが、他にも人間の顔がついているものなどもありました。


★戦国玉

中国で見つかったガラス玉も展示されていました。
戦国時代のモノを特に「戦国玉」と呼ぶようです。
特に中華風のデザインではないので、これだけ見せられても中国出土とは思わないと思います。

【おみやげ】

古代オリエント博物館の常設ショップで、絵はがきなどが売ってました。
特にイベントに合わせて販売されているものはなさそうでした。

吉村作治の早大エジプト発掘40年展

ファイル 2-1.jpg 早稲田大学正門くぐれば、そこは古代エジプト

吉村作治の早大エジプト発掘40年展

早稲田大学會津八一記念博物館で開催 2007年7月31日~9月9日まで

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▼忙しくて初日に行くことが出来ませんでしたが、今日(8月25日)も多くの人が訪れていました。

縁があって会話したおじいさんは、このエジプト展を見るために、なんと50年振りに母校を訪れたと言ってました。それも千葉からわざわざ…。
吉村先生の活躍を影で応援している人たちの層の厚さを感じました。

■入り口

今回の展示会場は會津八一さんという人を記念して建てられたそうで、昭和初期の香りがする記念館でした。
玄関を入ると中央にまっすぐ伸びる広々とした階段があり、気分は欧州の貴族の館でした。
天井が高く、そこから円形の黒いシャンデリアが垂れ下がっていて、とても風格がありました。

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1.マルタカ南

「魚の丘」から新王国時代アメンヘテプ三世が建てた彩色階段のある神殿を発掘。
そこで出土した遺物を展示していました。
見所はその彩色が施された画片です。とても鮮やかで緻密な筆さばきに見とれました。

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ファイル 2-2.gif 2.ルクソール西岸岩窟墓

昔、「世界ふしぎ発見」のクイズのネタになった「耳の模型」が展示されていました。
どれも耳たぶは小さめで「福耳」はありませんでした。
これを見て「福耳」をハッピーアイテムと思うのは東洋人だけなのかな…と思いました。

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ファイル 2-3.gif 3.王家の谷・西谷

木製のライオンの頭部が展示してあったのですが、木製ってところが珍しかったです。
メスライオンで耳がちょこんと乗っていて、とても可愛らしかったです。

ここのコーナーで気になったのが、「エニグマテック・オストラコン」です。
「エニグマ」とは「謎」と言う意味ですが、私は「暗号」の方が浮かびます。
で、「オストラコン」は石の破片で、当時の人はパピルスが高価なため石の破片をメモ帳代わりにしていたそうなので、この石板を見たとき、「暗号を解読するための覚え書き」だと思って、妙にドキドキしました。
見たところインダス文字に見えるんですが…。
ひょっとしたらこれはインダス文明とエジプト文明が交流を持っていたという証かも!と、勝手に推測してみました。
だって発掘された場所は「アメンヘテプ三世の王墓近く」らしいし…。それだけ貴重ってことなんじゃないかな…。

その他:アメンヘテプ三世のファインアンス製のブレスレット(色がキレイ)と容器。
この容器には王妃ティイの名が入っている。
ティィに興味のある私としては、気になりました。

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5.アブシール南

「4」が抜けてますが、本来は、「4.太陽の船」というタイトルが入る予定だったそうです。(ちょっと聞いてみましたが、うろ覚え…)

■「ふしぎ」で最近登場するのが、このライオンの形に似た丘です。
「カワムワセト王子」に関連する品々が多く展示されていました。
あと古い時代の女性像がなにげにエロいです。(必見)

■「ヒィラティック・テキスト」が描かれた石版に驚きました。
なんとなく達筆の風格…。なんとなく美筆…。なんとなく墨の色も鮮やか…。
古代エジプト人の中にも文字を我がモノとして芸術の粋にまで高めている人がいるんだな~と感動。
当時は葦の茎で文字を書いていたらしいけど、これはどうみても筆に見えます。


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ファイル 2-4.gif 6.ダハシュール北

高官のレリーフが面白いです。
それぞれカツラの模様が変えてあるのです。
これは本当にこういうカツラを被っていたのか、それとも石掘り職人が気を遣って描き分けたのか…真相が気になります。

■「タのトゥームチャペル」から発見された、ハヤブサの顔のカノポス壺のフタが可愛いです。
マツゲがフサフサで愛らしいです。
隣に展示してあった不細工な犬も愛嬌があって楽しいです。

■「セヌウ」の棺とマスク
この展示の目玉です。青の色が美しいマスクです。
もっさりとした頭巾が印象的で、特に横顔とマスクの丸みがとても調和がとれていて、まるで金剛インコのうなじを彷彿とさせます。
ちょっと目線より高めなので、白目の充血とか見えなかったのが残念です。
「木棺」は「黄色い」そうですが、照明が悪いのか、色が良く分かりませんでした。
今回、会場内が暗すぎて遺物の印象が実はどれも薄いです。
小さい像など顔の表情が良く見えず、黒い影をのぞき込んでいるようでした。
もうちょっと明るくしても良かったんじゃないかな…と思いました。
木材の重さは見ているだけでも伝わってきました。
この棺をあの深い竪穴へ降ろした努力にビックリです。

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ファイル 2-5.jpg ★★おみやげチェック★★


意外と充実してました。
吉村先生の著作物は山ほど売ってました。
それとクッキーとかエジプト豆(ひよこ豆)で作った甘納豆とか、妙なモノも売ってました。
面白かったのは、適当に置かれていたカゴの中に入っていたペンダントトップの値段が「10500円」だったこと。
最初、値段の打ち間違えかと思いました。
だってそんな値段に見えなかったし、なにより無造作にカゴに入っていたから…。
まぁガラスケースを出すスペースが無かったんでしょうが、ちょっと笑いました。

早稲田ショップで話題の「ホワイトナイル」を飲みました。
生ビール。濃いめ。原料に小麦が入っている!

インカ・マヤ・アステカ展

ファイル 1-1.jpg The Three Great Civilizations of Mesoamerica & the Central Andes The World of Maya , Aztec and Inca
世界遺産の宝庫 中南米三大文明

インカ・マヤ・アステカ展

国立科学博物館で開催 2007年7月14日~9月24日まで

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▼初日に突撃してきましたが、朝から混雑していました。

テレビで特別番組が放映されていたり、世界遺産への関心も高いせいか、台風接近の雨の中、朝から大勢の人が展示会に押し掛けてました。

今回、気がついたのは旅行カバンのカート(ガラガラと引くヤツね)を会場内に持ち込んでいる人が数人いました。
ベビーカーなら仕方ないと思いますが、さすがにこれはスタッフがロッカーまで誘導すべきものじゃないかと思いました。
会館の入り口(切符チェックはここ)から展示会入り口までは一方通行になっているため、一度入ってしまうと、会場内を抜けなければロッカー室まで行くことができません。
これでは途中で預けたくなっても、身動きとれないだろうと思います。
カートの車に足をぶつけられて不機嫌になるお客さんもいたので、スタッフも気を利かせて欲しいですが、今後もカート持ち込みのお客さんが増えそうなので防犯の意味でもしっかり誘導して欲しいと思いました。


▼今回のオススメ

展示品の 9割が本邦初公開!
これだけでも行く価値はあると思います。
逆に言うなら1割は以前見たことのある遺物ですが、それなりに懐かしかったです。
「おぉ~また会えたな!!」などと語り合うのも、また楽しいです。

ファイル 1-2.gif■入り口

ものすごく凝ったデザインでした。
絵に描いてみましたが、屏風のように写真パネルを3枚立てて、その前に大きなテーブルがあります。
このテーブルにはモンゴロイドがアフリカらから出発し、アンデスに文明を興すまでの時の流れを一気に説明する「動く年表」となってます。

横を向くとジャングルに生息する動物をプリントしたパネルで天井を覆って、樹木のトンネルを造っていたりしています。


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★マヤ文明のあけぼの

展示用の棚ですが、注意して見て欲しいです。
ウシュマル神殿の特徴あるアーチや赤い壁、壁画の石組みを巧みに組み合わせて、雰囲気ある空間を作ってあります。
ここでは古典期の土器などを通してマヤ人の生活スタイルを紹介しています。

【私の注目-中央に飾ってあった王の石版】
600年に作成された王の姿を彫り込んだ石版ですが、これがとても素晴らしいです。
右足のかかとを少し上げ、右手を胸の前でひねっているのですが、この手印が優美。
後ろに流した左手も自由な感じ。
王が背負う羽根飾りが動きに合わせてワシャワシャとこすれて音を出しているように見えます。
この一瞬の動きを捕らえた構図は素晴らしいです。

■エキセントリック・フリント
フリント(火打ち石)を細かく砕き、不思議な物体を作り上げてますが、とても印象的です。
細かい仕上げに職人魂を感じます。
でも、何に使ったのか気になります。

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★オルメカ→テオティワカン→トルテカ

中米の文明を一気に説明していました。
私が面白いと思ったのは「テオティワカン」の大きな土偶(壺?)です。
色は地味な灰色ですが細部も細かくて見ていて引き込まれる美しさがあると思います。


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★アステカ

メキシコシティの中心部にある「テンプロ・マジョール博物館」の展示物が多かったです。
この博物館は外から遺跡が見られるせいか、お金を払ってまで博物館を見学しようする人が少なかったり、メキシコ人類学博物館だけで済ます人が多いので、中心地にあるのに無名の博物館だったりします。
今回、あっと驚く展示物の数々で、この博物館の評価も高くなったんじゃないかと思っています。

ファイル 1-3.gif■ここではアステカの神々を中心に展示してあります。
なぜか「体育座り」をする神の多いこと!
顔は怖いのですが、その姿に愛らしさを感じました。

他には王の小道具なども展示してあります。
中央にはドン★とアステカの神殿群を復元したジオラマが飾ってありますが、残念ながら無説明で展示してありました。
各建物の名称くらいは立て札でも立てて説明して欲しかったです。

■青い壺は展示会のマスコットボーイとなっていて、パンフレット等でお茶目に解説している姿が微笑ましいです。
本当はそんなに可愛い神様じゃないと思うんですが。
あと「鳥人間」の像もインパクトありました。
今でもこんな衣装をつけて踊る村人とかいますね。

■このコーナーではアステカの生け贄についてビデオ解説をしていました。
心臓がぴゅーと飛ぶ絵を見た子供が「これ、教科書で見た!」とか言っていたのに驚きました。意外と残酷な資料も最近は載せるんですね。

■チャックモールも飾ってありましたがレプリカでした。
神殿を模したセットの上に鎮座してました。赤いライトが不吉な雰囲気を出していて合っていると思いました。


ファイル 1-4.gif ■ちょっとユーモラスな「ミクトランテクトリ神」
頭のポツポツは毛を植えていた跡だそうです。毛のある神…ちょっと想像できません。
この神の特徴は体の中に見える臓器です。
心臓とか肝臓とか言われていますが、はっきりとは分かっていないそうです。
かなり大きな像で、見上げるほとです。
顔は笑っているけれど不気味ですね。


ファイル 1-5.gif■テンプロ・マジョール博からのビッグゲスト!
穴あきドクロです。
でも本物は1個だけで、あとはレプリカです。
現地では驚くほどのドクロたちが、ずらっと串に刺さってます!

隣も驚きのドクロです。
お客さんも大興奮で見てました。

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★インカ文明

部屋の造形が素晴らしかったです!
これは現地で驚いてください!
実際、よくまぁ作った物だと関心しました。お客さんに少しでもマチュピチュを味わって欲しいという主催側の気持ちが伝わってきました。

武器や生活用具、キープなどが展示してありました。
最初の部屋にはマチュピチュの全体模型がありました。
ちょっと小さすぎて本来の規模が伝わらないのが残念ですが、高低差、建物の並び等、興味深かったです。

■変形頭蓋骨が展示されていました! 人骨好きなみなさん、お待たせしました!!
縦にのばしたり、横にのばしたりと頭蓋骨の形がこんなに変わるとはお客さんも知らなかったみたいで、驚く人続出でした。

■テレビでも紹介されていたミイラが展示されてました。
思った以上に美麗でした。
特に男性のミイラは肌の様子などを見ると、フリーズドライされたような感じでした。
子供のミイラは男性より古いミイラだそうで、男性を埋葬するとき、わざわざ掘り出されて再埋葬されたそうです。
親子なのかな~と思うのですが、まだ断定出来ないそうです。
三つ編みされた髪にツヤがあって、これは不思議でした。
どうしたらこれほどのツヤを保てるのか…是非とも知りたいところです。

■最後に展示されていたミイラはショッキングでした。
お腹を割かれ、なんと中に織物が詰められていたそうです。
よく見ると確かにお腹がパックリ開いていて、中に布が見えました…。
いくら神に捧げるためとはいえ、人間を巾着袋のように扱うインカの世界にちょっとぞっとしました。


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★★おみやげチェック★★


第一会場には少ししかないのですが、第二会場には、たっぷりとミヤゲが売ってました。

T-シャツからクッキー、ノート、文鎮(1960円)、ドクロのついたボールペンなどマニアックな路線を突き詰めたグッズが多かったです。
クッキーは丸缶でした。四角い形ならカードケースとして使用したのに…と思いました。
クリアファイルは青い壺をデフォルメしたモノが可愛かったです。(400円)
しかしタオルに1200円とか、値段はビックリでした。

ペルシャ文明展

ファイル 5-1.jpg The Glory of Persia
世界遺産・ペルセポリスの栄華 煌めく7000年の至宝


ペルシャ文明展

東京都美術館で開催 2006年8月1日~10月1日まで


大帝国を築いたペルシャの文物が展示されるというので行ってきました。
今回は「イラン国立博物館が選りすぐった200点の逸品!」が来ているそうです。
確かに選ばれた品々はどれも「現地の人が好みそうなデザイン」が多かったです。
また豪華だけど清楚な文物も多いので、異国情緒もたっぷりと感じられました。


■今回の入り口は…

目の前、正面にペルセポリスを飾っている浮き彫りがドドンと置いてありました。
テーマは「鹿を襲うライオン」
地が白なので目立つことはないですが、やはり迫力のある構図、躍動感などが感じられ、とても素敵に思いました。

ファイル 5-2.gif ■今回の超~目玉!!

音声ガイドが美男俳優の「上川隆也さん」でした!
ペルシャ展の公式サイトで名前を見つけた時は驚きました。
だって大好きな俳優さんだから!
実は音声ガイドを今まで利用したことがありませんでした。
なんというかメモを取るのにジャマだし、ガイドを聞くことによって文物の感じ方に影響が出るのも嫌だったので…。
そんな偏屈な考えの私もさすがに上川さんがガイドしてくれると知れば、あっさりと500円を差し出してしまうのですよ~。
「この~商売上手!!」なんてツッコミ入れつつ、ホクホクしながらガイド聞きまくりで展示会を楽しみました。
こういう企画は個人的には大好評です!

初めて使った音声ガイドの良いところは特に感じませんでした。
それはガイドの内容と掲示されている案内の内容に差が少なかったからだと思います。
この展示会の案内板はとても分かりやすく、掲示の場所も良く、とても優等生でした。


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ファイル 5-3.gif ★第一章 イラン最古の都市群

古い土器などを展示してありました。

絵は紀元前5000年前の鉢です。
この頃は新石器時代なので大理石を石器で削って作ってあります。
上部の薄さにも驚きですが、下部の削りを粗くして滑り止めの役割をさせつつ、石の持つ風合いを残している点に驚きました!
日本の抹茶茶碗に通じる美しさを感じました。

多種多様な土器の展示も面白かったです。
特に緑泥岩を削って作った底が平らな容器も可愛かったです。
案内板には「自由闊達で素朴」と評価してありましたが、確かにそう思います。

ファイル 5-4.gif ←32番:山羊形把手付き筒形杯
【瀝青】という天然のアスファルトで出来ています。
動物の胴体を持ち手にするところが可愛いのです。
もちろん色も素敵でした。
耳が伸びていてウサギに見えますが、ヤギです。
ペルシャでは”ヤギ”のモチーフが多いように思いました。

【その他見どころ】

★こぶ牛形土器
何体か展示されてますが、最初のこぶ牛のお尻が一番、可愛かったです。
必見です!

★ルリスタン・アムラシュ青銅器
剣などのデザインが凝っていて見応えがありました。

★88番:ビーズ装身具
案内板によると、植物から作った薬液で紅玉髄の表面を腐食させ、文様をつけたそうですが、とても色鮮やかで紀元前3000年前に造られたとは思えないです。
このキッチリとした仕事が他のビーズ装飾品にもあらわれていて、このコーナーもなかなかの逸品揃いでした。


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第二章 ペルシャ帝国文明

このコーナーでは壮大なペルセポリス遺跡をイメージして展示が行われていました。
入り口には門を守る、翼を持つ人面獣の石像(模造)を2体配置し、遺跡っぽく演出!
そこをくぐるとペルセポリスの宮殿屋根を支えていた柱のミニチュアがドンと置かれていました。
モデルになった柱は20mの高さがあるそうです。
柱の頂には背を合わせたグリフィンが鎮座していて、愛らしさなど上手に再現されていました。
このコーナーで気に入ったのは、ペルセポリスを写した写真です。
あまりにカッコ良いのでハガキを購入してしまいました。
撮影は野町和嘉さんという人で、迫力ある構図に圧倒されました。

【その他見どころ】
106番 人面有翼の神
ものすごい黒光りをしている石で、これを見ていると「山田寺の仏塔」を思い出しました。
ここに展示してある石像群は石灰岩なのですが、赤や黒など色が豊富でビックリです。
どうも石灰岩というと「白」しか思い浮かばなかったので、よい勉強になりました。

【注目】
この辺りが音声ガイド13になります。
上川さんの熱い語りにも熱が入ります!

2階にあがると、アフラマズダの像があったり、ラピスラズリを贅沢にもまるごと一個使ったタイルなど、さりげない豪華製品のオンパレードです。
あと、赤マーブル模様の大理石皿もスゴイので見逃さないように。


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ファイル 5-5.gif 第三章 黄金の煌めき

目にも眩しい品々が一杯です!
入り口最初に展示してある「黄金の剣」はツヤ、細かい造形に驚きです。

黄金の杯が面白いです。
容器の中から動物の頭が飛び出しています!
こんな遊びを取り入れる職人さんのセンスが可愛らしいと思いました。

【見どころ】

黄金のリュウトン
ポスターにもなっている黄金のコップですが、とてもキレイです。
形も均等で細かいところにも気を配っているのが良くわかります。
これでビールなぞ飲んでみたいものです。


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第四章 帝国の復興

セレウコス朝からササン朝ペルシャへ移る頃のモノが展示されています。

【見どころ】
超有名なペルシャのガラス碗が展示されています。
案内板によると「国際的ヒット製品」!←確かにその通り!!
ガラス碗の飴色の光沢は時を感じさせる美しさがありクラクラでした。
めずらしいのは、表面を丸くカットしたガラスボトル!
こういうタイプは初めてみました。


【注目】
音声ガイドの最後は優雅な音楽の流れる中で、上川さんが優しくロマンチック・ペルシャを語ってくれます。
何度も聞き直してしまうほど、素敵でした。

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★おみやげ★

メモを取っていたら店員さんと目が合ってしまいました…ドキドキ。
定番モノばかりが売ってました。
とりあえずB5サイズのクリアホルダーと絵はがきを買いました。
大判ハンカチを大量に買っていく女性がいました。
確かに楔形文字が可愛くプリントされていて、歴史好きの女性なら心が動いてしまう逸品でした。
私はちょっとサイズが大きすぎるので購入は見送りました。
飴やクッキーも売ってました。
もちろん絨毯屋さんもいましたので、本格的なモノが欲しい人は見てみるとよいかも。
トルコ絨毯とは違う良さがあるので、見るだけでも勉強になります。

今回の大笑いグッズ→猫足の文鎮!

古代ローマ都市 最後の日-ポンペイの輝き展

ファイル 6-1.jpg POMPEI STORIE DA UN'ERUZIONE
古代ローマ都市 最後の日

ポンペイの輝き展


bunkamuraザ・ミュージアムで開催 2006年4月28日~6月25日まで


総括

「bunkamura ザ・ミュージアム」は渋谷にあるんですが、今まで縁がなかったで行ったことがありませんでした。
初めて訪問してみましたが、入り口ホールは薄暗く外とは別世界でした。
ロビーに並んだホルダーには「バレエ公演」などのチラシが多数…。
どうにもその高雅な雰囲気に圧倒されてしまい足早に地下の展示会入り口に逃げ込んでしまいました。

■今回の入り口は…


入り口は質素でした。
「ポンペイの赤」をイメージさせる濃いワインレッドの壁が入り口ホールと内部展示室を分けていました。
壁に描かれた柱の間を抜けると、その先には女神像が迎えてくれる…という優雅な演出。
なかなか気に入りました。
この柱の描き方はポンペイ時代に流行った「似せ絵方式」を参考にしてあるので、ちょっと注目してもらえると、描いた人も嬉しいかもしれないです。

■総評

入り口のメッセージボードには駐日イタリア大使マリオ氏の「ポンペイ最後の日を追体験して下さい」というコメントがありました。
その言葉通り、この展示会のほとんどは噴火によって命を落とした人たちが身につけていた装身具や荷物、そして遺体(骨)などが展示されていました。

黄金や金貨がたくさん展示されているので当時の貴族の裕福さは伝わってきましたが、似たようなモノばかりが並んでいるのは正直飽きました。
「すぐ逃げれば助かったかもしれないのに、黄金の装飾品を身につけることに手間取って、逃げ遅れてしまったのかな?」 …なんてヒネた私は思ってしまいました。

★ メモを取る人用にエンピツが用意されていました。
芯もちゃんと削ってあって感心しました。

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ファイル 6-2.gif ★エルコラーノ遺跡

港に面したこの街は発掘当時、遺体があまり見つからず、住民はみんな逃げ延びたと思われていたそうです。
しかし発掘が進むと飛んでないモノが!!
海岸に近い船倉庫から逃げたと思われた住民たちが折り重なるように死んでいた、その生々しい姿で朽ち果てた遺体を発見!
にわかに注目を集めるようになりました。

【見どころ】

リアルに再現された「船倉庫内で発見された犠牲者の型どり」
絵で描いてみましたが、かなり迫力ありました。
案内によると:

遺骸の上にシリコンを流し込み、凹型を作る。
つなぎ合わせた後、ポリエステル樹脂を注ぎ入れて固めて、最後に色つけ

だそうです。
これを見ると自然災害の恐ろしさ、むごさを感じてしまいます。
子供達が興味津々でのぞき込んでました。
やっぱり気になると思います。
ガラスケースに入っていないので、どうしても触りたくなるみたいです。
でも幼いながらも心の中で「触っちゃダメ」だと葛藤しているのが微笑ましかったです。
実は私もちょっと触ってみたかったです。
だってポリエステル樹脂ってどんな手触りか気になるし…。
「お触りOK」の見本が欲しかったです。

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■オプロンティスとテルツィーニョ

公式サイトにも載っていた『金庫』が展示されていました。
スゴク重そうで、いかにも大金が入っていそうでした。
気になったのは、この『金庫』の隣に展示してあった、『少女の遺体の型どり』
最新の透明樹脂を使ったものなのですが、あまりに生々しくて子供に見せられないとでも判断したのか、展示ケースの裏側に置かれていました。
なんか気の毒っていうか、せっかく最新技術の型どりなのにもったいないように思いました。
(江戸博ではどうどうと展示してあったのに…)

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■ポンペイ部屋

展示室の壁の1面を大胆に使ってポンペイの壁画を飾ってました。
その迫力には圧倒! 特に多く塗られていた黄色は古びた味があって、とてもステキでした。

以前、遺跡番組で紹介された、「剣闘士と上流階級婦人との恋があったのでは…」なんて物語が生まれた、「剣闘士の控えの間に落ちていた指輪」が展示されていました。
もっとゴージャスな指輪かと思っていたのですが、意外と小さかったです。
この指輪一個でずいぶんと話を発展させた考古学者に脱帽です。

ファイル 6-3.gif 【みどころ】

練りガラスで作られた「腕輪」
色がすごく好みでした。

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★おみやげ★

売れ行きがいいのは、「お菓子系」なんでしょうか。店員さんが商品を補充してました。
キャンディーBOXが700円というのは安いの?高いの??
面白いと思ったのは、「ポンペイのパン」です。
乾燥果物が入っているのは900円で、プレーンは630円。
見るからにごっつくて、店員さんも「このパンは重いですよ」と言ってました。

世界遺産 地上絵の創造者たち-特別展-ナスカ展

ファイル 7-1.jpg Nasca, Wonder of the World Messages Etched on the Desert Floor
世界遺産 地上絵の創造者たち-特別展


ナスカ展

国立科学博物館で開催 2006年3月18日~6月18日まで


上野公園は桜が3分咲きでした。
春休み間近ということもあって子供連れが多数押し掛けていましたが、フタを開けてみれば、「ナスカ展」は中高年(主に男性)が多かったです。
どうも子供達は常設展に行ってしまったみたいです…う~ん、残念。


■今回の入り口は…


エスカレーターを降りると、そこが入口でした。
いつもならエスカレーター途中の回で「案内イヤホン」の貸し出しをしているんですが、今回は入口にその机がおいてあるため客に説明する声が響いて、ちょっと気になりました。
入口正面天井に薄いスクリーンが吊されていて、ナスカの映像が流れていましたが、あまり見ている人がいなかったです。
皆、中央のガラスケースに目が行くから天井にそんなスクリーンがあるなんて気づいていない人もいるんじゃないでしょうか。


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ファイル 7-2.gif ファイル 7-4.gif★ナスカ以前の文化

ナスカ以前の文化として『パラカス文化』が紹介されていました。
パラカス後期(紀元前300~100)の土器として、ずいぶんと可愛いモノが置いてあったので描いて見ました。
目が可愛いです。
それにしても、このコーナーの展示は参観者には優しくない展示でした。
絵に描きましたが、土器を小さなボックスに収め、そこに小さな案内板が置いてある…という形。
中にはボックス奥の壁に案内板が貼ってあるため、ボックスの正面に立った人にしか文字が読めない!

混雑しても、背の高い人が正面に立ったとしても、どこからでも案内板が読めるように展示を工夫するのがプロの仕事じゃないでしょうか…。
他の展示もすべて遺物の前に小さな案内板を並べていました…。
久しぶりにダメっぷりMAXな展示を見て、ありゃぁ~と思いました。

Ⅰ ナスカ 砂漠からのメッセージ

1.自然 : 魚や鳥を題材にした土器を展示。
2.暮らし : 畑しごとをする農民の土偶や出土した農耕具(木製)などを展示。
3.もの作りの文化と技術 : 土器を作る方法&染色の仕方の説明
4.ナスカの日常生活
5.ナスカ人の姿-人類学者の挑戦

「子供のミイラ」が展示されていました。
CTスキャンで全身をチェック。その結果も展示されていました。
このミイラの最大の特徴はなんと「黒目」が残っていたこと!
普通、目玉は残ってもシワシワになってしまうんだけど、なんとこの子の目はキレイに黒目が残っていました。
その理由として、遺体が冷凍された可能性があるとか…。
死因もハッキリとは分からないそうですが、冬にでも命を落としたのかもしれないですね…。

★ 変形ドクロ展示!!
このコーナーの最後に6つのドクロが展示されていました。
最初の三つは単純な変形で、丸、扇形、縦長の3種。
次は開頭術されているドクロ。
見どころは最後のとってもパックリを開いているドクロ。
頭部の3分の2は開いてます。中も見える。手術後、生存した跡は見られないと書いてありました。(そうだろう…と思います)

6.儀礼と音楽 : 楽器を題材にした土偶や実際に演奏している楽士の土偶などが展示。

ファイル 7-3.gif 7.神々の世界

織物に描かれた神像や土器の神像を展示。
だいたいはコンドルやシャチ、猫型モノが多かったです。
気になったのは、この「首級の味見」という壺。
名前も凄いけど、印象的なので紹介。

8.戦争と首級 : 首かけドクロなどが展示されていました。
9.誕生と再生 : 出生を描いた土偶とかを展示。
10.パンパ河谷ラ・ムニャで発掘された埋蔵品を展示。

目立つモノはなかったですが、土器や貝がありました。
パンパを空撮したら、ここにも地上絵があったということで、白黒写真が展示されていました。


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Ⅱ 地上絵の謎

気軽に行けない地上絵を体験してもらおうという努力に満ちた空間になっていました。
ビデオ上映は簡潔にまとめられた内容で面白かったです。
地上絵のジオラマは…これで雰囲気が分かってもらえるかどうかは微妙。
子供は喜んでいましたが。
ライトで床に地上絵の動物を浮かび上がらせるという演出は良かったです。

【地上絵の上を歩いてみよう】
アクリル板の中に、ナスカの石と砂を並べ、地上絵の一部分を再現していましたが、これはどうだろう…。
大人は引いてましたね。
私はアクリル板に乗ったけど、これで歩いた気になるわけもなく…。
むしろ石に触れる、砂に触れる方が実感が沸きやすいんじゃないかな…と思いました。

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★バーチャルシアター

出口付近でバーチャルシアターが用意されていました。
自分が地上絵の上を飛ぶ…という設定で、見事なCGが圧巻でした。

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★おみやげ★

なかなか良い物が売ってました。
クリアファイルは流行のA5サイズのタイプが5点、A4サイズが2点、売ってました。
売れ筋なんでしょうね…。デザインも可愛かったです。
付箋は2種類ありました。
あとマウスパッドもありましたが、これは写真を入れるタイプでした。

おおっ! と思ったのは「食品系」の充実!!
「地上絵サブレ」が3枚で400円は高いなぁ~。
「地上絵カステラ饅頭」は8個で680円だったかな…。
どれも表面に地上絵(クモとか猿とか)の焼き印が押してあるだけで、味は普通だと思う。
これが「インカコーラ味」とか「チチャ風味」だったら喜んで買うんだけど…。

エトルリア世界展

ファイル 8-1.jpg Ⅱ Mondo degli Etruschi
新イタリア文化会館開館記念


エトルリア世界展

新イタリア文化会館で開催 2005年10月30日~12月11日まで


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▼外壁の塗装が「赤で派手だ」という話題をニュースで見かけ、その辺も興味があって新イタリア文化会館に行って来ました。
思ったほど派手には見えず、むしろイタリアっぽくて良いのでは…と思ったのですが、展示室横のトイレが殺風景でひどく興醒め。
横と言っても白扉に紙が貼ってあり「トイレはこちら…」
扉を開けると楽屋裏みたいな雰囲気のところにトイレが1個。
それも凝った内装でもなく、事務所のトイレのような雰囲気。
後から入って来た奥様方も、そのつまんない外観に唖然としていました。
なんか期待しちゃうんですよね、「イタリア文化会館」だから。


■今回の入り口は…

そもそも展示室というより玄関ホールにガラスケースを並べたような会場なので、「チケットを買う、チラシを見ながらゆっくりと展示室に入る」という普通の入場が出来ず、ちょっとアタフタとしてしまいました。
チケットは正面入り口に向かって右壁のガラス扉の向こうの、なんか奥まったところにありました。
入場料は500円でした。
図録、チラシ、チケットの印刷はさすが金がかかっていました。

正面の扉を「よっこいしょ」と開けると中は薄暗い。
会場の中央に扉があったので、とりあえずチケット・チェックの姉ちゃんに「左右のどっちから見たらいいんですか?」と聞いたら「どっちからでも良いです」と言われた。
右手から回り始めてみると設営した人はちゃんと右手から古い順に遺物や案内板を設置していました。
あまりにシロウトっぽいと言うか、自分が管理している文物を一度も見ていないことがモロバレでした。


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ファイル 8-2.gif ★エトルリア文明の起源

エトルリアというと、綺麗なお墓彫刻というイメージばかりが浮かびます。
今回はそこに埋葬されていた人たちを知りたいという気持ちもあったので、初期の頃の展示物はゆっくり、しっかり見てきました。

小さい字でびっしり書かれた案内板によると、もともとエトルリア人は素朴なデザインの道具を生産していました。
そこに「ギリシャ文化」が流れ込んだことでデザインなどが一変したということです。

絵は古い黒陶の骨壺です。
ギリシャ文化が流入する前のモノで、だいたい紀元前9世紀頃のものです。
キノコみたいですが、時代の特色として、「蓋」がついています。
時代が下ると「蓋」のデザインが角を生やしたり、人の顔がついたりと変わっていきます。

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★首長の文化

だんだん身分の格差が芽生えてきた頃の遺物が展示されていました。
当時、交易で財をなした人たちの貴金属も展示されていましたが、優美なモノが多かったです。
「象牙のサイコロ」が印象的でした。


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ファイル 8-3.gif ★エトルリア人の宗教性

彼らは多神教で、神への捧げモノをせっせとしていたようです。
願掛けにも熱心で、病気やケガを治して欲しい場合はその部位を”焼き物”で作り、神殿などに奉納したようです。
面白かったのは絵に描いた「陶器製の臓器」です。
意外にリアルに出来ていました。


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都市の社会

繁栄したエトルリア文明が何故、滅んでいったのかをテーマにいろんな遺物が並んでいました。
エトルリアが衰退し始めたのは紀元前430年頃で、他民族による侵略が原因ではないかと見られています。

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★ヘレニズムとローマ化

紀元前273年、エトルリア滅亡。
国が衰えると芸術も貧相になると説明されていました。
確かにありがちなデザイン、稚拙等々、弱い印象の遺物が並んでいました。

古代エジプトへの扉

ファイル 11-1.jpg The Gateway to Ancient Egypt
収集家の見た悠久と神秘

古代エジプトへの扉

横浜ユーラシア文化館で開催 2005年4月29日~8月14日まで


▼このエジプト展は菊川匡(きくがわただし)さんという方が所蔵しているコレクションを展示しているのですが、その数量と高品質も驚きですが、なにより「美しいモノが好き♪ エジプトが好き♪」という菊川さんの強烈なメッセージがそこかしこに見えて、まるでお宝満載の書斎にでも案内されたような、そんな居心地の良さを感じることのできた展示会でした。

★ 展示室の奥が図書コーナーになっていて、美術書、遺跡関係の本などが並んでいました。
懐かしいところでは「交差する手の神殿」もありました。
個人的には「世界の考古学:ヴァイキングの考古学」が気になりました。
展示見学で疲れた時、最後にこんなコーナーがあると嬉しいですね。


■今回の入り口は…


小さな会場なので、目立つ装飾はありませんでした。
でもせめて、菊川さんご自身のメッセージが掲示してあっても良かったんじゃないでしょうか。
これだけの遺物を所蔵する菊川さんのことを知りたいと、会場に来ているお客さんは誰しも思うだろうし…。
「遺物だけ観てもらえれば」って事なんでしょうが、せめてご本人の近影など飾ってあっても良かったのでは…と思います。

チケット売り場の側で、「特別昼食会」の受付をしていました。
これって招待された人だけなんでしょうね…横目で見つつ、ちょっと羨ましかったです。
そういえば…菊川さんぽい人を見かけましたが…本人かな?
初日は開幕式?をしていたらしいので、ご本人が来ている可能性はあるんだけど…。
割と体格の良い人でした。


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ファイル 11-2.gif ■菊川コレクションは新王国第18王朝の遺物が多く、特にテル・エル・アマルナ王宮の壁を飾ったタイルに可愛らしいモノが多数ありました。
タイルといっても小さく可憐な花をモチーフにしたモノが多いので、王宮というより王女の私的な部屋を飾っていたんじゃないかと思ったほど。
色はパステルカラーで、淡い色合いが眼に優しいです。


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■人型木棺:プトレマイオス朝前期

とてもデカイ棺です。
どうやってこんな大きなモノを個人が手に入れることが出来たのか…。
それが気になりました。
棺には金象眼が残り、また線も色もキレイに残っていました。
プトレマイオス朝の棺は線の粗さが目立つモノが多いのですが、これだけ綺麗な棺は珍しいと思いました。


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ファイル 11-3.gif ■木製モデル像:中王期/第1中間期~中王期

妙に気になった木製像を描いてみました。
見た目は、けっして上手い彫りではないけれど、味がありますね。
特に片足を上げている像には一目惚れでした。
見えないけれどお尻のラインが可愛いです。


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■コアガラス容器片:新王国時代

小さいガラス片がみっちりと展示されています。
美しいモノが多く、その色合いや線の流れを見ているだけで、(´ω`*)←こんな顔になります。
白いコアガラスが珍しいそうで、自慢げに(さりげなく)展示してある様子を見て笑ってしまいました。


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★★おみやげチェック★★


常設ミュージアムショップの脇に小さなワゴン車が設置されていて、そこにエジプト展関係のおみやげが並んでいました。
大英博物館で売っているような、ド派手なミイラ棺型缶ペンなどが売っていました。