国宝 土偶展-縄文スーパースター
東京国立博物館 2009年12月15日~2010年2月21日
新年を飾る展示会は「土偶展」しかないと思い、温存していた展示会だったので、当日はウキウキ・いそいそと出かけたのですが、新年から混んでいて博物館ブームは嬉しいけれど、ごっそり体力削られました。
と言いつつ、この日は古代オリエント博物館で開催中の「吉村作治の新発見!エジプト展」もハシゴして観てきたので、疲れたというわりに元気な自分にビックリです。
【入り口の感想】
小さな展示会なので、入り口には何も置いてありませんでした。
内部は照明を落としているのですが、土偶を入れたガラスケースがキラキラ輝くため、とても神秘的に見えました。
■1.土偶のかたち
入り口を入ってすぐに展示してあった土偶です。
名前は「仮面土偶」と言って、人間が仮面をかぶっている姿です。
長野県茅野市中ツ原遺跡から出土したもので、紀元前2000年辺りに作られたそうですが、とても美肌で、モッチリ肌と若々しいツヤにビックリしました。
形もどっしりしているため、すごく存在感があるなと思いました。
このコーナーには山内丸山遺跡で発掘された、板状土偶も展示されていました。
クッキーにもなった土偶ですが、本物も厚さがほどほどあって、かなり美味しそうに見えました。
この土偶、頭と胴が別々に発見されたのですが、なんとその距離が90mも離れていたそうです。
これはもう…意図的にバラバラに捨てられたとしか思えませんでした。
同じ年代の他国の土偶ってあまり割れて出土していないように思うので、これは縄文土偶ならではの破壊行為なのかな…と思いました。
割ったり、バラバラに捨てることで、体の悪い部分を治してもらおうという願いがこもっているのかなと思いました。
【その他の超スーパースタークラスの土偶さんたち】
ハート形土偶←見事に顔がハートの形をしています。オデコはどうしたの?って聞きたくなりました。
みみずく土偶←みみずく…というより、昔のおばさんパーマみたいに見えました。
遮光器土偶←宇宙の至宝! やっぱり宇宙人っぽい♪
■2.土偶芸術のきわみ
第39番目、縄文ビーナスは横から鑑賞するのが良いです。
お尻の丸みがとても可愛いです。
伊達巻きみたいな頭のかぶり物が不思議です。
頭をかなり締め付けているように見えますが、痛くないんでしょうかね…。
こんな風に、頭に布を巻き付けている民族がグァテマラにいたことを思い出しました。
第40番目、合掌土偶と呼ばれていて、手を合わせている土偶ですが、ゆったりとした専用イスに寝そべったような姿で展示されていました。
思っていたより小さかったです。
■3.土偶の仲間たち
第62番目、土偶形容器
神奈川県大井町中屋敷き遺跡 紀元前3000年前
解説を読むと、子供の骨を入れていたらしいです。
他のお客さんたちが「これが骨壺?」と、驚いたように言っていました。
確かに不思議な存在感があって、顔も怖いのに骨を納める容器だと知ると、よけいに不思議感が高まりました。
死んだ子供の再生を願っているのではないかと解説に書かれていました。
となると、背中に描かれた渦巻き模様は縄文人の再生のシンボルなんでしょうね。
渦巻きは古代世界に普遍的に存在する謎の記号ですが、縄文人は再生のシンボルとして渦巻きを見ていたことは確かみたいです。
【出口に飾ってあった大英博物館での展示写真について】
大英博物館での展示模様を写真パネルで紹介していましたが、最後の一枚になんと諸星大二郎先生の「暗黒神話」のイラストがチラリと!!
英語での紹介を勘だけで超意訳するなら…、土偶は日本の漫画にも登場するほど人気なんだよ…と言っているんだと思う。
ちょっと嬉しかった!
■オミヤゲコーナー
小さな企画展の割にグッズは充実していました。
Tシャツやバッグ、クリアフォルダーなど、定番アイテムもごっちゃりありましたが、一番人気は土偶のガチャガチャみたいです。
係員が景品を補充していました。
最近は必ずこのガチャガチャが置いてありますが、意外と売り上げが良いんでしょうね。
新年ということで、本館前ではめでたい江戸の太神楽を踊ってました。
和太鼓も来ていたりして、お祭りムード一色でした。