�o�����[�h���C�� 遺跡馬鹿のイベント潜入記

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国宝 土偶展-縄文スーパースター

国宝 土偶展-縄文スーパースター

東京国立博物館 2009年12月15日~2010年2月21日

土偶展

新年を飾る展示会は「土偶展」しかないと思い、温存していた展示会だったので、当日はウキウキ・いそいそと出かけたのですが、新年から混んでいて博物館ブームは嬉しいけれど、ごっそり体力削られました。
と言いつつ、この日は古代オリエント博物館で開催中の「吉村作治の新発見!エジプト展」もハシゴして観てきたので、疲れたというわりに元気な自分にビックリです。


【入り口の感想】
小さな展示会なので、入り口には何も置いてありませんでした。
内部は照明を落としているのですが、土偶を入れたガラスケースがキラキラ輝くため、とても神秘的に見えました。


1.土偶のかたち

仮面土偶入り口を入ってすぐに展示してあった土偶です。
名前は「仮面土偶」と言って、人間が仮面をかぶっている姿です。
長野県茅野市中ツ原遺跡から出土したもので、紀元前2000年辺りに作られたそうですが、とても美肌で、モッチリ肌と若々しいツヤにビックリしました。
形もどっしりしているため、すごく存在感があるなと思いました。

このコーナーには山内丸山遺跡で発掘された、板状土偶も展示されていました。
クッキーにもなった土偶ですが、本物も厚さがほどほどあって、かなり美味しそうに見えました。
この土偶、頭と胴が別々に発見されたのですが、なんとその距離が90mも離れていたそうです。
これはもう…意図的にバラバラに捨てられたとしか思えませんでした。
同じ年代の他国の土偶ってあまり割れて出土していないように思うので、これは縄文土偶ならではの破壊行為なのかな…と思いました。
割ったり、バラバラに捨てることで、体の悪い部分を治してもらおうという願いがこもっているのかなと思いました。


【その他の超スーパースタークラスの土偶さんたち】

ハート形土偶←見事に顔がハートの形をしています。オデコはどうしたの?って聞きたくなりました。

みみずく土偶←みみずく…というより、昔のおばさんパーマみたいに見えました。

遮光器土偶←宇宙の至宝! やっぱり宇宙人っぽい♪


2.土偶芸術のきわみ

第39番目、縄文ビーナスは横から鑑賞するのが良いです。
お尻の丸みがとても可愛いです。
伊達巻きみたいな頭のかぶり物が不思議です。
頭をかなり締め付けているように見えますが、痛くないんでしょうかね…。
こんな風に、頭に布を巻き付けている民族がグァテマラにいたことを思い出しました。

第40番目、合掌土偶と呼ばれていて、手を合わせている土偶ですが、ゆったりとした専用イスに寝そべったような姿で展示されていました。
思っていたより小さかったです。


3.土偶の仲間たち

土偶形容器再生シンボル第62番目、土偶形容器
神奈川県大井町中屋敷き遺跡 紀元前3000年前

解説を読むと、子供の骨を入れていたらしいです。
他のお客さんたちが「これが骨壺?」と、驚いたように言っていました。
確かに不思議な存在感があって、顔も怖いのに骨を納める容器だと知ると、よけいに不思議感が高まりました。
死んだ子供の再生を願っているのではないかと解説に書かれていました。
となると、背中に描かれた渦巻き模様は縄文人の再生のシンボルなんでしょうね。
渦巻きは古代世界に普遍的に存在する謎の記号ですが、縄文人は再生のシンボルとして渦巻きを見ていたことは確かみたいです。


【出口に飾ってあった大英博物館での展示写真について】
大英博物館での展示模様を写真パネルで紹介していましたが、最後の一枚になんと諸星大二郎先生の「暗黒神話」のイラストがチラリと!!
英語での紹介を勘だけで超意訳するなら…、土偶は日本の漫画にも登場するほど人気なんだよ…と言っているんだと思う。
ちょっと嬉しかった!


オミヤゲコーナー

小さな企画展の割にグッズは充実していました。
Tシャツやバッグ、クリアフォルダーなど、定番アイテムもごっちゃりありましたが、一番人気は土偶のガチャガチャみたいです。
係員が景品を補充していました。
最近は必ずこのガチャガチャが置いてありますが、意外と売り上げが良いんでしょうね。

新年ということで、本館前ではめでたい江戸の太神楽を踊ってました。
和太鼓も来ていたりして、お祭りムード一色でした。

チュニジア世界遺産 古代カルタゴとローマ展

チュニジア世界遺産 古代カルタゴとローマ展

大丸ミュージアム 2009年10月3日~年10月25日


初日に行ったのですがオープニングセレモニーがあったらしく、関係者がウヨウヨ来てました。
ちょっと声の大きい人が多かったですが、まぁ…そんなもんでしょ。

カルタゴとローマ、区別つく人はあまりいないと思います。
主催側もそれを分かっているのか、なんとか記憶に残るカルタゴを目指して一生懸命やっているオーラが伝わってきました。
それならせめて最初のコーナーにカルタゴの地図を持ってきて欲しかったです。
なぜなら、多くの人が「カルタゴ」の位置関係に興味があるらしいから。
通路の途中に地図が展示してあったのですが、いつも人だかりで、みんながその地図を熱心に見ていました。
最初にカルタゴがどこにあるか示し、それから年表や遺物が来るように会場配置したら、もっとお客さんは楽しめたんじゃないかと思いました。


入り口は狭いので、あまりモノを置けないのですが、とりあえず縦溝の柱が2本、恥ずかしそうに立っていました。
なかなか堂々とした柱なのに、誰も注目していなかったのはもったいないです。


1.地中海の女王カルタゴ

「カルタゴ」の名前の由来は、フェニキア人が”新しい町”(カルト・ハダンコート)と読んだ事からついたそうです。
カルタゴの祖先はレバノン辺りに住んでいたフェニキア人だったのです。

ここで目立つのは、大きな壺です。
見た感じ、良く焼けたソーセージに見えます。
こんな底が深い壺は使いにくいと思うんですが、当時の人は何を入れて、どうやって使っていたんでしょうかね?

面白いのは№56,57の人物像です。
無駄な装飾を取り払った姿は現代の彫刻みたいです。
ノミの跡が良く残っています。

次に面白いのは、「ほ乳瓶」として使われていた土器です。
土器の腹に優しそうな顔がついていました。
吸い口はゴムじゃないから赤ちゃんも吸いにくかったと思います。
子供の墓から出土したそうなので、両親があの世で使って欲しいと埋葬したのかもしれません。


石で出来た骨壺もありました。紀元前3世紀に作られました。
これも表面がキレイに削られていて、とても美しい姿でした。
中には焼かれた遺骨が入っていたそうです。
今は空っぽですが、臭いとかするかな~と思って、こっそり嗅いでみました。

この辺の展示は墓から持ってきた墓碑銘が並んでいました。
めずらしいポエニ文字が刻まれていて、古代文字萌えの人にはお勧めです。


カルタゴの人は「タニット」という女神を信じていました。
これがその女神のマークです。
その後、紀元前4世紀頃にギリシャから「デメテルとコレーの祭儀」が伝わったそうです。
「デメテルとコレーの祭儀」といえば、エレフシナで行われた不老不死の秘儀を指すわけで、カルタゴの人もこの秘儀にハマったのかと思うと、興味深いです。


2.ローマに生きるカルタゴ

最初は小物の展示で、あのオイルランプが20個来てました。
どれも状態が良く、とても古いモノには見えません。
絵柄は闘いのモノが多く、あの小さいランプの上に繰り広げられる命を賭けた闘いの図は見ているだけで熱くなれます。

モザイクコーナー

カルタゴといえばモザイク!
というわけで、かなり大きいモノが展示されていました。

【みどころ】
   ・水を注ぐ女性のモザイク : お尻がキレイ!必見!!
   ・象とニシキヘビの格闘シーン : 迫力あり!
   ・頭から蟹爪を出しているオヤジ : 無言の圧力を感じた!


おみやげコーナー

一通りの品々が揃ってました。
クリアファイルとか手提げ袋とか。
ガラスでトンボ玉を作り、それをネックレスにしたモノなどは可愛いかったです。


大丸内のカフェでカルタゴ展にちなんだメニューを出していました。
北アフリカで食べられているクスクスなどを提供してくれるそうです。

聖地チベット

聖地チベット展
ポタラ宮と天空の至宝
Treasures from the Roof of the World

上野の森美術館 2009年9月19日~2010年1月11日


★チベットの仏像がやってきた!

今回、国宝クラスの仏像たちが日本にやってくるというので、初日に駆けつけました!
(当日は午前中に「古代ローマ帝国の遺産展」→「フォレスティーユ静養軒」で微妙な昼飯→「聖地チベット展」というコースでした)
初日でしたが、お客さんが一杯! それも若い女性がガンガン来ていて、世の仏像ブームを実感しました。

展示物の説明は品物の近くとガラスケースの上に貼ってあり、とても気配りが出来ている展示でしたが、ただ一つ難を言えば、貼ってある位置が高すぎる!
あれは身長180センチくらいの人を意識して貼っているのか?
まぁ混雑した時は、あれくらいの高さは必要だから仕方ないんでしょうね。


入り口はシンプルすぎて、逆にドキドキ!

正面を入ると、すぐに壁。
横に通路が延びていて、堂内の渡り廊下を歩いているような演出。
壁にはチベットの写真やチベット寺院建立の由来にもなっている魔女の図が展示してありました。
なかなか憎い演出、そして奥で待ち受ける仏像の美しさ。
入って5歩くらいで聖地に迷い込んだ気分になること必至です。


1.仏教文化の受容と発展


大きい仏像からタンカまで、色んなモノが展示してありました。
見る物すべてが興味深く、その繊細さ、美しさに圧倒されます。


魔女の図

チベット寺院の建立由来図とでも言うんでしょうか。
魔女の力を封じるため寺院は場所を決めて建てられたということで、魔女が大地に寝そべり、体の要所に寺院が描かれていました。
私はチベットの大地を女性に見立てていることを初めて知りました。
言われてみると似ているか…な?
チベットのラサは昔、湖だったという話とか、魔女とか、チベット仏教の由来はとてもミステリアスで面白いです。


№29にあばら骨が見える、なんとも気の毒なおじさんの像があるのですが、これは「ミラネパ座像」で、説明を読むと、「少年時代に黒魔術を学び、叔父一族に復讐を誓った」人なんだそうです。
痩せた体から憎悪など感じられませんでしたが、なんとも不思議な過去を持った人なので印象に残りました。


2.チベット密教の精華

ここには美しい仏像が一杯あるのですが、とにかく、スゴイのひとことしか出ない像が飾ってありました。
チケット写真にも使われている「十一面千手千眼観音菩薩立像」です。
この像は本当に腕が千本あるんですよ!(自分では数えてないけど…(つω`*))
細部まで作りこまれていて、腕が千本もあるのにバランスも良く、本当に前に立つとタメイキしか出てこない仏像でした。
これがケースなしで、そのまま展示してあるのですから、主催も太っ腹なことです。

さらにスゴイ像がこれです!
「カーラチャクラ父母仏立像」
男女の仏が抱き合っている像なのですが、これも迫力ありすぎて、目に入った瞬間、「ギャっ!」って感じでした。
向き合う二人がとても美形なので、お顔だけでも十分にドキドキ出来ます。
これもケースなしなので、迫力が生で伝わってきます。


謎の展示物…№68 ツァツァ(泥で型押しした仏様・捧げ物としてつかう)

最初は、「なんだ?この泥レンガは?」と思ってしまいました。
だがしかし、説明を読んでビックリ!
この泥には亡くなった高僧の遺灰が混ぜこんであるんだそうだ!
そういう遺物が大好きな私にはとても興味深かったです。
出来れば、ちょっと臭いとか嗅いでみたかった!!


カパーラ
高僧の頭蓋骨を使って作られた入れ物。
これに水をいれると、普通の水が聖水になるそうです。
飾ってあったのは立派なお鉢でした。
蓋の持ち手の部分が、どうみても脳味噌を意識したデザインにしか見えず、個人的にステキに感じました。


ダーキニー像
熱心に見つめてしまう仏像といえば、やはり「ダーキニー像」でした。
手に持っているカパーラ(頭蓋骨で出来たコップ)が人骨マニアの私を心を鷲づかみにしたからなのですが、それを除外してもダーキニー像というのは、とても魅力的な像でした。
ダーキニー像と自分の相性は最高だなと思いながら出口に向かうと、「守りがみ」と書かれた”おみくじボックス”を発見!
挑戦してみたら、やっぱりダーキニー像を引き当てて、自分でもビックリしました。
「そうか…私はダーキニー女神に守られているのか゚.+:。(´ω`*)゚.+:。ポッ」
ダーキニー女神は日本では稲荷神として祀られているそうなので、機会があればお参りしたいです。


【おみやげチェック】

狭いショップにはチベットグッズが山盛り売ってました。
佐久間ドロップのポタラ宮殿缶など、謎のミヤゲもあったりして見ているだけでも楽しかったです。
ネパールで作られた物が多く、マニ車などもありました。

古代ローマ帝国の遺産

【栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ】
古代ローマ帝国の遺産-L'EREDITA DELL' IMPERO ROMANO

国立西洋美術館 2009年9月19日~12月13日


国立西洋美術館で古代文物展をするなんて、私の記憶の中では初めてだよ~ん
国立西洋美術館でポンペイ展をすると知った時、「めずらしいな~」と思いました。
長く上野の博物館群をウロウロしている私でも西洋美術館は無縁の場所で、企画展などやっていても自発的に行くことは今までありませんでした。
以前、正月に行ったとき、無料で解放されていた常設部分はちょこっと観たことはあるのですが、お金を払って内部を観たことは一度もありませんでした。
今回、ポンペイ展が企画されたので初めて常設以外のところを歩きましたが、内部はこじんまりとしたフロアになっていて、博物館とは違う構造が興味深かったです。
さすが世界遺産に登録申請している建物だけあるなと思いました。

初日の開館時間に合わせて行ったのですが、多くの人が入り口に並んでいて関心の高さにビックリしました。
また時間が経つに連れ、会場内にお客さんが増えてきて、これもビックリでした。
ローマに関心を持っている人がこんなにいるのかと、その勢いを実感しました。

気になったことは説明板の位置が低くて、手前のお客さんが顔を近づけて読むと、他の人は読み終わるまで待たなければならず、それで渋滞が起きてしまうことです。
最近の博物館では説明板の貼り付け場所は、高いところに貼って渋滞回避に努めているのですが、さすがに美術館ではそういうノウハウがないのか、古風な設置方法をとっていました。
ガラスケースの前でゆっくり読まれると、本当に待たされるので、主催者は配慮して欲しかったです。

あと、コーナーごとに展示の説明をした案内板があるのですが、これが長文で笑ってしまいました。
なんかすごく分量が多くて、読むのが大変でした。
半分くらいで良いと思うのですが、どうしても語りたくなるんでしょうね。


入り口の様子

白い大理石をイメージした空間になっていて、シンプルな感じが良かったです。


1.帝国の誕生

広いフロアに彫刻がたくさん展示されていました。
解説を読むと、ローマ人はギリシャ風の彫刻から脱却し、「カエサルのハゲ頭まで「冷徹」に表現するようになった」という解説があって笑ってしまいました。
確かにギリシャ人は「美」を優先していたから、汚点はなるべく隠すようにしていたと思います。
ローマ人はあるがままに描写することを「善」としていたようなので、解説を読んで「ローマ人っておもしろいな」と認識を新たにしました。
だがしかし、皇帝アウグストゥスはその表現が嫌だったらしく、常に自分を若々しく表現するようにさせていたそうです。
アーモンドの目に柳マユゲ…それがこの時代の特徴なので、若者の像はだいたい似ていて、私のようなシロウトにはみんな同じに見えてしまいました。


2.アウグストゥスの帝国とその機構

ここは小さな壁画が多かったです。
目玉は『ディオニソス』の壁画でしょうか。
ディオニソスの女信者たち「マイナス」が一杯描かれている壁画ですが、ちょっと薄いなと思いました。
№17のアポロ像は目が怖くて、目が合いそうになると思わずそらしてしまいたくなる感じでした。

ポンペイ絵はガラスビンを保護&運ぶために作られた土器の入れ物です。
割れやすいガラスビンを割れやすい土器に入れても仕方なんじゃないの?と思いながら見ましたが、草のバッグに入れるよりは多少丈夫なのかなと思いました。

№37のオッサン顔したヘラクレスにショック!
私の中では美貌の勇者だったのに…。

ポンペイあと、歯をむき出しにしたヘビの腕輪と、ガラスの骨壺が印象深かったです。
骨壺の方は、あれで一人分なのでしょうかね…。
ちょっと骨の量が多いような気がしました。
胴体につけられた太い持ち手がおしゃれなデザインでした。
出来れば蓋を開けて中の匂いを嗅いでみたいものだと思いました。

3.帝国の富

ブロンズ関係が多く展示されていました。

№66:真っ裸なのにマント…。
マントよりパンツが先じゃないのかとツッコミながら見てました。
でもオリンピック選手は全裸での参加が基本だから、これは選手が肩を冷やさないようにマントを羽織った姿を彫刻家が面白がって作品にしたのかな…と妄想してみました。

ポンペイ№102:イルカの像ですが、目がKISSのジーン・シモンズのように星型をしていて、可愛いかったです。

№116:ディオニソス像
チケットにも登場する、展示の目玉。…の割には、隅っこの方に展示されていました。
紀元前1世紀に作られた白大理石の美少年で、豹を抱く姿をしています。
とにかく顔が美しく、中性的な魅力が溢れていて女性達は釘付けでした。
私はギリシャで何体もディオニソス像を見てきましたが、これほどの美貌の持ち主には出会えませんでした。
隣に近くから出土した女性像があるのですが、こちらが無表情の分、よけいにディオニソス像が美しく見えてしまいます。


4.地下の展示

地下にどーんと、部屋の壁画をまるごと展示してました。
色んな植物が生い茂る様子を壁に描き、そこで優雅に茶を飲んでいたそうです。
よく見ると、白い花びらのカモミールなどが描かれていて、当時の人もこの花を愛していたのかと思うと、嬉しくなりました。

さらに奥には水槽施設の壁画も展示してありましたが、これも美しいものでした。
貝殻とガラスモザイクが織りなす壁の模様が、とてもリズミカルで、見ているだけでワクワクしてきました。
先の壁画とこの水槽施設が設置された家に住んでいた人は、どんな人だったのかな~と、とても気になりました。
こんな美しい家に住めるなんて、本当に羨ましいと思いました。


おみやげコーナー

壁画をモチーフにしたクリアファイルが売ってました。
あとディオニソスをプリントしたTシャツが目立ってました。
お~と思ったのは、クッキーです。
最近は食べ物系のオミヤゲが必ずあるので驚きです。
商品の量は少ないので、見応えはあまりないのですが、ココでの”買い”は、ショップに置いてある、「考える人」の携帯ストラップがマニアの間では人気だそうです。

トリノ・エジプト展

【イタリアが愛した美の遺産】
トリノ・エジプト展-ANCIENT EGYPT in TORINO

東京都美術館 2009年8月1日~10月4日


★トリノ博物館の室内装飾までマネした、実は気合い入りまくりの展示会

この夏はエジプト展だらけで、少々食傷気味だったので、時間をおいて見に行く事にしました。
もう公開から一ヶ月経ったし、夏休みも終わったので空いているだろうと思っていたのですが、私の予想はハズれ、会場は多くのお客さんで混雑してました。
改めて日本人のエジプト好きを実感しました。

トリノ博物館は改装してから、その効果的な演出が評判になり、なんだかたくさん、お客が来るようになったそうです。
今回の展示ではその演出方法もマネて部屋を作っているので、とっても興味深かったです。
照明と鏡をうまく使うと、こんなに劇的な空間が出来るのかと、驚きました。
でもぶっちゃけ空間は確かにすごいけど、その感動が遺物を良く見せるとか、逆に曇らせる事もなく、淡々と見学してしまったのは、ちょっと残念だったかも。


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入り口

黒い壁に金の文字で美術展のタイトルが並んでいました。
奥の壁は灰色の格子柱が並ぶモダンな空間になってました。

あいさつパネルには、今回展示の目玉として、新王国時代時代に王墓造営に関わった職人さんたちが住んでいた「ディール・アル・マディーナ」から出土した道具類などを展示するよ~と書いてあり、入り口ですでに血圧上昇しました。

それとシャンポリオンが、トリノ博物館のエジプトコレクションを見て、こんな言葉を残したそうです。

   「メンフィスとテーベへの道は、トリノを通過している」(1842年トリノ)

当時からトリノ博物館のコレクションはすごかったみたいです。

購入品が多いので出土品ばかりの展示会より美麗な物が多いのも、この展示会の特徴だと思います。


良かったこと

解説板がガラスケースの遺物近くに一つと、ガラスケースの天井近くにもう一つ貼られていました。
そのお陰で解説を読もうと人々がガラスケースに顔を近づけて、押し合うなんてことがなく、とっても快適でした。
これは本当に気が利いていると思いました。
他の博物館もどんどんマネて欲しいです。

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1.トリノ・エジプト博物館

▼職人村(ディール・アル・マディーナ)から出土した道具類が展示されていました。
木槌と鑿(のみ)を描いてみました。

このコーナーで目を見張る美しさだったのは亜麻布です。
とっても保存状態が良く、これが数千年前の物とは信じられません。
表面もピッチリしていて、業者が売るとき、アイロンでもかけたのかもしれませんね。

▼部屋の中央には墓の模型が展示してありました。
墓が地上からずっと下に作られていることが分かります。
その様子はアリンコの世界です。


2.彫像ギャラリー

本家トリノ博物館の雰囲気を再現した展示室。
暗い室内、そして各所に配置された鏡の効果で、まるで星空の下で彫像を見ているような気分になれました。
部屋が暗いため、案内板は光るようになっていて、これも幻想的な雰囲気でした。
といっても、この部屋の彫像たちは、どれもガッシリだったり、お茶目だったりするので、ちょっとバランスが悪いかなと思いました。
どうせ暗いなら、ミイラとか棺とか、そういった物の方がさらに雰囲気が出たかもしれません。

絵は羊の石像です。
巨大な頭だけが展示してありました。
後ろから見ると、耳の丸い象さんみたいなのに、横に回ると鼻の長い羊になるのが騙し絵みたいで面白かったです。






彫刻ギャラリーに目玉は、チケットにもなっている、『アメン神とツタンカーメン』の像です。
アメン神の隣に可愛くよりそうツタンカーメンがとても愛らしく見える彫像なのですが、面白いのはツタンカーメン王が神の肩に手を回しているところです。
裏側に回ると、確かにちょこっと手が出ているのですが、見ているうちに不気味に感じて来て、少し背筋がぞーっとしました。

台座に彫られていたツタンカーメン王の名前をホルエムヘブ王が削り取って、その上から自分の名を刻んだという説明を読んで、ホルエムヘブの姑息な性格に笑いが出ました。


3.祈りの軌跡

動物の像が一杯ありました。


4.死者の旅立ち

焼けただれた棺が展示してありました。
こういうのを見ると、棺って本当に大きくて厚い木を削って作られているんだな~と思いました。
ちょっと消し炭の香りを嗅いでみたかったのですが、ガラスケースの中に入っていたので、嗅ぐことは残念ながら出来ませんでした。


5.再生への扉

エジプト展示の中で一番インパクトがあるのは、やはりミイラとか美しく描かれた棺だと思うのですが、今回はたっぷり美麗で、それもデカイ棺がたくさん展示されていて、みんなビックリしていたようです。
その中で一番、お客さんをギョッとさせていたのは、№105の「ハルワの棺とミイラ」だと思います。
このコーナーで一番大きなガラスケースが使われているので確かに目立つのですが、でも皆の興味は、包帯巻きされたミイラから染み出た「黒いシミ」に集まっていました。
私も最初見たとき、驚きました。何が漏れているんだ?とちょっと考えてしまいました。
真っ黒いので樹脂かな?と思ったんですが、他のお客さんは血が黒く固まった物かと思ったらしく、ミイラを前にあれこれ囁いていたのが興味深かったです。
この黒いシミ、よく見るとガラスの粉がまぶしてあるかのようにキラキラ光ります。


オミヤゲ

とってもニギヤカ! レジも大忙し! 
いつもは閑古鳥のアクセサリーカウンターも人が群れ、高めのグッズもバンバン売れているみたいで、私はビックリでした。
あとはイタリアから持ってきた、ジャム?とかチョコレートとか、もう~何でも売っちゃえ! みたいな感じで、まさにエジプトのスーク(市場)のようでした。

最近は綺麗な写真が印刷された缶ケースにクッキーを入れて、来場記念にどーぞ!と販売されていることが多いです。
今回も同じような物が売っていたのですが、値段表のところに「空き缶はCDケースとしても使えます」と書いてあり、「クッキーを食べ終わった後の缶ケースの使い方まで教えてくれるかぁ!」と、そのサービスぶりに笑ってしまいました。

レストランではイアリア料理を提供していたみたいですが、この日は国立西洋美術館の「すいれん」でランチしてしまったので食べませんでした。
行列の出来るレストラン「すいれん」のランチは安くてうまかったです。

黄金の都 シカン

【インカ帝国のルーツ】
黄金の都 シカン

国立科学博物館 2009年7月14日~10月12日


★ひっそり始まったシカン遺跡展

同時期開催の「海のエジプト展」がCMを流したりと、大物ぶりを見せつける中、シカン展はどうなのか~と開催最初の土曜日に駆けつけてみました。(この日は国立博物館で開催されたばかりの「伊勢神宮展」も掛け持ちで見たりして忙しかった)
予想以上の盛況振りに嬉しくなりました。
今回は科博のレストランもイベント記念メニューを出したりと、かなり「盛り上げようぜ!」な空気が流れていると思いました。


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入り口
シンプルな入れ子式の額縁(白色)のモニターが映像を映していました。
考古学界のお歴々の紹介の後、島田泉先生がバーンと登場するので、「おぉー!」と思いました。
ちなみに紹介されていた人たち
  ・ナポレオン→シャンポリオン→カーター→シュリーマン→ライヒェ→島田先生登場!
今回は考古学というものがどんな学問なのかをさりげなく紹介する目的もあるらしく、通路には「考古学とは!」というパネルが展示してありました。


会場のあちこちにモニターが置かれ、発掘の様子などを流していました。
今の流行ですね、こういうの。
どれも1分半と短いのがいいです。こういうのは長くても2分以内にしてほしい。

●考古学者の仕事紹介

入り口を入ってすぐのところにコーナーが作られていました。

▼著名な考古学者紹介
  マックス・ウーレ(アンデス文明の年代の基本的な枠組みを作ったドイツ人)
  フリオ・C・テーヨ(先住民系ペルー人学者/北山岳地帯の発掘)

▼発掘の道具(巻き尺とか)

▼スケッチ
方眼用紙に描かれた出土品(土器)のスケッチが上手で可愛かったです。
エンピツでサラッと描いてあるのですが、とても味のある描写で、これはなかなか貴重な展示だと思いました。


第一部・シカンを掘る!考古学者の挑戦

    中央にロロ神殿と周囲に点在する墓をジオラマ化。
    規則性もなく、適当に散らばる墓の位置にちょっと驚きました。
    あと、同じ壺のデザインだけど、時代が変わると、こんなに変化するんだよぉぉぉの展示も楽しかったです。
    壺にひっついている黒猫を描いてみました。

▼黄金の間
東の墓から発掘された黄金のマスクと頭飾りが目玉展示となってました。
横から見ると、かなり薄いです。
目玉が出ているのですが、白目の部分は赤い琥珀を使い、黒目の部分はエメラルドを使っているようでした。
どちらもコロンビア原産のモノで、当時のシカン人は南米のあちこちと交易をしていたそうなので、この宝石も交易で手に入れたんでしょうね。
向かいのガラスケースに展示してあったイヤリングはかなり大きかったです。
これを通すためにはどれくらい耳たぶに穴を開けなければいけないのかな~と疑問に思い、隣に展示してあった顔面復元模型のおっさんの耳たぶを見てみたら、首に針を刺して止めてあった!Σ(゚д゚lll)ガーン


第二部・シカン文化の世界 インカ帝国の源流

▼宗教の間
大きなヒキガエルがいました。
中央に飾られた黄金のケロは重そうでした。
黄金製品にはキログラムも表示してくれると貧乏人にはインパクトがあると思います。
チケットに使われた黄金のトゥミはココに展示されていました。
意外とあっさり見ていく人が多い。
目玉なのだから、表示板にもうちょっと見どころを書き加えてくれたら、良かったのかも。
気になったのは、服に縫いつけられていたという板。そこに描かれていたシカン神の可愛さにメロメロです。
横向きになった時のシカン神は鼻がまるっこくて可愛いのです。
鳥と融合しているのも面白いデザインだと思いました。

▼交易
シカンの人たちは黒陶光沢陶器で大もうけしたらしい。
当時は白無地に絵を描いたような壺が多かったので、黒陶光沢陶器は斬新で強烈なスタイリッシュ壺として周囲の人から歓迎されたらしい。
いつの時代も大流行に乗った者が金を得るという仕組みがあるんですね。
土器で琥珀やエメラルドまで交換出来たというのだからスゴイ。

都会で流行した黒陶光沢陶器を田舎の人が真似て作ったという土器まで展示されていました。(No.179.180)
どうせ真似るなら、もっと真剣に真似てよ! とシカン人が言いたくなるような、しょっぱい出来具合に私もタハハ…でした。
解説板には、そのしょっぱさを「田舎風」と表現していたのに、第二の笑いが…・゚・(つ∀`)・゚・

▼卓越した技術
シカンの人は手先が器用なのか細かいモノを色々作ってました。
黄金の蜘蛛とか、背もたれに小さな人形をみっちりとつけた輿とか、興味深かったです。
土器で作られた宮殿も面白かったです。
当時の人はああいう城に住んでいたのかと初めて知りました。


エピローグ・ミイラが語るシカン文化とは?
ブルホ遺跡というところからミイラがやってきました。
グルグル巻きにされていて、中身がどうなっているのか…さっぱり分かりませんでした。
ちょっと匂いを嗅ぎたかったのに、ガラスで密閉されてました。

★3Dシアターナチュラル
これは3D映画なのですが、青と赤の線が出ない不思議な3Dでした。
眼鏡がないと平坦な映像しか見られないのですが、3Dが苦手な人には良いですね。
これは一見の価値があります!


オミヤゲ
ペルーから食材なども来ていて、見ているだけで楽しかったです。
相変わらず民芸品も多くて、買っていく人もいました。
会場限定のガチャガチャもありました。
1個300円でしたが、試す人もいるみたいでした。
そしてまた発見! キティとコラボしているグッズがありました。
チケットに出ているトゥミの顔の部分がキティちゃんになっているという…シュールな携帯ストラップ発見!
トゥミは生贄となった人間の心臓を切り出すための道具だと知っていたら、ぜったいに組ませないだろうと思うんですが…。

特別メニュー
レストラン「ムーセイオン」の『シカン展特別ランチ』を頼んでみました。
ペルー料理ということでしたが…まぁ、トウモロコシがあったから、確かにペルー料理かも。
他にもチケットを出すとサービスしてくれる店があるようです。

海のエジプト展

【海底からよみがえる、古代都市アレクサンドリアの至宝】
海のエジプト展

パシフィコ横浜 2009年6月27日~9月23日
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★以前から話題になっていた、海からの発掘品がついに日本に上陸しました。
広い会場を贅沢に使った展示会は、なかなかのモノでした。
展示物が多いので、ゆっくり見ていたら3時間はかかりました。


入場料

大人一枚 2300円

通常、展示会と言えば1300円くらいが相場ですが、なんとこの展示会では強気の値段設定になっています。
それだけ値段に見合ったモノが見られるのかというと…見られますよ!
他の展示会では見られない大型の展示物が多いので、古代エジプト文化の威圧感を感じることが出来ます!


入り口
写真パネルだけという質素な入り口を抜けると、いきなり巨大な空間が現れます!
スクリーンパネルで展示物の概略を紹介をすると共に、その下に大きな石のかたまりをゴロゴロさせている。
よく見ると、うっすらと表面にヒエログリフの彫刻。
これもあの海底から引き上げたモノだと知ってビックリ。
私は最初見たとき、雰囲気を盛り上げるための発泡スチロールのニセモノだと思っていたので、これには驚きました。
照明が暗いので普通に見たのでは分かりませんが、スクリーンの端っこから眺めると、ピンクローズ色した大理石の美しさを確認することが出来ます。


海底に眠る都市

カノープス遺跡(CANOPUS)
セラピス神殿を中心に栄えた、聖なる癒しの都。
巡礼者が山ほど訪れたそうです。


印象的な壊れ具合の『デカンの祠堂』
この祠堂の横にはヒエログリフがみっちりと刻んであります。
解読によると、これは暦でナイルの増水期などを知るためのモノだったそうです。
中の壁には、超可愛いライオンが描かれています。

ところでこの祠堂。
バラバラですが、同じ所から、同じ時期に発見されたのではなく、なんと今のパーツが揃うまで200年かかったそうです。
最初の石の発見は1777年で、最後の石は1999年発見!
あちこちの博物館に展示されていたりしたそうで、ついに出会えて良かったです。

王妃の像(3BC)
とってもエッチな雰囲気の女性像です。
頭部がないので各自勝手に妄想できるのが良いです。
見どころは強調されたヘソだと思います。
横からみると身体の割に二の腕が太く、ケンカが強そうに見えました。

ヘラクレイオン遺跡
ヘロドトスも450BCにここを訪れたそうです。
ここはヘラクレス神殿から発掘された遺物が展示されています。
ちょうどこの辺まで見学が進むと疲れてくるんですが、展示してある3体のスフィンクスがいかにも座り心地が良さそうな背中で出迎えてくれるので、フラフラと近寄ってしまいそうになりました。

    プトレマイオス8世のデカイ石碑(ステラ)
    プトレマイオス期の石碑ですが、まぁ~デカイです。
    表面の文字はかなり波によって削られていますが、分かる範囲で解読されています。

    巨像
    今回の目玉は、一番奥に展示されている「ハピ神・ファラオ・王妃」の3体です。
    デカイですよ~。見上げるほどです。

アレキサンドリア
クレオパトラの遺物を色々と展示してあります。
コインなどが見どころ。

    「オシリス・カノポス壺を抱く神官」の向かって右となりにいるスフィンクスはイケメン

その他、見どころ
【ヘラクレイオン】
この周辺に飾ってあるガラスケースの中に可愛い像が!
№221「月の円盤を持つコンス神の小像」は、「オレに文句があるなら、かかってこいや!」のポーズで可愛いです。

【その他】
海底発掘中をリアルな人形で再現したり、調査船の内部、そして古代エジプトでもてはやされた香料の嗅ぐような展示もありました。


ミヤゲコーナー
なぜか古代エジプト人の格好をした、ハローキティのグッズが大量に売られていました。
その他は、それほど目新しい新作がなかったのが残念。
ちなみに絵はがきは150円とやっぱり高いです。
後は「KAIYODO」のカプセルフィギュアが人気。
みんなガチャポンしてました。

よみがえる黄金文明展-ブルガリアに眠る古代トラキアの秘宝-

【21世紀の大発見】
よみがえる黄金文明展-ブルガリアに眠る古代トラキアの秘宝-

大丸ミュージアム 2009年1月29日~2月15日
ファイル 47-1.jpg


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祝・ブルガリアの黄金展!

去年、ブルガリアを訪問し、現地で見てきたばかりの逸品たちと、こんなに早く再会できるとは思わなかったので、運命を感じながら堪能しました。
日本で久しぶりに開催されたトラキア展なので、平日にも関わらず多くの人が訪れていました。
トラキア人の墳墓を尋ねてから、すっかりオルフェウス教(ディオニュソス教とも言われる)にハマってしまっているので、今回の展示はとても楽しみにしていました。

展示等
ここではボールペンの使用はダメということで、エンピツを貸してもらったのですが、なんと「4B」。
芯がやわらかくて、メモ帳に書いた文字がどんどん太くなっていくのにはまいりました。
(すいません、借りといて文句言ったりして…)

解説板が分かりやすく、字も見やすくて、とても好印象でした。
遺物の前に置いてあると混雑した場合は見難いかと思いますが、大きな会場じゃないのでこれでちょうど良いかと思いました。
遺跡の地図や写真が少なかったのは残念でした。
土地勘のないお客さんに対して配慮して欲しかったです。
入り口近くの年表のわかりやすさは神レベル! とっても参考になりました。

入り口
ファイル 47-4.jpgなーんと、入り口で、シュベスタリ古墳の女神たちのレリーフがお出迎えしてくれていて、ドキドキでした。
解説も何もないので、一般客はほとんど「????」状態でしたが、中には熱心に見ていく人もいました。
女神と女神の間には柱を立て、その上で小さな篝火を燃やす…というこだわりの演出に私などは大喜びだったのですが、それに気がつく人が少なかったのは残念でした。
(実際はそんな火を焚く場所はないけど(写真参照))

1.文明の十字路

入り口すぐに可愛い土器が展示されていました。
三本足の黒陶土器。
火葬した骨を入れて岩窟墓に納めたらしいです。
周囲の「△▽△▽△▽」模様が可愛いです。


ファイル 47-2.gif「世界最古の黄金文明」なのだそうですよ。
黒海沿岸のヴァルナ集団墓地では紀元前5000年頃の黄金製品が出土していて、これらはエジプトやメソポタミアよりも古いんだそうです。
私はヴァルナは夜について早朝バスで立ってしまったので博物館は見ていないのですが、ネセバル博物館で見た写真のイメージからすると、かなり大規模な墳墓があの辺りにはあったようでした。
この雄牛のアップリケも古いものですが、簡素ながら可愛らしさが残るデザインを見ると、こういうセンスは今と変わらないことがビックリです。



№21の松かさ形のリュウトン(前4)や№23のカンタロス杯(前4-前3頃)はディオニュソス教を彷彿とさせるもので、とても興味深いものでした。
他にもディオニュソス祭の様子を描いた赤絵ツボなどもあって、当時の信仰の盛り上がりを感じられました。

ファイル 47-3.gif面白かったのは「仮面付き兜」です。
フルフェイスタイプなのですが、その顔が個性的というかなんというか。
タレ目のアーモンドアイが魅惑的でした。


個人的目玉は馬飾りです。
馬飾りに描かれた、「オルフェイス教」の様子です。
紀元前4世紀のモノですが、呪術的な要素も濃くていろんな意味を感じさせるモノでした。

№77
長い服、手に鏡(鏡はオルフェイス教の儀式における奉納品の一つで再生の象徴であった@解説)、3つの頭を持つ蛇を手にしているのが印象的でした。
この人物はオルフェイスその人かもしれないです。

№83
「太陽を象徴する狼と、右手でフィアラ杯を献酒するように手を高く持ち上げている。
これは死者が神と一つになる秘密の儀式の象徴かも@解説」
馬を乗りこなし、勇猛果敢な兵士だったトラキア人たちは、死を怖れなかったそうです。
それは死の世界こそ、ユートピアだと信じていたからです。
馬具につけられた装飾は、その世界へ導いてもらうための願いがこめられているように思いました。
特に「杯と秘儀」はオルフェウス教にとって大切な意味を持つので、この小さな金具もなかなか味のある遺物だと思います。


Ⅱ.墳墓に眠る謎

あの世でも現世と同じような生活ができるように、お墓には日用品を納めたのですが、どれも美しく、可憐で、見ていて飽きませんでした。
トラキア人と今のブルガリア人が同じかどうかは分かりませんが、割と大柄でゆったりした男たちが、こういった繊細で可愛らしい装飾品を作る姿というのは想像できないのですが、イスラム芸術などもそうですが、小さくて愛らしいモノを愛でる気質を大柄な男性が秘めていると思うと、萌えてくるモノがあります。

オススメは№101の小さい水差し。持ち手が組みひもになっているのが素晴らしいです。

ファイル 47-5.gif№126のカンタロス杯について
ディオニュソスの図が描かれているということで、じっくり拝見したのですが、解説と杯の絵が違うことに気が付きました。
解説では「杖を持ったディオニュソスが鹿を持った女性信者に向かい合っている」と書いてあるのですが、確かにディオニュソスは杖を持っているんですが、頭がハゲていて、あきらかにオッサン…。
ディオニュソスといえば美青年の代名詞になるほどなのに、おかしいな~と思いました。
それに向かい合っている女性は手に鹿ももってないし。
不思議に思って杯の裏側をみると、そこには顔の綺麗なお兄さんが立ってました。
明らかに展示のミスだと思って、スタッフに声をかけました。
「あの…あのツボですが、展示が前後逆になってますよ…」
アンケートにもその事を書いてくれと言われたので、書いておきましたが、ちゃんと展示を直してもらえたかな…。
ガラスケースを持ち上げて、展示を直すって大変そうなので、会期終了まで間違えたまま展示してしまう可能性もあるので、ちょっと心配しています。


「トラキア王の黄金のマスク」と「黄金の花冠」
このコーナーに目玉のマスクが展示してありました。
大きなガラスケースに入った黄金がまぶしかったです!
特別な装置でコーナーをバラの香りで満たしているため、なんとも優雅な気分で展示を堪能できました。

このコーナーでちょっとショックなニュース板を見ました。
ブルガリア考古学の第一人者、ゲオルギ・キトフ博士の訃報です。
2008年9月14日にお亡くなりになったそうです。
博士といえば古墳をブルトーザーで削って発掘するとか、世界ふしぎ発見に出演していただいたことなど、会った事もないのですが身近に感じていた博士なので、この訃報は辛かったです。


Ⅲ.黄金の秘宝
パナギュリシュテで発掘された品々が全部来てました!
「黄金のフィアラ杯」またの名を「黄金の巨大月餅」は黒人の顔が刻まれているという不思議な一品でした。
よく見ると「ドングリ」も刻まれています。
トラキア人はドングリも好きだったらしいです。


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おみやげ

図録は2000円!
ずっしりと重たいので手に食い込むほどでしたが、古代ブルガリアを知るには最良の一冊です。

クリアファイルや文鎮、クッキーなど、相変わらずの品揃えですが、やはりブルガリアと言えば「バラ」なので、バラ関連のグッズを多く売っていました。
先着2000名に配られたローズ製油を染みこませた紙をもらったのですが、これを嗅いでいるとバラの香水が欲しくなります。

【イートン・カレッジ/ダーラム大学所蔵-古代エジプトの美展】

ファイル 46-1.jpg開館30周年記念特別展
イートン・カレッジ/ダーラム大学所蔵

【古代エジプトの美展】
Egyptian Art at Eton College and Durham University
イギリス貴族の愛したファラオの宝箱

古代オリエント博物館 2008年10月10日~11月30日

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全体の感想
イギリス貴族が愛した品々というサブタイトルがついているのですが、美しい…というより意外と趣味に走ったモノが多くて、とても楽しかったです。


1.エジプト文明の芽生え

展示第1号として飾ってあったのは、フリント製の握斧。
作られた年代はなんと、紀元前700000年以降!
「ゼロが多すぎなんじゃないの?」と、何度もゼロを数えてしまいました。
意外と古い石器が出土するんですね。
となりには、ブラッドトップ壺と呼ばれる、縁が黒い土器が展示されていました。
形がドングリみたいで、すっと尖った、さきっちょの細さ、つややかな丸みが、なんとも美しくてウットリしました。

ネフェルティティ神が椅子に座っている像は、その台座に彫り込まれた精密な神々の姿が見どころかな~と思いました。
鏡を後ろにたてて、見えないところも見えるように配慮してありました。
同じ並びにネコの像が展示されていましたが、エジプトのネコ像って鼻-頭頂に段差がないので、オデコ好きとしては物足りないのですが、古代エジプトネコって実際もデコ無しさんなんでしょうかね?(´・ω・`)?


ファイル 46-2.gif2.神々の世界
ナンバー37に「マングース」像が展示してあるのですが、なんと、二本足で立ち上がっていました!
「古代エジプトにいた風太くんの前世だぁ!!」とビックリしました。
っていうか、マングースって沖縄にしかいないと思っていた無知な自分が恥ずかしくなったのですが、そいつが二本足で立てるだなんて、もっと衝撃的でした。
あまりに安定した二本足の立ち姿なので、このままスタスタと歩き回りそうにも見えました。

このマングースの隣には、トト神のヒヒ像が展示してあるのですが、顔が…。
二日酔いで目を開けるのもやっと…みたいな顔していました。
神様に捧げる像なのだから、もっとハツラツとした表情をさせたりすればいいのに、古代エジプト人はそーいうの、気にしないんですね。

あと、タイトルで笑ったのは、「ワニに乗るホルス神」
…なんでワニ!


ファイル 46-3.gif3.偉大なるファラオ
今回の展示の中で、声を失うほど見とれてしまった一品がこれです。
←61番.セベクホテプ4世の碗(中王国・第13王朝・紀元前1710・ファイアンス製)
深い海の底を思わせるような青色で、とても美しい碗なのですが、表面にポツポツと見える白いはじけた気泡が、ブクブクと海面に浮かび上がろうとする泡に見えて、ずっと見てても飽きないのです。
これは本当にキレイだな~と思いました。


4.ナイルの暮らし

紀元前14世紀のエジプトでは全裸の女性図が多く描かれるようになったという説明がありました。
いつも気になっているんですが、古代エジプト人の壁画ってどうしていつも薄着とか全裸とかなんでしょうね。
昔はスゴク熱かったのかな? それとも寒さに強い??
私は2度エジプトに行っていますが、全裸になりたいと思うほど暑いと感じたことがないので、壁画をみるたびに不思議に思います。
薄着というのも神が喜ぶスタイルなのだとしたら納得ですが。


5.来世への願い

面白くて可愛い像が多いコーナーでした。
プトレマイオス朝に作られた、顔が人間で身体が鳥の「バー」像の胸板が厚くてマッチョ系好きな私のハートを盗んでいきました。
じっと見つめていると、思わずこっちが目をそらしたくなるような可愛さでした。

「普段着のシャブティ(紀元前1300年)」というものが展示してありました。
普通シャブティって身体を包帯でグルグル巻きにされているんですが、展示されているモノは豪華な衣装を身にまとっていました。
来世で労働するために入れる人形に豪華な衣装を着させる主人の人となりにちょっと興味が沸きました。


6.エジプト美術の遺産

ここの見どころは256番の「アメンヘテプ3世の小像(紀元前1350年)」です。
どこが見どころかというと、ズバリ腹筋です。
青い釉薬が凍石の上にかけられているのですが、そのテカリと凹にたまった釉薬の黒びかり具合がなんとも良く、体格の良さを際立たせているように思いました。
ヘソ下に巻いたスカートの細かい模様も完璧で、像全体が洗練された美しさに包まれていました。
エジプトの彫像は腹筋を意識させないモノが多いのですが、これは特別だなと思いました。

ミイラもありました。
棺に入ったモノが一体と、頭2個、手が2個。
手だけのミイラの展示ってめずらしいのですが、墨みたいで、言われないと粘土で作ったニセモノかと思ってしまうでしょうね。
よく見ると爪が残っていて、ちょっと恐いです。
頭の方は包帯を巻いているので、表情は分からないのですが、口元がちょっと開いていて、その間から白い歯が…ヽ(;´Д`)ノ
ちょっと恐いです。

ファイル 46-4.gifあとは美味そうな鴨の像とかありました。

出口には細めのオベリスク像が展示してありました。
(アメンヘテプ2世のオベリスク・紀元前1420年)
凹んだところに金泥を塗り込んであって、とても美しいオベリスクでした。

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今回はオススメのおみやげは無かったです。

【特別展-スリランカ 輝く島の美に出会う】

ファイル 45-1.jpg
【特別展-スリランカ 輝く島の美に出会う】

東京国立博物館 表慶館 2008年9月17日~11月30日

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■表慶館で開催!

ファイル 45-2.jpg ファイル 45-3.jpg今回の展示は表慶館での開催となり、ちょっと興奮しました。
今まで何度か入ったことはあったのですが、こんなにジックリと館内を歩き回ったのは初めてでした。
面白かったのはトイレが館内になかったこと。
(トイレはなんと建物を出て、隣に立つ資料館まで行かなくてはならない!)

展示はゆったりで、展示物の裏側にまで回れるよう、スペースがとってありました。
おかげで、仏像のお尻や背中までしっかり見ることが出来ました。


展示品について
スリランカ展と聞いたとき、宝石ばかりが並ぶ宝飾展のような感じになるのかな~と思っていたのですが、仏像から始まって浣腸器まで展示されていて、想像の上を行く内容にビックリしました。
遺跡関係といえば『シーギリア』くらいしか思い浮かばないのですが、現地には古いストゥーパーがあちこちに立っていて、それらの写真を色々見られたのが嬉しかったです。
仏塔を建物で覆った寺院なんてものもあったそうで、それの模型も興味深かったです。
大型の展示物はほとんど複製ですが、やはり大きい物も見せてもらえるのは嬉しいです。
スリランカ語が彫り込まれた柱とか、面白い物もありました。


スリランカの仏像
ファイル 45-5.gif時代の早いスリランカの仏像はどれも華奢な感じで、タイの仏像のようでした。
ほっぺたの幅が狭く、鼻からすぐ耳が出ているような感じでした。
頭飾りは美しく、火炎のようなデザインを「シラスパタ」というのだそうです。


2階の仏像たち
28番の仏像は頭部だけですが、石質が普通の物と違い、なんだか角砂糖を削って作ったような印象を受けました。
表面がザラっとしていて、角が丸く、すこし溶けかかった様子が、面白かったです。
29番の仏像は青銅製なのに身体は白く、色白菩薩でした。

35番の菩薩はチラシに出ている金色菩薩像で、小さいながらも美しい姿をしていました。
身体の肉付きは薄く、むしろ貧相な感じなのに、髪の毛、髪飾り、衣などが、とても細かく彫られ、肉感的で、またどことなくヌメっとした仕上がりになっていて、身体と装飾品から受ける印象がまったく違うところが面白かったです。


オススメの像はこれだ!
ファイル 45-4.gif「ガネーシャとねずみ」の像がとても可愛くて、ずっと見てしまいました。
特にねずみの「お尻」は必見です!
あのなんとも言えない丸さが忘れられなくて、うっかり絵はがきを買ってしまいました!
ガネーシャはお腹に肉がポーニョしてて、これも福々しくて可愛かったです。


その他、壁画の写真など
スリランカに残されている壁画の美しさにはため息がでました。
保存状態の良さもビックリでした。
女性の姿は特に美しく描かれていて、胸の感じ、髪、仕草、どれをとっても心を捕らえてはなさい魅力でした。


オミヤゲチェック
スリランカって何が名物なのかな~と考えつつ、みやげを見てみると、オイルや宝石、あと紙が売ってました。
私は最近流行のA5サイズでチケットを入れることが出来る、ファイルフォルダーを買いました。
ピンクのゾウさんが描かれている可愛くて、キュートなデザインに惚れました。
そして上でも紹介したガネーシャ&ねずみの絵はがきを購入!
久しぶりに可愛い物が買えてウキウキでした。
ガネーシャはお金の神様なので、これで金運アップしてくれると嬉しいな。